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「産後クライシス」で悩む妻たち!チェックシートと乗り越え方

子どもが生まれる前は順調だった夫婦関係が、出産後になぜか険悪になってしまう「産後クライシス」が急増中! 実際にあった産後クライシスのケースをもとに傾向と対策を検証していきます。まずは、自分が産後クライシスにあてはまっているかどうかセルフチェックをしてみましょう。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

夫婦の危機「産後クライシス」とは?

実録!「産後クライシス」で悩む妻たち

子どもが誕生すれば幸せなのは当然、と思いきや、夫婦関係にヒビが入ることも。夫婦が危機を迎える産後クライシスは急増しています!

みなさんは、「産後クライシス」という言葉を聞いたことがありますか?

産後クライシスとは、出産後に起こる夫婦の危機のことをいいます。子どもが生まれる前は円満だった夫婦関係が、なぜか子どもの誕生をきっかけにギスギスしたものになってしまうケースは年々、増えています。

最悪の場合、離婚にまで発展してしまう危険性のある産後クライシスは、もはや社会現象といってもいいほどです。

「子どもの出産をきっかけに夫婦関係が変わった」と聞いて、「そういえばウチも……」と思い当たるフシはありませんか?

まずは、自分が産後クライシスにあてはまっているかどうかセルフチェックをしてみましょう。
 
<目次>
 

あなたは「産後クライシス」かも?

□出産後、セックスレスだ
□もっと夫に育児や家事を手伝ってほしいと思っている
□友人や知人の夫を見ると、自分の夫との違いを感じて焦る
□出産後も父親の自覚のない夫にイライラする
□出産前後で夫が浮気をした


上記のうち、ひとつでもあてはまるものがあれば、産後クライシスにおちいっている可能性があります。

では、実際に、産後クライシスを迎えた女性たちは、どんなことを考え、どんなふうに乗りきっているのか、実話をもとに具体的にみていきましょう。
 

育児や家事に非協力的な夫に悩むA子さんのケース

妻に育児をまかせっきりにするのも産後クライシスの原因のひとつ。仕事のせいにして協力的ではない夫は注意すべし!

妻に育児をまかせっきりにするのも産後クライシスの原因のひとつ。仕事のせいにして協力的ではない夫は注意すべし!

「仕事が忙しい」という理由で、平日は帰宅時間が遅い夫。幼稚園に通う第一子と、今年、生まれたばかりの第二子の世話は、ほぼ私ひとりでしています。

週末も、「疲れた」といってゴロゴロするばかりの夫は、育児と家事を手伝おうとしません。たまに気が向いたときに、上の子と遊んだり、下の子の写真を撮ったりする程度。肝心なことや手間のかかることは、すべて私まかせなのです。

そんなわけで、夫に対する日頃の不満が募っていた私ですが、春になって新しくママ友ができてさらにイライラしています。というのも、ママ友たちの夫は揃って積極的に育児をこなす「イクメン」のようなのです。

「平日も子どもの風呂入れは、パパが担当してくれる」「子ども用と自分用のお弁当は、夫がつくることになっている」などと聞かされるたびに、「どうしてウチの夫はイクメンではないのだろう」「もう少し育児を手伝ってくれてもいいのに」と悲しくなります。

最近では夫の顔を見るとつい文句ばかりをぶつけてしまうため、険悪なムードになりがちです。
 

アドバイス:「イクメン神話」に振り回されないで!

