ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

子どもを伸ばすほめ方・ストレスになるほめ方(2ページ目)

「子どもはほめて育てましょう」とよく言われます。その一方で、「ほめても逆効果では?」といった親の声もよく聞きます。ほめ方によって、子どもがやる気を出したり、親子関係にひびが入ってしまったりするのです。子どもがうれしくなるほめ方、さびしくなるほめ方の違いを考えてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

子どもがさびしくなるほめ方とは? 

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ほめられるたびに、さびしくなる子どももいる

ところで、親は何気なくほめているものですが、ほめ方を間違えると、子どもの心をさびしくさせてしまうことがあるので、要注意なのです。

さびしくなるほめ方の一つは、「何かをさせよう」という意図のあるほめ方をされたときです。たとえば、描いた絵を「上手ね~!」とほめられた後、「じゃあ、これもやってみよう」と問題プリントが渡される。お手伝いをして「えらいわね~!」とほめられた後、「これもできるよね」と新しい仕事を与えられる。このように、ほめ言葉がいつも要求と抱きあわせになっている場合、子どもはほめられて操作されるさびしさを感じるものです。

もう一つは、「結果」だけを見てほめられたときです。テストで100点をとったときに、「100点」という結果だけをほめられると、そのときはうれしく感じても、「次もパーフェクトじゃないと、ほめてもらえないかも」という不安を感じてしまいます。また、兄弟のなかで、いつも「よくできる子」の方だけがほめられていると、「親は結果だけしか見てくれない」「親の愛情を得るには、結果を出さければならない」というむなしさとプレッシャーを感じてしまいます。

「言葉」より「気持ち」を受け取っている 

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考えすぎず、感じた感動をフィードバックしよう

人はほめられたときに、「言葉」そのものより「気持ち」の方を敏感に感じているものです。これは、大人も子どもも同じ。しかも、未熟な子どもにはシンプルな感情しか理解できないため、言葉と気持ちが矛盾したほめ方をされると、奇妙なものに感じてしまいます。

さらに、子どもにとって親との関係は、世界の中心。ほめられることで操作されたり、結果だけしか見ないほめ方をされたりすると、非常にさびしく、不安なものに感じてしまいます。

繰り返しますが、ほめることは素直に感じた「感動」のフィードバックです。「子どもをもっとほめなければ」「効果のあるほめ方は?」と考えすぎると、肝心な「感動」が後回しになってしまいます。頭でっかちにならず、「お! いいね」「それステキ!」というような、素直な感動を大事にしましょう。そして結果より、頑張って取り組んできた姿勢や、できたことの質の方に注目して、子どもの成長を見守っていきたいものです。
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