絵本/クリスマスの絵本

ちょい悪サンタが案内人『サンタクロースの辞典』

『サンタクロースの辞典』の中で、サンタは見事なまでに、フランス語の案内役をつとめています。時にはサンタ自身のプライベートや失敗談まで披露して大活躍。カラフルで、ポップで、ユーモラスな、とびきりのクリスマス絵本をご覧ください。

執筆者:大橋 悦子

ご無沙汰しました、サンタさん!

おや、ご無沙汰しましたね。お目にかかるのは、1年ぶりですかな? いや~、さすがに世界の人気者は違いますな。今度は、辞典の中でご活躍とは…… 驚きましたぞ。それにしても、あんなことや、こんなことまで書かれてしまって、よろしいのですか? あなたのプライバシーまで世界中の人に筒抜けになりますぞ。ひょっとすると、あなたに対するイメージが、180度変わってしまうかもしれませんな。えっ、それも一興だとおっしゃるのですか? そこまでおっしゃるのなら、皆さんにもご紹介しましょう。なにしろ、とても面白い絵本ですからな……

サンタにまつわる新事実満載の『サンタクロースの辞典』

『サンタクロースの辞典』の表紙画像

知られざるサンタの秘密満載の、とびきり愉快なクリスマス絵本

奇妙な出だしに驚かれた皆さん、お詫び申し上げます。でも、『サンタクロースの辞典』は、こんなお遊びをしたくなるほど、愉快で楽しい絵本なのです。もともとフランス語で書かれたこの本は、AからZまでのアルファベットで始まる言葉を説明する正真正銘の辞典です。

ただ1つ、他の辞典と違うのは、案内役がサンタクロースであるということ。誰もがよく知るサンタクロースとはまるで違う、人間味あふれるサンタが、言葉の説明のために、自分の仕事や趣味や仲間や、時には自分の失敗談まで惜しげもなく披露してくれるのですから、サンタクロースのファンならずとも、一読の価値があるというものです。

例えば、Bebe(赤ん坊)のページでは、サンタクロースは泣き叫ぶ赤ん坊が苦手なことが判明します。その理由は、どうやらサンタに子どもいないせいらしい……泣いている赤ん坊を前に、困り果てた顔を見せるサンタなんて、他のどんな絵本でもお目にかかることはできませんね。それから、すでにご存知かもしれませんが(?!)、サンタのお父さんは、アラン・ドロンばりにダンディなイケメンで、わが子を誇りに思っていることも明らかになりました。

いかにもフランス人が好みそうな、ちょっと皮肉まじりのこの辞典を、日本語に訳したのは詩人の大岡信さんです。軽やかで弾むような日本語訳が、この愛すべきサンタクロース像を読者により強く印象付ける働きをしています。


【書籍DATA】
グレゴアール・ソロタレフ:作 大岡信:訳
価格:2243円
出版社:朝日新聞社
推奨年齢:4歳くらいから
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