■ 『凍花(いてばな)』
■ 斉木香津
園部家の娘たちは美人三姉妹と評判だった。幸せそうに見えていた一家だが、ある日、三姉妹の長女・百合が二女・梨花をアイロンで撲殺した。動機は百合が大切にしていた人形を、梨花が壁に投げつけたせいだというが、それ以外は完全黙秘を続ける百合。
残された三女・柚香はどうしても納得できず、その本当の動機を探ろうとする。百合はなぜ梨花を殺さなければならなかったのか。
探れば探るほど、自分の知っている百合とは違う、信じられないような百合の別の顔が次々と浮かび上がってくる。
そして何かを隠そうとしている父と母。柚香がたどり着いた真実とは・・・。
長女・百合の過去と孤独をつづった日記部分では、心が痛くなりながらも、でも読み進めずにはいられません。そして、最後にたどり着く意外な真実。
とても怖い、しかし慈しみにあふれた物語です。
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