育児に協力的ではない夫を手伝わせるためには、効果的な「ホメ言葉」がいちばん!上手に夫をのせてあげるようにするのがコツです

育児に協力的ではない夫を手伝わせるためには、効果的な「ホメ言葉」がいちばん!上手に夫をのせてあげるようにするのがコツです

積極的に育児を手伝おうとしない夫が原因で産後クライシスにおちいってしまう妻にとって、イクメンブームはプレッシャーそのもの。それもそのはず、「今どきの夫は、我が子の育児に熱心なのが当たり前」といった風潮が広まれば、「なぜウチだけ違うの?」と焦ってしまうからです。

ですが、そんな「イクメン神話」に惑わされることはありません! なぜなら、イクメンと称されているような、すべての事柄を優先して育児に協力的な夫は、実際は少数派。他人には「ウチの夫はイクメンで~」と自慢する女性の話をよくよく聞いてみても、さほどたいした内容ではない場合がほとんどだからです。

イライラしないコツは他人と自分の夫を比べないこと。「他人は他人。自分は自分」と思っていたほうが気持ちがずっとラクになるでしょう。

さらに、少しでも手伝うそぶりを夫が見せたときは、思い切りほめること。「それをやってもらえるだけで、本当に助かるの。ありがとう!」というように、説得力のあるほめ方をすると、夫も気持ちよく育児や家事を手伝えるものです。ぜひ、ためしてみてください!
 

父親としての自覚がない夫に悩むB子さんのケース

なかなか父親になりきれない子どもっぽい夫は、妻のコントロールと工夫によって変身させましょう!

なかなか父親になりきれない子どもっぽい夫は、妻のコントロールと工夫によって変身させましょう!

結婚前から、自分の趣味や友達との付き合いを優先させがちだった夫。「子どもが生まれれば変わるだろう」と楽観的に思っていたのが間違いでした。

いわゆる“デキちゃった結婚”をした私たちでしたが、かわいい子どもが生まれてとても幸せだったのもつかのま、夫は結婚前の生活と少しもスタイルを変えようとしないのです。

相変わらず給料の大半を自分の趣味に投じたり、友達との飲み会の回数も減るわけでもなく……。せめてもの救いは、子どものことをかわいがっていること。自分から率先して手伝うことはしないものの、私が頼めば育児や家事を分担してくれます。

ただ、やはり父親の自覚のない夫に対してとても腹の立つことは多く。このまま続いていくとしたら、いつか私もキレて大げんかになってしまう気がしています。
 

アドバイス:父親の自覚を芽生えさせるチャンスは3回!

たとえ結婚している立派な社会人であっても、実際に子どもが誕生してみるまで、父親としての自覚がない夫は少なくありません。女性は、妊娠がわかってから子どもが誕生するまでの期間、体調や心の変化があるために、少しずつ母親としての自覚が芽生えていきますが、男性はそれがありません。妻の身体と心がどんなふうに微妙に変わっていっているかを完璧に理解することは不可能なのです。

とはいえ、多くの夫は生まれた子どもの顔を見ているうちに「オレも父親として頑張らなくては」という気持ちになっていくものです。ところが、なかにはB子さんの夫のように、いつまでも生活のスタイルを変えようとしない子どもっぽい男性もいます。

もしも、出産後も夫が生活を変えようとしない場合、父親の自覚を芽生えさせるために隊、イングよく適度なプレッシャーをかけるチャンスは3回あることを覚えておいてください。

1回目は、出産直後。「これで私たちも“親”になったんだね。頑張ろうね」という流れで自覚をうながせるでしょう。

2回目は、子どもが幼稚園や保育園にあがったとき。幼稚園や保育園などではイベントがあるものですが、そのときに父親も参加すると子どもはよろこぶもの。子どもの視点からのアプローチで“父親役”をこなしてもらいましょう。

3回目は、子どもが小学校にあがるとき。家族全員が、これまでとはドラスティックに環境が変わるタイミングだとわかれば、本腰を入れて“親業”をしなくてはならないことに気付くはず。「いよいよ小学生になるね。私たちも親としてしっかりしなきゃね」としっかりとハッパをかけましょう。


このように、出産後に夫に対してイライラすることが増えるのは、珍しいことであはりません。また、「どうして私だけ?」と自分のことを責める必要もありません。産後クライシスは、夫婦が協力すれば必ず乗り越えられるものですし、離婚の危機を迎えることもないのです。

ぜひ、子どもとあなたの幸せのために産後クライシスをよく知り、賢く乗りきっていきましょう!

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