資産運用/資産運用をするときの鉄則

生活費4ヶ月分の預金を貯めるまでは、投資は控えよう

NISA(少額投資非課税制度)の導入により、これまで投資を行って来なかった人に投資を始めるきっかけを促そうということで、あの手この手で投資家の勧誘が繰り広げられています。しかし「非課税」という言葉が一人歩きしている気がしてなりません。NISAを含めて、投資を始める際にまず留意しなければならないことを述べることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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常に投資に「絶対」はない

投資をする前に現金の確保は必要

投資をする前に現金の確保は必要

投資を既に行っている人には当たり前のことかもしれませんが、投資には「絶対」や「必ず」などということはありません。株式や投資信託など元本が保証されていない金融商品を活用するのですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、投資が上手く行っている時ほど、この当たり前のことを忘れてしまいがちになるのです。

ですから、マイホームの頭金、子どもの教育費(10年以上先は除く)、車の購入や買い替え等々近い将来に使い道が決まっているライフイベントのための資金は、たとえ長い間低金利に甘んじていても投資に回してはいけません。

ライフイベントのために使おうと考えた時に、値上がり益などの収益を確保することはできないばかりか、元本割れになっているケースもありえます。すぐにお金が必要であることから、損を覚悟で売却をするということになりかねないのです。つまり、私たちの都合通りに投資の成果を得られることはないということです。

泣く泣く売却した結果、その資金でライフイベントを賄うことができればまだいいのですが、資金不足になりローンを利用した、あるいはライフイベントを見直す事になったなどと最悪のケースに陥った場合、何のためにリスクを取ってまで投資を行ったのかということになりかねないのです。

投資に回してもよい資金は、いつどんな時でも「余裕資金」ということを肝に命じておいてください。

貯金ゼロの人は投資よりも先に貯金をする

NISA(少額投資非課税制度)は、これまで投資を行ってきた人よりも投資を行ってこなかった人に投資を初めてもらうきっかけになればという側面が強くなっていますが、NISAで投資デビューの人ほど、前半に述べたことに加えてこれから説明することにも留意してください。

NISAは「非課税」という言葉が前面に出ていますが、非課税の恩恵を受けるためには収益を確保できなければなりません。先に述べたように私たちの都合通りに収益が得られるわけではないことから、余裕資金、言い換えれば一定額の現預金を確保できるまでは投資を控えて欲しいのです。

一定額とはいくら?と問われた場合、万人に共通する金額を提示できなくて申しわけないのですが、少なくとも基本生活費の4ヵ月は確保してください。4ヵ月分の根拠は、自己都合で会社を退職した場合、失業給付金を受け取れるまでに最長3ヵ月と7日あるからです。

自営業など自分自身で仕事をされている場合は、仕事でリスクを取っていることになりますので、最低でも2ヵ月プラスした半年分位の現預金は確保する位に慎重になりたいところです。このお金はイザという時の保険のようなものと考えるとよいでしょう。

ただし、だれもが4ヵ月(自営業者などは半年分)の現預金を確保できれば、投資を初めてもよいのかと問われれば、「年齢にもよる」という答えになります。30代前半位までであれば、4ヵ月でもイザというお金は足りるかもしれませんが、それより年を重ねるほどイザというお金はたくさん確保しておくべきです。一般的に、年を重ねるほど仕事を見つけるのが難しくなるといわれるからです。

2014年4月からの新社会人、あるいはこれまで貯金等を一切行ってこなかった貯蓄0円の人は、NISAで投資デビューする前に、現預金を確保することが先決です。
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