絵本/赤ちゃん・乳児向けの絵本

まついのりこさんの赤ちゃん向け絵本『ばいばい』ほか

赤ちゃんや小さな子どもたちは、同じフレーズが繰り返される絵本が大好き。赤ちゃんたちに絶大な人気を誇る、まついのりこさんの絵本の数々の中から、『ばいばい』『とっとことっとこ』『うしろにいるのはだあれ』をご紹介します。

執筆者:千葉 美奈子

繰り返しが楽しい! まついのりこさんの赤ちゃん向け絵本『ばいばい』ほか

赤ちゃんたちに絶大な人気を誇る、まついのりこさんの絵本の数々。今回はその中から、繰り返されるフレーズや場面が赤ちゃんの心をつかむ3冊をご紹介します。

ひよこやゾウを始め、動物たちが次々に出てきて、「こんにちは」「ばいばい」を繰り返していく『ばいばい』。初版は1983年。それから30年、あせることのない魅力で赤ちゃんたちを引きつけ続けています。

赤ちゃんや小さな子どもたちは、同じフレーズが繰り返される絵本が大好き。その1つの理由は、安心感です。この絵本でいえば、違う動物たちが出てくる中で、「こんにちは」「ばいばい」というフレーズが繰り返し耳に届きます。繰り返されるのはフレーズだけではありません。動物たちは、「こんにちは」の時に体の前で閉じていた羽根や前足を、「ばいばい」の時には右側だけ挙げてにっこり微笑みます。繰り返されるフレーズや情景を感じることは、小さな子どもたちに「またおんなじだ!」という安心感と満足感をもたらします。


 


くつをはいて出てくるのは動物だけじゃない『とっとことっとこ』

『とっとことっとこ』は、靴をはいた動物たちがページをめくるたびに楽しげに歩いています。しかし、繰り返しに色々な変化が施されています。出てくる動物たちの大きさによって、くつの大きさも色々。あれ? 足じゃないところにくつをはいている登場者も。動物じゃない物(?)もくつをはいて張り切って登場。たくさんの足にくつをはいて、忙しげに歩いてきたのはだれ!?

登場するそれぞれの対象によって、文字の配置や大きさ、形に変化があるところは、読み手も楽しくなるでしょう。「どんな風に読めば楽しいのかな?」などと考えなくても、自然に読み方に変化をつけられるようになっています。今まで登場してきたみんなが一堂に会して行進し、楽しい明日へのつながりを感じさせながら、色とりどり、大きさも様々なくつがずらりと並ぶラストは、おやすみ前の絵本タイムにもぴったりです。


 


隠れている姿を想像する楽しさ『うしろにいるのはだあれ』

繰り返しの中で想像力を豊かにさせてくれる『うしろにいるのはだあれ』。木や葉っぱや、うばぐるまのなどの後ろに、だれかが隠れていますよ。隠れているのはだれであるかだけでなく、どんな姿勢で、どんな表情で隠れているでしょうか。繰り返し読んでもらう楽しさと、繰り返し想像する楽しさを味わうことができます。

何年も前から我が家にあった絵本。しかし、久しぶりに手に取った私が想像した物の陰に隠れている動物の姿勢や表情と、ページをめくった時に現れたそれらは全く違いました。きっと大人よりもずっと柔軟な想像力を持つ赤ちゃんや小さな子どもたちの頭の中には、読むたびに、絵本の中に描かれている以外の幾通りもの動物たちが、隠れているのでしょう。描かれているものを楽しむことによって、描かれていないものへの想像を膨らませてくれるのも絵本ですね!


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