着物・着付け/着物の基礎知識

これを知っていれば怖くない 卒業式袴レスキュー!

卒業式に袴をつける人は知っておきたい、トラブルレスキューです。袴は半幅帯で結ぶので意外と動きやすいとはいえ、格の高い着物です。ハレの日を台無しにしないために、万が一に備えておきましょう。

黒柳 聡子

執筆者:黒柳 聡子

着物・着付けガイド

卒業式袴の準備から当日までのトラブルを回避

レンタルなどで卒業式袴を着付ける場合も、準備したいポイントがあります。

レンタルなどで卒業式袴を着付ける場合も、準備したいポイントがあります。

卒業式などで袴をつける人も多いかと思います。袴は意外と履きやすく簡単でうごきやすいとはいえ、着物は着物。万が一着崩れした場合に対応できるようにしておくのが得策です。そうしておけば安心して一日を過ごせますよね。

そこで今回は、もし万が一! があった時のために、袴姿の場合に一番多いトラブルを挙げて、その応急措置をご紹介します。


1.準備するもの、用意するもの

袴レスキュー

数日前には、きちんとそろっているかチェックしておきましょう。

まずは直前~当日に用意するものについてです。「当日あれがない!」などと慌てないためにも、これを見ながら準備万端整えておきましょう。

■まずは着付けに必要なものチェックリスト
・袴
・着物
・半幅帯
・肌襦袢 裾除け
・長襦袢
・補正のタオル2~3枚
・紐(2~3本)
・伊達締め(2本)
・きものベルト(あれば)
・足袋(替え足袋含む)(ブーツの場合はストッキングなど)
・草履(ブーツ)
・着替えを包む風呂敷か袋
・髪飾りなど

レンタルの場合は、お店にどれがあってどれを自分が用意するのかをあらかじめ、確認しておくこと。買取になるものがあるかもしれないので、自宅にあればもっていくとよいでしょう。また、髪飾りは美容室に好みのものが無くてガッカリということがないように、こだわりたいのならば自前で持っていきましょう。

■用意しておくと便利なもの
・美容室に持って行くヘアイメージの写真
・クリップ、安全ピン(着崩れた時の応急処置に便利)
・雨具
・雨天の場合の準備(履き物など)
・羽織りもの(ストールなど)
・ピン(ヘアの崩れへの対応)
・折りたためる布のバッグ

自分のやって欲しいヘアスタイルがある場合には、イメージに近い切り抜きなどを持参するとスムーズです。また、履物がお草履なのかブーツなのか、髪型がダウンなのかアップなのかによって、多少「着付け」の仕方が変わってくるので、着付けの前に伝えるのがベストです。


■やっておきたいこと
・着付けの時間、確認 ……ヘアセットを含めると2時間程度かかる
・着付けの時の持ち込みアイテムには名前を書いておく

着付け開始の時間は、式の時間からの逆算で予約をしているとは思いますが、慣れない袴姿でバタバタするのはNG。余裕をもって、必要ならばタクシーなどの手配も先にしておきましょう。

また、当日の美容室では、混雑して他の人の持ち物と見分けがつかなくなる可能性大。できれば名前を書いておくと分かりやすいですね。

ちゃんと準備は整ってますか? さて、次のページでは当日着崩れした場合の応急措置方法をご紹介します。一度目を通しておくと、イザ!と言う時に役立ちますよ。

▼袴のたたみ方も覚えておくと便利
着物の保管方法リスト


2.袴の主なトラブル

袴レスキュー

袴と半幅帯。

袴でのトラブルで多いのは主に次の3つです。
・袴の紐が解けてきた!
・袴がずり落ちてきた!
・着物が崩れてきた!
これらについての応急処置の方法を次に説明します。

袴の紐が解けてきたら、紐を引きながら結び直す

まずは紐が緩まないように、引きながら結ぶこと。それが難しいという場合は一度固く結んでおいて緩むのを防いでから、残りの紐を絡めながら結んでもOK。

▼袴の紐の結び方は、着付けのページを参照。
参照:セルフでできる!「女袴」の着付け方

袴がずり落ちてきたら、

袴の脇から手を入れ、下に着ている着物を下に引きながら、もう片方の手で袴を持ち上げます。それでも落ちる場合は、下に着ている着物の帯(半幅帯)が緩んでいるので、一度袴を脱いで帯を結び直したほうがよいでしょう。もし、それが無理ならば袴の紐をキツく結び直すのも有効。

▼一般的な浴衣の帯と文庫結びと同じです。
参照:浴衣の帯の結び方(文庫結び)

着物が崩れてきた!

着物の衿元が緩んできたり、はだけてしまった場合、まず身八つ口(みやつぐち。身頃の脇のあきのこと)から手を入れて、内側から着物の胸元を合わせ直し、下前(右側の衿元)を胸の中心に向かって下へ引き、続いて上前(左側の衿元)も同じように中心に向かって下へ引きます。この時に片方だけ強く引きすぎたりすると、左右の衿のバランスが崩れ、背中心がズレてしまうので左右の力加減に注意すること。また、長襦袢(着物下着)の衿はなるべく触らないように。

▼浴衣の着崩れの直し方と同じです。
参照:浴衣の着崩れ対処法

3.着物を着た時のマナーについて

袴レスキュー

着こなしスッキリと

モノを取る時や手を上げる時には、袖口に手を添え、着物の袖が長い場合には座るときに床に付かない様に膝の上に袖を重ねるなど、基本的なマナーもお忘れなく。

▼着物を着たときの所作なども目を通しておきましょう。
参照:
街歩きの着物コーディネートとマナー
着物・浴衣美人のマナー~歩き方、階段、乗車のしかた
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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