ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

2014年5~6月の注目!ミュージカル

新緑が眩い季節が巡ってきました。5~6月に開幕する舞台から、今回は『まげもん』『リア王』『セレブレーション100!宝塚』『オーシャンズ11』『レディ・デイ』『恋と音楽2~僕と彼女はマネージャー~』をご紹介します。開幕後は随時ミニ・レポートも追記していきますので、お楽しみに!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

初夏に観たい新作、待望の再演の数々


新緑が眩しい初夏、ミュージカル界でも続々と、意欲的な新作、再演が待望された名作が登場します。ここでは特に見逃せない舞台を厳選し、見どころとともにご紹介。開幕後はミニ・レポートも追記していきますので、ぜひ観劇にお役立てください!

5月開幕の舞台
『まげもん』5月10日
『リア王』5月16~25日←観劇ミニ・レポートを追加掲載!
『セレブレーション100!宝塚』5月18日~6月30日←観劇ミニ・レポートを追加掲載!

6月開幕の舞台
『オーシャンズ11』6月9日開幕←観劇ミニ・レポートを追加掲載!
『レディ・デイ』6月12~29日←観劇ミニ・レポートを追加掲載!
『恋と音楽2~僕と彼女はマネージャー~』6月13日~7月4日←観劇ミニ・レポートを追加掲載!

AllAboutミュージカルで特集した(特集予定の)舞台
『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』6月1日開幕 Star Talkにて出演・吉原光夫さんへのインタビュー&観劇レポートを掲載しました!
『カルメン』6月13~29日 Star Talkにて出演・濱田めぐみさんのインタビューを掲載しました!
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』6月21日~7月13日 Star Talkにて出演・今井清隆さんへのインタビューを掲載しました!
『劇団四季ソング&ダンス60 感謝の花束』上演中~8月3日 気になる新星にて出演・神永東吾さんへのインタビューを掲載しました!

まげもん

(5月10日=シアター1010)

こんにゃく座『まげもん』

こんにゃく座『まげもん』

【見どころ】
林光さんが芸術監督を務めていたことでも知られる、オペラシアターこんにゃく座。「新しい日本のオペラ」を掲げ、言葉の聞き取りやすい舞台に定評のある彼らが、2001年に初演、大好評を博した『まげもん』を10年ぶりに東京で再演します。描かれるのは、江戸時代(のころ)、人間の娘に恋した狸が巻き込まれる敵討ち騒動。萩京子さんの音楽、鄭義信さんの作・演出で、踊りや立ち回りもふんだんに取り入れ、親しみやすく、笑いと涙に溢れた舞台が展開します。学校鑑賞で観た学生たちも思いがけずハマっているという本作、「オペラ」だからと身構える必要は全く無さそうです!

リア王

(5月16~25日=座・高円寺)

演劇実験室◎万有引力『リア王』

演劇実験室◎万有引力『リア王』

【見どころ】
演劇実験室・天井桟敷で寺山修司とともにほとんどの作品の共同演出、そして音楽を務めたJ・A・シーザーさんと劇団員31名で83年に結成された、演劇実験室◎万有引力。彼らの数多いレパートリーの中でも音楽的に最高傑作と言われる幻想音楽劇『リア王』が、23年ぶりに上演されます。邦楽やプログレッシブ・ロック、クラシックと、この世のありとあらゆる音楽をのみこんだかのようなJ・A・シーザーさんの音楽と、坪内逍遥訳の台詞が出会う舞台。91年の英国公演では現地の観客もおおいに酔いしれたというダイナミックな劇世界に触れる、絶好の機会です。

