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新国立劇場 奥村康祐『パゴダの王子』インタビュー!

新国立劇場バレエ団公演『パゴダの王子』で、王子役を務めるソリストの奥村康祐さん。『パゴダの王子』はデヴィッド・ビントレーが同団のために振付けた創作バレエであり、奥村さんが入団して初めて踊った想い出深い作品でもあります。ここでは、開幕に先駆け奥村さんにインタビュー! 作品への意気込みをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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『パゴダの王子』の王子役に抜擢されたときのお気持ちをお聞かせください

奥村>僕の中では“たぶんこの作品のキャストには入らないだろうな”と思っていたので、あまり期待していなかったんです(笑)。だから、選んでいただいたときはすごく嬉しかったですね。『パゴダの王子』は新国立劇場バレエ団に入団して最初に出演した舞台であり、そういう意味でもとても想い入れのある作品です。

僕が入団したのはちょうど震災があった年で、新たにダンサーを採用するのは難しい時期だったと思うのですが、ビントレー監督が通してくださった。ビントレー監督にはすごく感謝していますし、僕にとっては父親のような存在でもあります。いつも気にかけてくれて、いい役を与えてくださり、それでどんどんステップアップしてこれた。今回はビントレー芸術監督の最後の舞台ということもあり、監督の期待に応えられるような踊りをしたいと思っています。

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『パゴダの王子』(2011) 撮影:瀬戸秀美


リハーサルの様子はいかがですか

奥村>リハーサルはゴールデンウィークあけから始まり、最初の五日間で振り移しはほぼ終わった感じ。とはいえ福岡くんや小野さん、菅野さんや米沢さんは初演でも踊っているので、主役のパートで新たに振りを覚えなければいけないのは僕たちだけ。特に福岡くんと小野さんは先日英国で踊ってきたばかりということもあり、初めて踊る僕たちとは大分差があるし、やっぱりみなさんに追いつくのは大変です。


とにかくやることが沢山あって、すごく手強い役ですね。まず技術的に難しいし、音もすごく難しい。そのふたつが一番大きな課題です。それにもともと福岡くんと小野さんに振付けた作品なので、ふたりが出来ることのもうひとつ上の難度になってる。それを僕らがいきなり踊ろうとすると、ひとつもふたつも上に自分をもっていかなければならなくて……。

ベンジャミン・ブリテンの音楽にしても、あまり聞き慣れない上に、カウントが変拍子になっていて難解なんです。特に苦戦しているのがサラマンダーの踊り。サラマンダーになるシーンはガムランの音楽に合わせて踊るんですが、コンテンポラリーのような動きですごく難しいし、カウントを覚えるのも大変です。

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