マレーシア/マレーシアのグルメ・レストラン

マレーシアの屋台・ホーカーセンター

グルメ天国マレーシア。うまうま料理がたっぷり味わえます。今回はマレーシアの「屋台」を徹底解剖。日本では体験できないアジア特有の食文化、屋台。屋台料理を味わってこそ、マレーシアの旅は深まるのです。

古川 音

執筆者:古川 音

マレーシアガイド

五感を刺激する屋台

ペナン,フッケンミー

注文から料理、会計まですべて店主が行う。だから屋台料理には店主の魂がこもっている

KL,ビーフヌードル

小さな厨房と簡単な調理器具で巧みに料理をする達人

マレーシアの食文化を支えていると言っても過言ではない、「屋台」。マレーシアには非常にバラエティに富んだ屋台が多くあり、子どもからお年寄りまで多くの人でにぎわっています。気軽に立ち寄れる屋台のおかげで、マレーシアは子どもを産んでも働き続ける女性が多いとか。家族で屋台に通い、屋台の味が家族との思い出の味!

屋台では、チリソースの刺激的な匂いが漂い、ジュージューと麺を炒める音が聞こえてきます。にこやかにお客さんと会話する店主がいれば、真剣な表情で麺をゆで続ける料理人がいます。見て、匂って、聞いて、味わって。カラダ全体で食を楽しむ空間、それが屋台。色んな料理が目の前でどんどん作られていくライブ感は、まるでキッチンスタジオにいるようにワクワクします。

屋台料理の選び方 

チャイナタウン,客家?

中国系の麺屋台。料理写真を指さして数を伝えれば注文OK

ヨントウフ

料理に付いているチリソースはお好みで

麺系、ご飯系、鍋系、肉系、果物系、おやつ系……と、食べモノの数だけ屋台の数はあります。屋台は基本的に専門店なので、扱っているメニューは1種類か、多くても3種類。共通のレシピやマニュアルはなく、店主がじぶんの腕と舌で作りだした独自のソースやスープで勝負をかける。お客さんへの宣伝手段は口コミだけ。なんとも潔い商売です。

屋台の選び方は、人が集まっている店を選ぶのが基本ですが、人気店が自分の味覚に合うとも限らないので、食べたい料理を本能で選びましょう。温かい料理を食べたいなら、麺(マレーシア語はmee)系屋台へ。熱々のスープ麺を提供してくれます。いろんな料理を食べてみたいなら、ご飯系屋台(マレーシア語はnasi)へ。多種多様なおかずが並んでおり、食べたい料理をチョイス。おかずの中のシーフード系(魚、海老、蟹)は高額なことが多いので、値段が気になるなら、お皿に盛ってもらう前に確認しましょう。

 

屋台が集合する場所、ホーカーセンター

ホーカーセンター

マレーシア各地にあるホーカーセンター。住民の憩いの場でもある

ペナン,ガーニードライブ

ペナンのガーニードライブにある有名屋台

たくさんの屋台料理店が1ヶ所に集まった場所、それを「ホーカーセンター」とよびます。麺系、ご飯系と様々な専門屋台が並んでいて、イメージとしては、ショッピングセンター内のフードコートの屋外版。いろんな屋台料理を試してみたいなら、ホーカーセンターに行ってみましょう。

ホーカーセンターは住宅地にあることが多いので、残念ながら繁華街クアルンプールにはあまりありません。ブキビンタンのチャンカント・トンシン通りに、中国系の小さなものがあるぐらい。ダマンサラやペタリンジャヤまで行けば、広大なホーカーセンターを満喫できます。

ホーカーセンターでの注文、会計

ホーカーセンター

夜のホーカーセンターの様子。屋外の解放感がいい

コタバル

マレー系のご飯屋台はナシチャンプルー

  1. 座る席を確認。
  2. 選んだ料理の屋台で注文し、「あのあたりに座ってるからね」と指さしで伝える。
  3. 席に座って待つ。
  4. 料理を持ってきてくれたらその場で会計。
これがホーカーセンターでの注文、会計の基本形です。

ご飯系屋台(マレー系屋台はnasi champur/中国系屋台では経済飯/インド系屋台はnasi kandarとよぶ)の場合、注文と同時にお皿に盛ってくれるので、会計をして、お皿を受け取ってから席に着きます。お釣りが無いことも多いので、屋台に行くときは細かいお金を用意しましょう。

アイステリマウ

マレーシア語で「アイス・テ・リマウ」はアイスティー

ドリンクは、席までオーダーを取りに来てくれます。フルーツジュース、チャイニーズティー(中国茶)、テタレ(甘い紅茶)、コピ(甘い珈琲)、アイステリマウ(レモンティー)などが用意されているので、口頭で伝えて、ドリンクを持ってきてくれたらその場で会計。ちなみに、このドリンク担当の人が、ホーカーセンターを仕切っているボスです。

屋台料理はメニューに料金が表示されていないことが多く、とくにご飯系屋台は日替わりメニューなので料理名も料金も表示されていません。シーフードは時価なので、仕入れ値によって毎日値段が変わります。ですがご安心あれ、マレーシアの屋台で、外国人だからとボラれることはほとんどありません! なぜなら屋台は信用第一なので、一度悪い噂が立つと商売が成りたないから。また、日本人は現地で暮らす中国系マレーシア人と見分けがつかないので、地元の人のように扱われます。堂々とゆったりと、楽しんで下さい。

屋台の衛生面、トイレ 

ペナン,アッサムラクサ

屋台の厨房は全公開しているので、衛生面はお客さん自らチェックできる

果物屋台

果物屋台。ときに試食ができる

屋台の衛生面は、お客のいない屋台での食事は避けたほうが無難、ぐらいで、あまり気にしなくて大丈夫です。経験談にはなりますが、4年間マレーシアに滞在して、屋台料理でお腹を壊したことは1度もありませんでした。氷も気にせずに飲んでいましたが、こちらも大丈夫。ただ、この料理は危ないかも?と感じたら、絶対に食べないこと。直感は大事です。

また、マレーシアに限ったことではなく、辛い料理をガンガン食べて、キンキンに冷えたドリンクを飲んだらお腹がビックリしますのでご注意くださいね。残念ながら、屋台のトイレはまったく期待できません。トイレに行かなくてもいいように事前に済ませていきましょう。行きたくなったら、別の場所に移動するか、覚悟を決めて冒険するか。それもまた旅の思い出です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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