【観劇ミニ・レポート】
薄暗がりに浮かび上がる、崩れかけた額縁(?)を中心とした、ダイナミックなセット(小竹信節さん)。そこに白塗りメイクの男女が現れ、ギターサウンドの中でゆらめきます。全員配布のプログラムを見ると、この幕開けにはブリューゲルやエッシャーのイメジャリーも取り込まれているとのことで、様々な思索に満ちた豊かな舞台への期待が高まります。物語本編はリア王を巡るエピソードと、マクベスや『赤と黒』のジュリアン・ソレルと重ね合わせたアンチヒーロー、エドマンドのエピソードを交互に丁寧に描きますが、J・A・シーザーさんによる和テイスト溢れるロックサウンドと、時折現れる「闇のオペラ歌手」(竹林加寿子さん)による、登場人物の心情を代弁する歌唱を織り込むことで、テンポよく進行。正義が常に勝つわけではないが、悪が勝利を手にしたところでそれもつかの間のものでしかないという、無常感溢れる終幕まで一気に見せていきます。全員が倒れて暗転した後には、月の使いが死んだヒロインの魂を迎えに来るさまに見えるエピローグがついていて、このノスタルジックな描写がどことなく寺山修司風。古今東西のカルチャーに通じていればいるほど楽しめそうですが、ミュージカルファンとしては例えば『ジーザス・クライスト・スーパースター』のジャポネスクバージョンと比較しながら、和のあしらいの面白さが体感できる舞台です。

セレブレーション100!宝塚

(5月18日~6月8日=青山劇場、6月13日=愛知芸術劇場大ホール、6月20日=島根県民会館大ホール、6月24~30日=梅田芸術劇場メインホール)

『セレブレーション100!宝塚』

『セレブレーション100!宝塚』

【見どころ】
宝塚歌劇団の100周年を記念して、このタイミングだからこそのスペシャル・ステージが実現することになりました。全日程出演の杜けあきさん、麻路さきさん、高嶺ふぶきさん、稔幸さん、姿月あさとさん、湖月わたるさん、貴城けいさんをはじめ、各世代を代表するスターたちが連日、登場。宝塚を熟知する三木章雄さんの構成・演出で、一幕は上記出演者の持ち歌を中心に、二幕は日程ごとに『ベルサイユのばら』『エリザベート』『風と共に去りぬ』コーナーを展開、華やかな舞台が繰り広げられます。例えばA日程の『ベルサイユのばら』コーナーには74年の初演でオスカルを演じた榛名由梨さんが出演するなど、名作の立役者たちが勢揃い。ファン垂涎のステージとなることは必定ですが、宝塚をまだあまり知らない人にとっても、宝塚のレパートリーやスター名鑑をライブで一挙に知ることが出来る、貴重な機会となりそうです。

【観劇ミニ・レポート】
『セレブレーション100!宝塚』真帆しぶきundefined写真提供:梅田芸術劇場

『セレブレーション100!宝塚』真帆しぶき 写真提供:梅田芸術劇場

宝塚歌劇団の「舞台」を知るのに、現役の舞台を観るのが一番なのは言わずもがなですが、「カンパニー」としての歌劇団を知る上で、今回の舞台は最高の機会かもしれません。舞台を彩るのは、「歴代のトップスター7人と娘役トップ5人」に「A~C日程ごとの出演スター」「その日ごとのスペシャルゲストスター」、そしてアンサンブルを勤める卒業生たち。筆者の観たA日程は特に顕著ですが、出演者の層が非常に厚いことで、まずは歌劇団100年の歴史を実感できます。そして出演者たちのトークには後輩が先輩を敬い、先輩が後輩を愛情深く見守る気風が漲り、このカンパニーが独自の文化を受け継ぎつつ、発展してきたことが感じられます。

舞台では出演スターたちの持ち歌が惜しみなく披露されますが、A日程で特に印象的だったのは真帆しぶきさんのソロ3曲と、湖月わたるさん、風花舞さんのタンゴ・ダンス(『LAST STEPS―月明かりのワルキューレ』より)。

『セレブレーション100!宝塚』湖月わたる、風花舞undefined写真提供:梅田芸術劇場

『セレブレーション100!宝塚』湖月わたる、風花舞 写真提供:梅田芸術劇場

前者では初舞台が1952年という真帆さんの、シャンソンのようにニュアンス豊かな歌唱が素晴らしく、客席からの掛け声に「サンキュー」と返す様子も洒脱。いっぽう湖月さん、風花さんは全身に神経を行き渡らせて官能的なタンゴのエッセンスを表現し、目を奪います。ラスト、元男役とは言え細身の湖月さんが決める、高く美しいリフトも驚異的。他の出演者も、凛とした立ち姿と豊かな声量から退団後も鍛錬を続けていらっしゃることがうかがえ、歌劇団の「清く正しく美しく」とは在団中にとどまらない“人生訓”であったのだと感じさせる舞台でもあります。

