航空券/航空会社・エアライントピックス

ついになくなる!?燃油サーチャージ。変わるか航空業界

不本意ながらもすっかり業界に定着してしまった燃油サーチャージ。ところが、今新しい動きが出始めています。マレーシア航空が2014年4月から燃油サーチャージを運賃と一本化することを発表しました! 業界のこの新しい動きについて検証します。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

燃油サーチャージの改定には2種類ある!

またも値上げになる燃油サーチャージ

またも値上げになる燃油サーチャージ…

2014年4月から日系を含む多くの航空会社が燃油サーチャージを値上げします。太平洋路線を例に取れば、日米カナダの大手が揃って片道2万3500円から2万5000円に値上げです。

ところで、サーチャージは原油価格の推移に伴って金額が上がったり下がったりすることはよく知られていますが、それだけではないことをご存知でしたか? 値上げと聞くと、「ああ、また原油価格が上がったんだな」と考えてしまいがちですが、実はそこに一つ落とし穴があります。

具体的には、原油価格の変動がなくても文字通りサーチャージの金額そのものが為替変動等により値上げ(値下げ)されることがあるのです。つまり我々乗客は、原油価格相場の変動のみならず、為替を含むあらゆる変動リスクの負担を担っているということ。

そして今回の値上げはどちらのパターンかといえば、後者の方になります。ついでに言っておきますと、国際航空券に消費税はかかりません。

詳しくはこちら>>>日本航空のプレスリリース


燃油サーチャージのこれまでと現状の問題点

2001年の同時多発テロ以降、瞬く間に世界中に広まった燃油サーチャージは、燃油代の高騰と共に上昇の一途をたどりました。欧米まで最初は数千円だったものがあっという間に往復で5万円も6万円も徴収されることに……。

19800円で自由の女神に会える!……わけがない

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しかし、さらに時が進むと奇妙な現象が現れ始めました。航空券本体の価格が下がり出したのです! ニューヨーク往復で1万9800円なんて商品がネット上や店頭を飾るようになりました。言うまでもなく、高いサーチャージを課されて支払額は結局同じというオチです。

これなど、明らかに最初から燃油サーチャージを当て込んで価格設定していると思わざるを得ませんね。

ネットや店頭販売の航空券には「航空会社は未定」という商品も多くあり、そうなると実際に電話で旅行会社に問い合わせてみないことには結局いくらかかるのか全然分からないということになります。後述しますが、基本的に航空会社によって燃油サーチャージは違うからです。

また、外国の航空会社は燃油サーチャージをドル建てで設定しているところが多くあります(前述の米系のように円建てで設定しているところも多いです)。原油相場だけでなく、為替の変動によっても燃油サーチャージの額が変わってくるということは、顧客の矢面に立って金額を案内しなければならない旅行代理店にとって計り知れないほどの大きな負担となっています。
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