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【取材レポート】バランス調整杖『ア・ジャスト』

高齢による心身の弱まりのなかでも多くの方に症状が現れるのが足腰の衰え。若い頃には健脚だった方でも、年を重ねるとともに今まで通り歩けなくなってくるものです。今回は、振り子のように使うことでバランス良く歩くことができるバランス調整杖『ア・ジャスト』をご紹介します。

横井 孝治

執筆者:横井 孝治

介護・販促プロモーションガイド

高齢による心身の弱まりのなかでも多くの方に症状が現れるのが足腰の衰え。若い頃には健脚だった方でも、年を重ねるとともに今まで通り歩けなくなってくるものです。今回は、振り子のように使うことでバランス良く歩くことができるバランス調整杖『ア・ジャスト』をご紹介します。
 

「自分の足で歩く」ことの大切さ

要介護者の症状のなかでも非常に多いのが足腰の衰え。かつては元気いっぱいに歩き回っていたのに、年齢とともに長時間歩くことが難しくなり、いずれ自力だけで歩けなくなってしまう、という方がたくさんおられます。

歩くのが難しくなると、どうしても外出が億劫になり、自宅への引きこもりや閉じこもりにつながることも珍しくありません。こうなると世間との関わりが薄れ、刺激を受ける機会が減ってしまうので、認知症になるリスクが高まるとも言われています。

また介護家族のなかには、歩くのが難しくなった要介護者の外出機会を増やすため、車いすを利用する方も少なくありません。もちろん、自力で立ち上がれないような高齢者を介護する際には車いすを使うべきですが、「足元がふらつくので不安」といった段階から車いすに頼ってしまうと、本人の歩く力がドンドン弱まってしまい、本当に歩けなくなってしまったりするものです。

本人に「歩きたい」という思いがあり、杖などをうまく使うことで歩けるのであれば、できる限り自分の足で歩くことを意識するべきだと思います。
 

より安全な歩行をサポートするバランス調整杖『ア・ジャスト』

『ア・ジャスト』は、バランス良く歩けるように工夫が凝らされています

『ア・ジャスト』は、バランス良く歩けるように工夫が凝らされています

今回ご紹介するバランス調整杖「ア・ジャスト」は、どうしたら歩きやすいかを考え抜いた、新発想の杖です。見た目は最もポピュラーなステッキ(一本杖)と変わりませんが、独自の「BSL(バランス・セーフティ・レバレッジ)装置」が搭載されており、従来のステッキが抱えるさまざまな課題を解消。次のような特長を持っています。

1.杖先方向に杖の重心を移動
従来の杖では上部にあった重心を、杖先に移動。遠心力で杖を振り子のように使えるため、腕の力で杖先をコントロールする必要が減って、腕が疲れにくくなりました。またこれと同時に、杖先の安定性も増しています。

2.石突きゴム内の座金を半円球にして、支柱と一体化
従来の杖の場合、地面と接触する「石突き」といわれる部分は「座金」という薄い金属パーツがゴムで覆われてできています。「ア・ジャスト」では、座金を半円球の形状にしたうえ、支柱と一体化。地面に着地するときの石突きゴムにかかる衝撃を有効に分散すると同時に、ゴムの耐久性を向上させました。

3.ボルト式のおもりを付けて、好みの重さに調節可能
「軽さ」を追求することが多い通常の杖と違い、「ア・ジャスト」では「使いやすい重さ」を重視。石突きの内部にボルト式おもりを取り付けることで、利用者の好みに合った重さを実現しました。これは安定性の向上にも繋がっています。

このほか、独自のゴム配合を行った頑丈な石突きゴムや、杖を使用する際の金属音を軽減する防音加工など、細部に至るまでこだわりが感じられる作りとなっています。
 

振り子のように使えるので、腕が疲れず、安定した歩行が可能です

振り子のように使えるので、腕が疲れず、安定した歩行が可能です

 

