世界遺産/アメリカの世界遺産

チチェン・イッツァ/メキシコ(2ページ目)

1年に2度、羽を持つ蛇の神が舞い降りるピラミッドや、生きたまま生け贄の心臓を抜き出した神殿をはじめ、中米でもっとも有名なマヤ文明の世界遺産「チチェン・イッツァ」。今回はこの神秘の古代都市を紹介しよう。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

神秘のピラミッド、エル・カスティーヨとマヤ人の想い

ククルカンを祀った神殿エル・カスティーヨ。チチェン・イッツァは5~7世紀に栄えた旧チチェンと、9~13世紀にトルテカ文明の影響を受けながら栄えた新チチェンに分かれるが、これは新チチェンのもの ©牧哲雄

ククルカンを祀った神殿エル・カスティーヨ。チチェン・イッツァは5~7世紀に栄えた旧チチェンと、9~13世紀にトルテカ文明の影響を受けながら栄えた新チチェンに分かれるが、これは新チチェンのもの ©牧哲雄

タルー・タブレロ式ピラミッド

タルー(傾斜壁)とタブレロ(垂直壁)を組み合わせたタルー・タブレロ式ピラミッド。エル・カスティーヨは「城砦」の意味で、スペイン人がつけた名だ ©牧哲雄

エル・カスティーヨの場合を見てみよう。

エル・カスティーヨの階段の段数は91。これが四方にあるので合計すると364。最上部の神殿の石段を合わせると365段で1年を表す。また、ピラミッドの各面は9層構造で、各層は階段を境に2層に分けられているので計18層。マヤ暦は1年=18か月だったので、月を表現しているわけだ。

この太陽暦=ハアブ暦と同時に、マヤの人々は1年260日のツォルキン暦を併用していた。365日と260日の重なる日が52年に一度訪れて、この年を災いの年として恐れたという。エル・カスティーヨの4面には52のデコボコがあり、この周期を表している。

 

エル・カスティーヨから周囲のジャングルを望む ©牧哲雄

エル・カスティーヨに登って周囲のジャングルを望む ©牧哲雄

メソ・アメリカの人々は、穀物の栽培と天体の関係に早くから気がついていた。太陽や月の位置と、雨季の訪れや動植物の成長の関係を知っていた。

ただ雨季の訪れを知るだけなら、もっと大ざっぱな技術でもよかったはずだ。「この世界はどうやってできているのか?」「世界の真理とは何か?」「人はなぜ生きるのか?」。そんな人々の想いが、チチェン・イッツァには込められている。
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