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東京でゼッタイ見たい建物【新宿エリア・17選】(4ページ目)

東京は新旧、さまざまな意匠、雰囲気が入れ混じって、さまざまな建物や施設、エリアが混沌とした不思議な魅力が、たくさんある都市。今回は、東京のなかでも特にカオティックな雰囲気の「新宿区エリア」について、独断と偏見を交えて紹介します。

喜入 時生

執筆者:喜入 時生

インテリア・建築デザインガイド

新宿エリアは悪趣味だけど文化的? 

ここまで、駆け足で新宿の建物について、かなり偏った感覚でみてきましたが、他にも新宿エリアには紹介したい建物が、たくさんあります。

おうじょう

歌舞伎町にある、その名も「王城ビル」。かつては名曲喫茶でしたが現在はカラオケ店となっています。場所は新宿駅東口を背にして靖国通りを渡り歌舞伎町中央通リから2つ目の通りを右に入ると見えてきます。1970年代はジャズ喫茶がたくさんあって、作家・中上健次さんなど文化人が多く集まっていたエリアだそう。1973年竣工の有名なラブホ「目黒エンペラー」などにも通じる「日本人が考える西洋のお城」が興味深いデザインです。


2かん

チャールズ・ジェンクスが機能主義に意を唱えてポストモダン建築について1978年に発行した『ポストモダニズムの建築言語』。この表紙は歌舞伎町のラブホ街にある竹山実設計の「新宿二番館」が表紙を飾っています。今もありますが、数年前にグレーに塗り替えられたのが残念! この派手な外壁のアートワークは1970年代を代表するグラフィック・デザイナーの粟津潔氏です。


ぐんかん

大久保方面、歌舞伎町に面したコリアンタウンと化した職安通りにある通称「軍艦マンション」。「ビル萌え」の方々には有名ですね。設計は元軍人だった渡邉洋治。竣工:1970年。
 


びっくぼっくす

新宿駅エリアではないですが新宿区の高田馬場駅前の「BIGBOX」。設計は黒川紀章さんです。今は壁が青く塗られていますが、数年前まで赤いバックに人が走っているシルエットの絵でした。量感を感じさせるモダンな躯体とイラストレーションの融合が面白い雰囲気でした。竣工:1974年

 

また、新宿という街は夜のイメージの「歌舞伎町」という大歓楽街、小さな「思い出横丁」「ゴールデン街」などや、かつてはジャズ喫茶や文壇バー、そして教育施設も多く、ちょっぴり悪所なのに文化的、というところが魅力。

しかし、昼の顔として、西口のビジネスタウン、東口の巨大なショッピングエリア、などなどが混在するという混乱具合が、とてもおもしろい。さらに掘り下げると、まだまだ、興味深いエピソードが発掘できそう。機会があれば、また都市としての新宿、そして、東京のほかの街、渋谷、池袋、六本木、銀座、浅草……、なども探索してみたい、ともくろんでいます。


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