朝、洗顔料を使用する人は減少傾向に
多くの成人女性は洗顔の際に洗顔料を使用します。洗顔料には、「皮脂や汗、お化粧品など不要な汚れを落として、肌を清潔に保つ」という目的があります。しかし近年、「朝は汚れていないから」という理由により、「洗顔料を使用せず、水やお湯のみで洗顔する」という人が増えているようです。右のグラフは、10代から60代を調べた結果ですが、一方、「洗顔料を使用する」人は減少傾向にあるという統計結果が出ました。グラフを見れば一目瞭然ですが、「水やお湯のみで洗顔する」という、いわゆる「使用しない派」は、ここ5、6年で顕著な増加傾向を示しています。
10~60代の年齢別統計を見ると、「使用しない派」では、10代が60%と最も多く半数以上。20代は48%と、「使用する派」を上回らないものの、ほぼ過半数が「使用しない派」。このまま推移すると、あと数年で逆転する勢いです。
洗顔料を使用すべきか否か、注目すべきは皮脂にあり
では、洗顔料が必要かどうか、皮脂の観点から見てみましょう。右の円グラフは、皮脂の組成の時間経過による変化です。10時間後の変化を表しています。注目していただきたいのは上の円グラフの赤い部分です。皮脂の主成分であるトリグリセライド(トリグリセリド)、ワックスエステルの一部が、変性皮脂に変化していることが分かります。皮膚表面に存在する常在菌により、トリグリセライドは分解され、変性皮脂(不飽和遊離脂肪酸を含む遊離脂肪酸)になるのです。これは、皮膚に対して様々なダメージを及ぼします。
《変性皮脂(※)の肌に対する悪影響》
・肌のバリア機能の低下
・水分保持能力の低下
・ターンオーバーの亢進
・毛穴の開き
・キメの乱れ
・炎症を起こす
※特に、変性皮脂中の成分である不飽和脂肪酸を指しています。