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なぜ女性に多い?膀胱炎の症状・原因・治療法

【医師が解説】膀胱炎は女性に多く、トイレを我慢したり、冷えやストレスを溜めたりすることで悪化するケースもあります。膀胱炎の症状・原因・治療法について、わかりやすく解説します。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

女性に多い病気・膀胱炎の症状とは

トイレに行く回数が多すぎる、排尿直後に痛みがある……それは膀胱炎かもしれません

トイレに行く回数が多すぎる、排尿直後に痛みがある……それは膀胱炎かもしれません


膀胱炎はその名のとおり、尿をためる臓器である「膀胱」の粘膜に炎症が起こる病気で、大体は細菌によるものです。女性の半数が膀胱炎という報告もあります。

特徴的な症状は「頻尿」と「痛み」。具体的には、
  • トイレに行ったばかりなのに、またトイレに行きたくなった
  • トイレに行っても行っても、まだ尿が残っている気がする
  • 尿の終わりに痛みがある
などの症状が特徴です。また、尿が白く濁ったり血が混じることもあります。熱は普通は出ません。

ただ、これは急性の膀胱炎の症状。慢性化すると、症状自体は急性膀胱炎ほど激烈ではなくなりますが、尿に白い浮遊物が混じったり、なんとなくすっきりしない感じがずっと続くといった症状になります。
 

膀胱炎の原因・女性に膀胱炎が多い理由

膀胱炎の原因は女性のカラダの構造や、冷えや疲れなどが挙げられます。まず、女性は尿道が4~5cm程度と男性に比べて1/3くらいの短さなので、細菌が逆行して膀胱に辿りつきやすいのです。

菌の種類としては自分の便の中にいる大腸菌が最多。また、女性は男性に比べて尿道口が肛門に近いので、いっそう細菌が膀胱に入るリスクが高まります。

もともと膀胱粘膜には細菌に対する防御力が備わっているので、普通、膀胱に細菌が入ってもすぐには膀胱炎にはなりません。しかしトイレを長時間我慢して膀胱が伸びきったり、長時間にわたって冷えたりすると、膀胱内の血流量が減って、防御機構が弱くなり、細菌が繁殖して膀胱炎になりやすくなるようです。ストレスなどで疲れて免疫力が落ちることでも、膀胱炎を発症しやすくなります。

更年期の女性に多いことも知られていますが、一因として、ホルモンの減少により、膀胱粘膜が薄くなり粘膜の下の組織が出血しやすくなるためなどといわれています。
 

膀胱炎の治し方・対処法

■水分をたっぷり取る
水分を取って尿量を多くすることで、細菌を早く体外に出すことができます。

■おなかを温める
冷えると症状が悪化するため、なるべくおなかを温めることも大切。

■病院に行って抗生物質を服用する
尿検査で菌の種類を調べてもらいましょう。前述したとおり、膀胱炎の菌は大体決まっているので、その菌を殺すための抗生物質を処方してもらい、数日間きちんと飲めばたいてい治ります。

また、2~3日で症状が軽快するのでその時点でお薬を飲むのを止めてしまいがちですが、細菌をある程度死滅させないと、再発を繰り返す可能性が高くなるので、きちんと処方された日数服用するようにしましょう。

より具体的な治療法、再発予防法については、「膀胱炎・尿道炎の治療法・予防法」をご覧下さい。
 

膀胱炎の再発予防法・注意点

膀胱炎は再発しやすく、「疲れると症状が出る」といったことが続くこともありますので、再発が気になる人は無理をしすぎないように気をつけましょう。

また、子宮筋腫など婦人科系の病気や、膀胱結石、尿道狭窄、膀胱がんなどの泌尿器科系の病気が隠れていることもあるので、あまりにしつこい場合は病院で相談してくださいね。

もっと詳しく知りたい方は、「人に聞きにくい病気 女性の5人に1人は膀胱炎?」「膀胱炎・尿道炎の原因・メカニズム」「膀胱炎・尿道炎の症状・診断」などもあわせてご覧ください。
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