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PM2.5、病原体対策も!家族の健康を守る住環境とは

健康のために食生活や運動習慣に気をつかっている人は少なくないと思いますが、住環境についてはいかがでしょうか? 病原体やPM2.5などの外部の健康リスクを上手に排除して住環境を整えることも、大事な健康管理の一つです。家族形態に合わせた健康的な住環境の整え方をまとめました。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

健康的な住まいとは?

家

健康的な家にしたいものです

健康のために食生活や運動習慣に気をつかっている人は少なくないと思いますが、住環境についてはいかがでしょうか? 睡眠時間も含め、多くの人が長い時間を過ごす住環境を整えることも、健康管理の一つです。

住んでいる人が健康的に暮らせる住まいの基本として、以下の3点が挙げられるでしょう。
  • 快適に過ごせること
  • 体に過度な負担がないこと
  • 有害な物質、病原体、アレルギーを起こす物質が少ないか、ゼロであること
それぞれのポイントを見ていきましょう。

■快適に過ごせること
快適に過ごすには、湿度、温度、換気など、空気の状態が重要になってきます。人が快適に感じるのは、温度25℃前後、湿度40~60%程度の環境です。この環境では体の負担が少なく、規則正しい生活を送ることで、免疫力を保つことができます。快適な環境はストレスも少なく、精神的にも良いです。

■体に過度な負担がない住まいとは
体への負担が少ないのは快適ですが、人の筋肉は動かさないとどんどん動かなくなってしまうため、負担のない程度の運動習慣は大切です。とはいえ、住まいの中の段差の多さなどは、高齢者がいる世帯などでは関節への負担も高く、思わぬ事故の原因にもなります。世帯によってはなるべく段差を少なくするなどの工夫も大切です。

■有害物質、病原体、アレルギーを起こす物質が少ないこと
有害物質として、室内では接着剤や防腐剤などの物質が挙げられます。特に新築物件の場合、それらの揮発性物質による眼のかゆみ、鼻水、頭痛などの症状を起こすことがあります。重症になれば、シックハウス症候群になってしまいます。現在は、建築基準法で24時間持続換気の設置義務があります。病原体としては、細菌、カビ、ウイルスなどがありますし、それらを運ぶ害虫も問題です。アレルギーを起こす物質としては、ハウスダスト、ダニなども挙げられます。ペットを飼っている場合は、ペットのフケや毛が原因でアレルギーを起こすこともあります。

これらの揮発性物質、細菌、カビ、ウイルスなどの病原体、害虫、アレルギーを起こす物質を減らしていくことが健康的に暮らせる住まいの条件ともいえます。

もちろん、屋外の有害物質にも注意が必要です。多くの人が心配する花粉や病原体はもちろん、最近問題になっているのは、大気汚染物質であるPM2.5でしょう。PM2.5は肺や気管支を刺激し炎症を起こす可能性があるため、室内に入れないように対策することも大切です。

PM2.5を室内に入れないための対策法

粒子径が2.5μm以下の微小粒子状物質をPM2.5と言います。PM2.5は、ディーゼル車の排気ガス、工場などの排煙などによる、多くの有機化合物、金属などを含むため、健康への悪影響が懸念されています。特に、粒子が小さく肺に入りやすいために、肺炎、気管支炎などの呼吸器の病気の原因にもなります。

できるだけ室内に入れないことが大切なので、心配される季節やお天気の日は、なるべく窓を開けないようにすることも重要です。しかし窓を閉め切っていても空気を介して侵入してくるため、室内への空気への流入路に高密度のフィルターを備えておくことが、対策として有効と言えます。

次のページでは、家族形態にあわせた健康的なすまい空間の作り方を考えてみましょう。
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