座金の薄い通常の杖と違い、地面に着地するときの石突きゴムにかかる衝撃が少なく、杖先がゴムを突き破る危険性がありません

座金の薄い通常の杖と違い、地面に着地するときの石突きゴムにかかる衝撃が少なく、杖先がゴムを突き破る危険性がありません

 

【インタビュー】安心できる杖をつくりたい

「杖を必要とされる方々に、歩きやすくて良かったと喜んでいただきたい」と語る、浜元陽一郎社長

「杖を必要とされる方々に、歩きやすくて良かったと喜んでいただきたい」と語る、浜元陽一郎社長

この「ア・ジャスト」は、どのようにして生まれ、これから何をめざしているのでしょうか? 開発・製造・販売を行っている株式会社FREE POWERの浜元陽一郎社長に、気になる部分を伺いました。

横井「そもそも『ア・ジャスト』の開発は、どういった経緯で始まったものなのでしょうか?」

浜元社長(以下、浜元)「杖の開発前はクランクギア(自転車・車椅子などの目的)の特許(日本・台湾・中国)を取得し、製品として展開させるために無我夢中で展開の糸口を見出そうと走り回っておりました。
そのような折、ある飲食店で軽食をとっていたときです。近くのテーブルでご高齢の方二人が何やら話し合っておられました。よく聞いてみますと、杖の話題です。
『ある人が高級なカーボンの杖を自慢していたので、その人の杖を借りて使ったら軽すぎてびっくり、こんな杖は杖先がどこに行くかわからん! 私はタダでやると言われてもいらない。本当に値段ばかり自慢して……』といった内容の話でした。
そのとき、私は軽いより杖先が重い方が安定するはずだと考えたのです。早速、杖先に釣り用の鉛を貼りつけて試すと、安定した体感が得られました。これが『ア・ジャスト』開発のスタートです」

横井「開発を行うなかで、最も気を使われたポイントはなんでしょうか?」

浜元「重さと杖の外見です。重さについては高齢者百数十人に使用してもらい、一番納得された杖先の重さを探しました。杖の外見については、従来の杖の形を変えないことを絶対の目的にしました。従来の杖と同じ外見であれば、ニーズはありますから」

横井「どんな方に『ア・ジャスト』を利用してほしいとお考えですか?」

浜元「赤ちゃんがベッドから乳母車、つかまり立ち、そして歩行器、そして自立歩行と成長の過程で通っていくように、成人も成長の過程で高齢者となり、まずは杖歩行、歩行器、車椅子、ベッドへと変遷していきます。その変遷の過程で体力を維持できるよう、高齢者の方々に使ってほしいですね」

横井「利用者の方からの反応などはいかがですか?」

浜元「実際に『ア・ジャスト』を販売いただいている店舗から伺ったのですが、お客様は最初、価格が安いものやデザインがお洒落なものに興味をもたれるそうです。しかし『ア・ジャスト』のサンプルを体感いただくと、こちらを選んでいただけることが多く、その店舗での杖の販売シェアの7割ほどを占めているそうです。
『ア・ジャスト』を購入された方が、ご友人にプレゼントされたこともあります。特に安定性についてのの評価が高いようです。また下り坂での効果も良いと聞いております」

横井「今後、『ア・ジャスト』についてはどのような取り組みをしていくご予定なんでしょうか?」

浜元「『ア・ジャスト』の開発は始まったばかり。さらに役に立つ杖を開発していきたいです。既に新商品の開発は始まっております。今後ともよろしくお願いいたします」
 

デザインバリエーションも豊富

外出のたびに持ち歩くことになる杖は、介護用品のなかでもデザイン性が重視されることが多いのですが、この『ア・ジャスト』もさまざまなカラーや柄が用意されています。おしゃれにこだわる方なら、TPOやファッションに合わせて使い分けることも可能です。

足腰が少し弱ってしまっても、『ア・ジャスト』をうまく使うことで、外出を楽しめるようになると良いですね。

『ア・ジャスト』について、詳しくはこちらへ

『ア・ジャスト』のオンラインショップはこちらへ


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