 


オーシャンズ11

(6月9日~7月6日=シアターオーブ、10月下旬=梅田芸術劇場メインホール)

『オーシャンズ11』

『オーシャンズ11』

【見どころ】
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットら豪華な顔ぶれで製作された、2001年のハリウッド映画『オーシャンズ11』。ラスベガスを牛耳るホテル王の金庫を狙い、知力を尽くして挑む11人の痛快アクション劇は世界的なヒットとなり、2011年に宝塚歌劇団によってミュージカル化されました。今回、同じ小池修一郎さんの脚本・演出で男女優出演のNewバージョンが実現。ジョージ・クルーニーが演じたダニー役を香取慎吾さん、相棒ラスティー役を山本耕史さん、ダニーの妻役をミュージカル初出演の観月ありささんが演じるほか、敵のホテル王には橋本さとしさん(過去のインタビューはこちら)、その元愛人に霧矢大夢さん、ダニーの仲間たちに坂元健児さんら、主演クラスの役者がずらりと並びます。宝塚版で評判となっためくるめくようなラスベガス・ショー・シーンも再登場が予想され、今年もっとも華やかでスタイリッシュな舞台が楽しめそうです。

『オーシャンズ11』霧矢大夢

『オーシャンズ11』霧矢大夢

【観劇ミニ・レポート】
これを「ゴージャス」と呼ばずに何と呼ぼう!という舞台が誕生。松井るみさんによる、ルーレットのゲームマットに想を得たセットも女性陣のキラキラ衣裳ももちろんゴージャスですが、それ以上に嬉しいのがキャストの豪華さ。主人公ダニーとその妻テスを演じる香取慎吾さん、観月ありささんはさすがの存在感で、それぞれ、スタイリッシュな男の美学、純粋さと芯の強さを併せ持つ女性像を体現しています。

『オーシャンズ11』山本耕史

『オーシャンズ11』山本耕史

主に映像で活躍するこのふたりを自然にミュージカル世界に引き込んでいるのが、ダニーの相棒ラスティ役、山本耕史さん。肩の力を抜いた風情のダンス&歌が達者です。勧善懲悪物語に魅力的な「敵役」は不可欠ですが、今回、ダニーたちが挑む「敵」のホテル王ベネディクト役、橋本さとしさんは出色。「難攻不落」と思わせる強さの中に、恵まれない境遇から成りあがってきた彼なりのダークな信念が見え、最後の「俺はあきらめない!」という叫びには、橋本さんが以前『ミス・サイゴン』で演じたエンジニア同様の哀感が滲みます。

ベネディクトの元愛人役・霧矢大夢さんは嫉妬に狂う歌姫を思い切りよく、迫力たっぷりに演じ、オーシャンズ11の一人、イェン役・坂元健児さんは椅子を使った雑技はもちろん、逆立ち歩きをしながら歌うという超絶技も披露。
『オーシャンズ11』橋本さとし

『オーシャンズ11』橋本さとし

『ロミオ&ジュリエット』のフランク莉奈さん、水田航生さん、『レ・ミゼラブル』の川口竜也さん、谷口ゆうなさんら新進俳優たちの活躍も注目ポイントですが、平素はストレートプレイで変化自在の芝居を見せる井之上隆志さんの、クラブのおじいちゃんオーナー役も見逃せません。チャーミングな芝居で舞台を盛り上げ、ダニーたちと歌うナンバー「Never Give Up」では味のある声も聴かせます。

宝塚版と比べると、今回は新曲2曲が追加。舞台にめり込んだようなスペースにしつらえられた特設席「ラスヴェガスシート」のすぐ近くにはスロットマシーンも並び、カジノホテル気分に浸りながらの観劇が出来そうです。

*次ページで『レディ・デイ』『恋と音楽2~僕と彼女はマネージャー~』をご紹介します!*

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