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コミュニティ型の賃貸住宅「青豆ハウス」とは?

「賃貸住宅は誰のものか?」ということを考えさせられる賃貸住宅が登場しました。もちろんオーナーが所有する住宅ではありますが、入居者も一緒になって育てていく賃貸住宅というのが「青豆ハウス」です。入居前のお披露目のイベント「おひろ芽マルシェ」を開催するというので行ってみました。

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

最新住宅キーワードガイド

青豆ハウス

青豆ハウス外観。手前には大きな区民菜園
 

シェアハウス感覚で暮らしたい家族のための賃貸住宅

有名な練馬大根の産地であり、今なお畑などが見かけられるゆったりとした住宅地が多い練馬区。東京メトロ有楽町線「平和台駅」徒歩8分の住宅地の中に「青豆ハウス」はありました。手前には広い区民菜園があって、家族連れがまさに家庭菜園づくりの真っ最中。

さて、青豆ハウスは、3層のトリプレット8戸で構成されています。各戸の間取りは57.6~63.36平方メートルの2LDK。賃料は15万9000円~17万4000円(共益費7000円)。既に全室の入居者が決まっています。

左右対称の2棟を階段やテラスでつなぐ構造になっているため、エントランスや階段、テラスが“おひろ芽”のイベント会場になっています。あちらこちらで飲み物や軽食、住宅関連商品などの出店も設けられ、三々五々集まった参加者は、室内を見学したり、飲食しながら語り合ったりと自由に動き回っていました。
メゾン青樹の青木さん

気持ちよく迎えてくれる、メゾン青樹代表取締役・青木純さん。エントランスは、地域の人も参加しやすいように、開放的なデザインになっている。


ブルースタジオの大島さん

どの住戸のバルコニーからも見下せる共用の空間。ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦さんは、わが子を見るように見つめていた。


オーナーは、カスタマイズ賃貸として有名なロイヤルアネックスを運営しているメゾン青樹。建築設計監理は、リノベーションを数多く手掛けるブルースタジオ。まず、ブルースタジオの大島芳彦さんに設計のコンセプトについて伺いました。

大島さんによると、シェアハウスを卒業した人、結婚して家族をもつけれどシェアハウス感覚で暮らしたい人、そういった人のための賃貸住宅がなかったといいます。そこで、区民菜園に隣接することで、広い大地と空をのぞめるこの場所の特徴を生かし、家族が2人から3人と増えていっても暮らせる60平方メートル前後の住戸で、コミュニティスペースを重視した賃貸住宅を設計したということです。

開け放せる玄関

玄関は親子ドア。通常は閉めているガラス戸を開ければ室内とデッキがつながって一体感が出る

そのために、各住戸の玄関やLDKは2階に設け、天気の良い日には玄関先のデッキで、階段に腰かけて食事をすることができるようにしています。同じようにほかの家族も玄関先に出てくれば、自然と会話もはずむことでしょう。

1階には、共用のアウトドアキッチンやピザ用かまどのスペースもあります。「ピザ用かまどは、これから入居者の方が力を合わせて制作する仕掛けになっています」と大島さん。とはいえ、簡単につくれるものではないようで「ある程度難しいものだからこそ、力を合わせる意味があるのです」。

一方、「地域の人の採用活動」をしているというのは、メゾン青樹の青木さん。採用とは思い切った表現ですが、「この地域にふさわしい人に入居してもらいたい」ということ。一緒に家づくりを見守ってもらおうと、建築中の工程でも地元の人や青豆ハウスに興味を持った人が参加できる、上棟式の餅まきやおむすびを作って食べる「まめむすびの会」のイベントを開催してきました。

賃貸住宅の建物の形状に凹凸があるのも、境界をぼかす工夫。専有部と共用部の境界はもちろん、青豆ハウスと地域との境界も曖昧にすることで、人がつながりやすい仕掛けになっているということです。


>次ページからは、住戸の特徴やカスタマイズの魅力について見ていきましょう。
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