絵本/絵本関連情報

信じた道を胸張って進もう!『時計つくりのジョニー』

手先が器用で、もの作りが大好きな男の子がいました。ある日、その子は「大時計を作ろう!」と思い立ちます。彼を支え続けたのはもの作りへの情熱とたった2人の理解者だけ。はたして、男の子は大時計を完成させることができたのでしょうか?

執筆者:大橋 悦子

頑張れ!小さなクラフター 『時計つくりのジョニー』

手先が器用で、もの作りが大好きな男の子がいました。名前は、ジョニー。ある日ジョニーが、とんでもないことを決心します。本物の大時計を作ろうというのです。ところが、両親も学校の先生も、「そんなこと、できっこない!」と決めつけて、まるで相手にしてくれません。はたして、ジョニーは、大時計はを作ることができるのでしょうか……。

大時計つくりをめざす男の子の情熱空間ここにあり

『時計つくりのジョニー』の表紙画像

好きな道を真っ直ぐに進む主人公が、共感を呼ぶ絵本

大時計を作るのは、大人だって難しい仕事です。でも、ジョニーは、おばさんからもらった『大時計のつくりかた』という本を100回も読んだので、「自分で時計を作ってみよう!」と思いついたことが、嬉しくてたまりませんでした。

ところがやってみる前から、周りの大人たちはみんな「無理だからやめろ。」といいます。それでも、大時計つくりに励むジョニーを苦しめたのは、作業がうまくいかないことではありませんでした。学校の先生までが無理だとおっしゃるので、ジョニーは、あろうことか学校でいじめを受ける羽目になってしまったのです。

周りとほんの少し違うことをやろうとしただけで、異端児扱いを受ける主人公を支え続けたのは、時計を作りたいという湧き上がるような情熱でした。そしてもう1つ、彼には彼を応援してくれる、良き理解者がいたのです。1人はジョニーの才能を認め陰日向になって応援してくれる友人・スザンナ。そしてもう1人は、技術や部品面でのサポートを引き受けてくれた鍛冶屋のジョーでした。

ジョニーは、自分の信じる道をひたむきに歩き続けます。嫌なことがあっても、辛い経験をしても、時計つくりに対する情熱だけは失うことがありませんでした。かっこいいですね。たとえ失敗しても、幼くても、彼は立派な時計職人です。それが証拠に、彼は大時計を完成させるだけでなく、とても素敵な仕事を始めたのですから……。その仕事が何かは、どうぞ絵本を読んでお確かめください。

夢を追い、信じて努力することの大切さを、押し付けがましくなく描いた絵本ですが、同時に、彼を理解し応援し続けるスザンナとジョーの存在が印象に残ります。どんな時も、人と人とのつながりなくして、何かを成し遂げることはできないのかもしれません。小学生のひとり読みにも、是非おすすめしたい作品です。


【書籍DATA】
エドワード・アーディゾーニ:作 あべきみこ:訳
価格:1404円
出版社:こぐま社
推奨年齢:6歳くらいから
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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