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Kinectが周辺機器になる日

まだ日本では発売前のXbox One。しかし、早くも海外では大きな仕様変更が発表されました。それは、Xbox Oneの目玉機能の1つであるKinectを搭載しないパッケージを発売するというもの。これは、Xbox Oneのプラットフォーム戦略そのものに、大きな影響を与える決断であるといえます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Kinectの無いXbox Oneが発売

Xbox OneとKinectの図

全てのハードにKinectを搭載するというのは、Xbox Oneの大きな特徴でした

まだ日本では発売されていないマイクロソフトの次世代据え置きハード、Xbox One。日本のゲームユーザーからすると発売前ではあるんですが、早くも大きな仕様変更が発表されました。それは、Xbox Oneのもっとも大きな特徴の1つであるKinectを搭載しないバージョンを発売する、というものです。

Xbox OneはKinectを全てのハードに同梱するというのが1つの目玉であり、他ハードとの差別化ポイントでもありました。それが、Kinectを同梱しないバージョンを発売するということになると、戦略的な部分で大きな路線変更をするということになります。

この路線変更の大きな理由は、PlayStation4(以下PS4)にあります。簡単に言ってしまえば、ライバルであるPS4があまりに売れていて、このままではマズイので路線変更せざるを得ない、という状況です。そもそもKinectというものがどういうものなのかというところからおさらいしつつ、Xbox OneやPS4を取り巻く海外のゲーム市場について、少しお話したいと思います。

Xbox OneにとってのKinect

ダンスゲームの図

ダンスゲームはKinectで格段の進化を遂げました

KinectはもともとXbox 360で登場した周辺機器で、カメラやマイクを内蔵し、一切コントローラーを使わず、ジェスチャーや声だけでゲームを操作することのできるシステムです。Kinectの登場によってダンスゲームなどは、実際に踊る姿プレイヤーの姿を画面に表示して振り付け通りに踊れているか判定するなど、従来のものより大幅に進化。Xbox360自体がマイナーであり、かつ、狭い部屋の多い日本の住宅環境ではあまり売れませんでしたが、北米などでは大きな注目を集め、Xbox360躍進の一助となりました。

Xbox OneではそのKinectをさらに進化させ、しかもすべてのXbox Oneに標準装備しました。これは、KinectをWiiにおけるWiiリモコンのようなポジションにすえて扱い、Kinectによって他のゲームハードと大きく差別化するという施策でした。

しかし、その戦略は発売から1年もたず、もろくも崩れさった恰好となります。
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