リーダーシップ/リーダーシップの基本知識

グローバルリーダー道-多様性を理解する視点-

グローバル元年と言われる2010年を境に、企業や大学では、グローバル人材の育成に本気で取り組みはじめました。前回はリーダーシップ論の新潮流と題して、「コネクティング・リーダーシップ」をご紹介しましたが、その中のDIVERSITY(多様性)の理解を促進する上での有効な視点をご紹介しましょう。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

2010年を境に、企業や大学では、グローバル人材の育成に取り組みはじめました。前回はリーダーシップ論の新潮流と題して、「コネクティング・リーダーシップ」をご紹介しましたが、その中のDIVERSITY(多様性)の理解を促進する上での有効な視点をご紹介しましょう。

語学力はコミュニケーションの手段であり、その前提である異文化理解は必須となる

語学力はコミュニケーションの手段であり、その前提である異文化理解は必須となる

それはグローバル教育のパイオニアである渥美育子さんの「文化コード」という切り口です。米国でこの考え方を開発・提唱され、今は日本の企業や学校で実践されています。1980年代前半から四半世紀の間、米国の東海岸を拠点に置き、人種を問わず、グローバル人材の育成に携わられてきた方です。

7年前に帰国され、井の中の蛙のような日本人に危機意識を持ち、その経験を活かされ、精力的にグローバル人材育成を行っています。

DIVERSITY(多様性)の理解を促進する上での視点-文化コード

渥美氏は「文化コード」という切り口で、世界地図を大きく4つに区分されています。それは、リーガルコード、モラルコード、レリジャスコード、ミックスコードの4つです。コードとはそれぞれの文化圏における重要な価値観や行動規範です。では、4つのコードについて解説しましょう。

法やルール、倫理を大切にするリーガルコード(法的規範)

法やルールが中心で、プロテスタンティズム(キリスト教新教)が原型です。米国、カナダ(ケベック州を除く)、英国内のイングランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧諸国です。10か国に満たないですが、世界のグローバル競争力トップ20に入る国ばかりです。

リーガルコードの中でも濃淡はあり、米国のように、モラルコードに位置するヒスパニック系の人口が増加したことで、濃度が薄まっている地域もあります。

リーガルコードの源泉は神と人が直接向かい合うキリスト教新教(プロテスタンティズム)と、そこに付随する倫理性にあるといえます。これらの国々では、弁護士が大きな役割を担っています。米国のオバマ大統領、英国のブレア元首相、シンガポール建国の父、リー・クアン・ユー氏も弁護士出身です。

グローバル時代は統一されたルールによるフェアな競争が益々求められるので、このコードをきちんと踏まえる必要があります。
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