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ひばりヶ丘、団地建替え、再開発で変化目前

池袋から西武池袋線快速急行で2駅、約15分。ひばりヶ丘は駅は西東京市にあるものの、新座市、東久留米市との境にある街。駅の南北で表情が異なり、それぞれに変化の動きも。そんなひばりヶ丘の今をご紹介しましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

昭和30年代に登場したマンモス団地が
街を牽引してきたひばりヶ丘

時刻表

池袋行き、新木場行き、元町・中華街行きと、乗り入れ、延伸により、行き先が増え、便利になった西武池袋線(クリックで拡大)

1924年に開業した武蔵野鉄道(今の西武鉄道の前身のひとつ)田無町駅がひばりヶ丘駅となったのは1959年。駅南口から歩いて15分ほどのところに日本住宅公団(現在のUR都市機構)最大の公団住宅である、ひばりが丘団地が造成されたためで、この団地はその後のマンモス団地の先駆けとなった物件でした。中島航空金属田無製造所(中島飛行機の関連会社、一部は現住友重機械工業田無製造所)があった土地で、野球場やテニスコート、公園、学校に商店街、スーパーなどを敷地内に擁した街づくりが話題になったものです。180棟、全2714戸という規模が、それまでの農村を大きく変えたのは言うまでもありません。

 

ひばりが丘パークヒルズ

低層の建物が中心だったひばりが丘団地は建替えられ、ひばりが丘パークヒルズに(クリックで拡大)

ちなみにファミリーレストランチェーンを複数経営する株式会社すかいらーくの創業の地はここ、ひばりが丘団地。元々は食品スーパーとして創業したものの、その後の高度経済成長機に大型スーパーの進出にあって業態を転換、ファミリーレストラン経営に乗り出すことになったのだとか。店名がひばりというのも納得です。ただ、残念ながら、1号店はひばりが丘団地ではなく、国道20号線沿いの府中市内です。

 

駅南口は広い駅前広場に
大型商業施設などが整然と並ぶ

さて、現在のひばりヶ丘駅周辺は駅の東西南北でかなり雰囲気が異なります。また、それぞれに変化が始まってもおり、これからが楽しみなところ。順に説明していきましょう。

 

駅前のタワー

駅のすぐ隣りとも言っても良い場所に建つタワー。すぐ右手にはスーパーがあり、その裏手には大規模マンション(クリックで拡大)

まず、冒頭であげた南口側ですが、駅を降りると広い駅前広場があり、広場の東側にはタワーマンションが。ここにはかつて昭和30年代に建てられた都営団地があったのですが、取り壊され、長らく空き地になっていたものが2009年に33階建てのタワーマンションに生まれ変わりました。マンションの裏手には公園となっており、公共の駐輪場もあります。

 

大型商業施設

駅前広場をはさんでタワーと反対側にある大型商業施設。家電量販店なども入り、品揃えも充実している(クリックで拡大)

広場の東西にはスーパー、大型商業施設が向かい合うように建ち、そこから北へは商店街が伸びています。スーパーの横には大規模マンション、大型商業施設の裏手には市の図書館もあり、人通りも多いエリアです。商店街には不動産会社も多く、人の移動の激しい場所であることが分かります。西武池袋線ではここ10年ほどで駅前の整備が相次いで行われ、駅前広場のある駅も珍しくはなくなっていますが、ひばりヶ丘駅では他駅に先駆け、昭和40年代に駅前広場、都市計画道路が整備されており、それが現在の発展に繋がっています。

 

新しいバー

昔ながらのスナック、居酒屋が多いが、中には新しい雰囲気の店も(クリックで拡大)

また、大型商業施設の裏手から北側にかけては、スナックや居酒屋などの飲食店が並ぶ路地も。団地があったため、昔から酔客も多い街だったというわけです。昔ながらの雰囲気の店のほか、最近はしゃれた雰囲気も店も登場しているようで、住宅だけでなく、酔客にも世代交代の波が押し寄せているのかもしれません。

 

駅から10分以遠は大規模マンション、
建替えられた団地エリアに

大規模マンション

大規模物件が集中、整然とした街並みが広がる。子ども連れの姿も多い(クリックで拡大)

駅から続く都道112号線を歩くこと10分。谷戸町2丁目から3丁目、ひばりが丘2丁目にかけては200戸以上の大規模マンションが集中するエリアです。いずれも、2003年から2010年にかけて建てられており、規模の大きなものでは500戸超という物件もあります。また、駅から10分以上離れると、あちこちに公園も増えてきます。

 

団地敷地内

ひばりヶ丘パークヒルズ敷地内。各棟の間がゆったりと取られ、ところどころにはベンチなども置かれている(クリックで拡大)

民間の分譲マンションが多く建つエリアに西に隣接するのがかつてのひばりが丘団地です。面白いのですが、駅はひばりヶ丘ですが、地名、団地名はひばりが丘。書いていて間違えそうです。ここは老朽化が進んだため、2004年から建替えが進められており、現在では大半の建物がきれいに新しくなって降り、名称もひばりが丘バークヒルズに。敷地内には当時と同じようにスポーツ施設、公園、スーパーなどもあり、ゆったりとした雰囲気です。ただし、駅からは歩いて10数分以上。バス便もあります。

 

全体の戸数は1463戸。単身者向きの1Kから、広めのファミリータイプ4LDKまであり、賃料は8万円から20万円弱までといったところです。

 

商店街

団地に面した商店街。角にスポーツ吹矢のスタジオがあった(クリックで拡大)

また、敷地外周に沿ってはあまり繁華とは言えないもののアーケード街も。これだけの人が住んでいるのですから、もう少し活気が出ても良いものと思いますが、残念ながら、今の段階ではいまふたつくらいの感じです。

 

開発予定地

写真左手、塀で囲われたエリアがこれから開発される場所。かなり広い(クリックで拡大)

加えて、この敷地内では今後、UR都市機構と民間が組んでの分譲マンションの建設が予定されています。3街区で400戸超が供給される計画で、店舗、公園、教育施設なども併設されるとか。最初の街区の完成は2015年春です。

 

東久留米市には碁盤の目状の街路が広がる、
緑豊かな学園町が

東久留米市学園町

巨木も多く、緑が濃い東久留米市学園町。住宅の敷地も広い(クリックで拡大)

同じ南口側でも西の東久留米市内では全く異なる街並みが広がります。ここは1021年に当時、豊島区西池袋に開校した自由学園が農場、運動場を備えた理想郷的な住宅地を作ろうと造成したもので、現在の住所では学園町。その後、1934年に移転してきた自由学園を中心に、碁盤の目状に街路が広がり、広い一戸建てが中心の静かな住宅街になっています。

 

学園町憲章

街角に掲げられていたこの街のルール、学園町憲章(クリックで拡大)

このエリアでは住民が学園町憲章を定め、そこには緑や自然、秩序ある景観の保全、保護などが謳われており、現在も当時の雰囲気を伝え、風情のある街並みが維持されています。

 

続いて、今後、整備される予定のひばりヶ丘駅北口側です。

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