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職人さんを訪ねて―『ならんだならんだ!おひなさま』

3月3日はひな祭り。女の子の健やかな成長と幸せを祈って飾るひな人形、さて、どんな風に作るのかご存じですか? 伝統的工芸品であるひな人形作りの工程を描いた絵本『ならんだならんだ!おひなさま』をご紹介します。

高橋 真生

執筆者:高橋 真生

子育て・教育ガイド

人間の幸福を祈って作られる人形たち

人形と言って思い浮かべるのは何でしょうか? 華やかなフランス人形に、ぽっちゃりした頬のかわいい日本の人形、マネキンやこけし・かかしも人形ですね。でも、元々人形はおもちゃとしてではなく、多くは厄よけやお祈りなど信仰の対象として作られたものです。

とりわけ日本で有名なのは、上巳(じょうし)と端午、それぞれの節句で使うおひなさまと五月人形。子どもたちの健やかな成長や幸せ、健康・出世などを願って飾られます。ひさかたチャイルドの『ならんだならんだ!おひなさま』は、そのおひなさまの作り方を紹介した科学絵本です。

人形作りで有名な町で、多くの職人さんと会う

『ならんだならんだ!おひなさま』は、おだいりさまとおひなさまの案内で、人形作りで有名な町を訪ねるという形式で書かれています。顔を作る人、胴体を作る人、小物を作る人……。多くの職人さんの細かく丁寧な手仕事の積み重ねで、一体のお人形ができることが分かります。

おひなさま写真

髪から扇まで、おひなさまの全てが手作業で作られます

インパクトがあるのは、頭(かしら)作りのページ。後頭部の穴から目を入れ、接着剤で留めた後、今度は頭をふさぎます。優しくて柔らかいタッチのイラストだけに、まだ髪もないつるりとした頭部と眼球の絵については、大人はちょっとドッキリ。でも、小学生には大ウケです。

また、お雛さまに髪の毛を付けるページは迫力がありますし、十二単や扇を作るページは、なんとも言えずあでやかです。

ひな祭りの主役は女の子。かわいらしい桃の花を飾り、春の訪れと共にここまでの成長やこれからの幸せを寿いでもらえるおめでたい日です。けれど、『ならんだならんだ!おひなさま』をきっかけに、手をかけてひな人形を完成させる職人さんたちの思い、たくさんのおひなさまの中から一つを選んで飾ってくれた父母や祖父母の優しさにも気付いてくれるといいですね。

ものづくり絵本シリーズとは……

ものづくり絵本シリーズは、身のまわりのものがどうやってできるかを、豊富な写真やイラストと共に紹介する科学絵本です。普段使っているものが、何でできていて、どんな風に作られ、どうやって自分たちの手元に届くのか、ページをめくる度に新しいことに出会い、子どもたちは驚くばかり。読んでいる姿はとても楽しそう。

ひらがなも多く、ルビもふられているので、4・5歳から読めますし、小学校の調べ学習や自由研究の参考書としても適しています。2014年2月現在、下記のような絵本が刊行されています。多くの公共図書館や学校図書館で所蔵しているので、ぜひそちらもご利用ください。

 

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