絵本/クリスマスの絵本

そこはまるで夢の国『サンタをのせたクリスマス電車』

もしも今年がホワイトクリスマスだったら、その時、私は迷わず『サンタをのせたクリスマス電車』を手にしていることでしょう。輝くばかりの美しさを持った、心温まるこの作品は、雪の聖夜とメリー・クリスマスの響きが何より似合いそうです。

執筆者:大橋 悦子

街も雪も電車も、全てが美しいクリスマス絵本

もしも今年のクリスマスが、ホワイトクリスマスだったら、私は迷わずこの絵本を手にしていることでしょう。真っ赤に彩られたクリスマス電車に積もる白い雪。いえ、よく見ればその雪の色さえ、舞い降りるにつれて、ブルーグレーからホワイトへと美しく変化しています。クリスマス絵本ならではの、温かさと美しさを合わせ持った作品を、どうぞ心ゆくまでお楽しみください。ほら、クリスマス電車が、もうすぐ発車します……

少年の思いやりが幸せを運ぶ『サンタをのせたクリスマス電車』

『サンタをのせたクリスマス電車』の表紙画像

小さなサンタが乗車するクリスマス電車は、息をのむほど美しい

少年ベアーテには、誰にも言えないクリスマスの秘密がありました。それは、ベアーテのお父さんのこと。お父さんは、いつもは普通の電車の運転士でしたが、クリスマスが近づくと、サンタクロースの姿でクリスマス電車を運転するのです。

その電車は、おとぎ話の絵が描かれたそれはそれは美しい電車で、イルミネーションで輝いていました。しかも、乗車する時には2人の可愛い天使から、切符代わりのキャンディが手渡されるのですから、これほど素敵なことはありません。子どもなら誰だって1度は乗ってみたいと思う夢のような電車です。

ベアーテも、毎年、そのお父さんの電車に乗りたいと思っていましたが、クリスマス電車は子どもたちに大人気で、なかなか乗ることができませんでした。ところが、ある日ベアーテはとても素敵なことを思いついて、幸運にもその美しい電車に乗ることができたのです。ところがベアーテは、クリスマス電車に乗りたい妹や友だちに、この素敵な思い付きを教えてしまい、お父さんを困らせることになってしまいます……

ジタ・ユッカーの美しいイラストだけに目が奪われがちな作品ですが、ベアーテの優しい気持ちこそが、この美しくて心温まるクリスマス・ストーリーの源泉になっています。誰かのために、その人が喜ぶことを一生懸命に考える……ベアーテのその姿は、彼のお父さんから受け継がれたものに違いありません。ああ、やっぱり、この作品にはホワイトクリスマスが似合いそうですね。


【書籍DATA】
ロルフ・クレンツァー:文 ジタ・ユッカー:絵 ウィルヘルム・きくえ:訳
価格:2039円
出版社:太平社
推奨年齢:4歳くらいから
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