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コンパクトさが魅力!safuji「ミニ長財布」

長財布をギリギリまで小さく作って、ズボンのサイドポケットにも入るようにしたsafujiの「ミニ長財布」。それにガイド納富が色々と注文を付けて作ってもらった「ミニ長財布 ナッパネビアモデル ブラック」は、現在、最も使いやすい形をギリギリまでコンパクトにした財布だと思います。使ってみてください。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

長財布がそのままコンパクトになる意味

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safuji「ミニ長財布 ナッパネビアモデル ブラック」29400円(税込)

使いやすさで言えば長財布が一番なのは間違い無くて、その使い勝手を、どうすればコンパクトに出来るかというのが、二つ折り財布のデザインのポイント。ただ、従来の二つ折り財布が、その原点を忘れて、いつしか出来上がってしまったフォーマットの完成度を上げることだけに終始してしまっていました。だから、m+やrethink、スーパークラシックなどの財布は、財布の構造をゼロから見直す所から始めることで、二つ折り財布の可能性を広げることに成功しました。その視点や、出来上がった価値観に対して疑問を感じるセンスが、ガイド納富は大好きで、そこから出来上がった財布の使い勝手の良さが嬉しいと感じます。
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内装はブッテーロの黒。コインケースの中のみ豚革。

safujiの「ミニ長財布」を初めて見た時に感じたのも、同じような感覚でした。長財布の欠点は、要するに大きいことで、何故大きいと困るかというと、財布は素早く出し入れしたい道具だからで、その最低条件として、ポケットに入ることが重要。だからこそ二つ折り財布やコインケースが生まれたわけです。長財布だって、そのサイズは、上着の胸ポケットに入ることが前提になっていました。ただ、いつの間にか、大人は上着を着るもの、という社会ではなくなり、というか、元々暑い日本の気候では、大きな財布を胸元に用意出来るほど厚い上着を常に着るわけにもいかず、セカンドバッグが流行ったりするのですが、まあ、それはちょっと話が逸れ過ぎますね。

つまりは、長財布も、その原点を忘れて、ポケットに入るという要素はあまり重要なものではなくなり、革の質とか仕上げの美しさとか、縫製といった部分に力が入れられていきます。コードバンの財布が流行ったのは、その最たるものというか、財布自体の堅牢製を上げるというのは、財布の実用性よりも財布という物の価値を重視しているわけで、それも方向の一つとは思うのですが、主流ではないだろうと思うのです。その後、長財布のコインケース部分がどんどん大きくなって、それも実用性を見直した変化だと思うのですが、収納力の増大は、結局サイズの増大の方向で、長財布はポケットから離れていくというか、ウォレットチェーンで繋ぐことで無理矢理ポケットと結びつけるのも当たり前の光景に見えてしまう状況になっています。

もちろん、それが悪いわけではなく、カバンの中に入れて使うことを前提にする長財布は、大きくなる方向もアリだと思います。ただ、それとは別に、ポケットの中に入れる、二つ折り財布と勝負出来る長財布が出てきてもいいじゃないか、と思っていた所に、safujiのミニ長財布と出会ったわけです。使ってみると、普通にズボンのサイドポケットに入れられて、しかも、立ったり座ったりしても邪魔になりません。出し入れもスムーズで、実際の使い勝手は長財布と同じなのですから、とても快適です。ずっと二つ折りの財布を使ってきたこともあって、紙幣を数えるのがとても楽になったことに感動したりしました。コインケースの大きさも有り難いことでした。

ガイド納富バージョン完成!safuji「ミニ長財布 ナッパネビアモデル」

そうして使っているうちに、少しだけ不満というか、こうしたらもっと良くなるのではないかというアイディアが浮かんでしまったので、safujiさんと話し合って、ガイド納富プロデュースモデルを作るというプロジェクトが始まってしまいました。そうして、何度かの試作とミーティングと試用によって出来上がったのが、「safuji ミニ長財布 ナッパネビアモデル ブラック」です。
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ギリギリのサイズで外側に無駄な部分が出ないように作られた紙幣収納部分。この形状がコンパクトなサイズの秘密だ。

現在日本で使われている紙幣で最も大きな1万円札の幅より、左右約2mmづつ程度しか大きくないという、ギリギリのサイズで作られた「ミニ長財布」は、その紙幣入れの縫製の仕方から、カード収納の方向など、あらゆる点が「小さく」するアイディアに溢れていて、それぞれをギリギリで作ってあります。例えば、紙幣入れ部分は、端を袋状にすることで、革の縫い代部分をなくし、通常の長財布に比べて、左右5mm程度、合わせて1cm以上の縮小に成功しています。そのためミシンが使えない部分が出てくるなど手間はかかっているのですが、ポケットの中の財布にとって、長さ1cm以上という差は大きく(実際、一般的な長財布と比べると2cm以上の差があったりもします)、「ミニ財布」を見たほとんどの方が、それを財布ではなく手帳だと勘違いしたほどです。つまり、このサイズは、人々のイメージの中で「財布」では無いのです。
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これが従来の「ミニ長財布」のカード入れ。この構造が幅の短縮に役立っている。

それでいて、もちろん長財布ですから、二つ折りに比べて、出し入れのスムーズさは遥かに良いのです。ただ、ガイド納富が使っていて気になったのは、せっかくの長財布なのに、カードが5枚しか収納出来ず、しかも出し入れがしにくいということ。何というか、ガイド納富は個人的な好みもあって、よく財布に付いている段々になったカード入れが好きではないのです。ただ、「ミニ長財布」は、カードを縦の段々で収納することで、長さだけでなく幅も従来の長財布よりもかなり短くすることに成功しています。ここを変えることは、せっかくの「ミニ」を少しだけ大きくしてしまいます。
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これが新しいカード入れ部分。1枚挿しのカードスリットの裏側がカードポケットになっている。

それでもガイド納富が、カードの取り出しやすさと、収納枚数の増加をお願いしました。長財布なのに、二つ折り財布よりもカード収納枚数が少ない、というのは、長財布のメリットを損なっていると思ったからです。やはり、収納量あってこその長財布だと思うのです。もちろん、この場合、何百万もの紙幣が入る必要はないのですが、カードは、今や普段使いに欠かせません。
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元々、財布は革の重なりが多いもの。そこで各パーツの革を薄くして、強さは全体の重なりに任せて、小型軽量化を目指した。

あと、縦横のサイズに比べて、やや厚手に感じてしまうことも気になっていました。そこで、パーツひとつひとつを薄くしてもらい、さらに、コインケース部分の長さの調整、紙幣入れの端の処理など、本当に細かい部分を直してもらい、外装は、大人っぽいけれど、遊び心というか、洒落っ気もあるナッパネビア、内装は従来の豚革から、全体をブッテーロにしてもらって、高級感と薄型化、モノの出し入れ時の滑りの良さなどを向上する、という方向で、後はsafujiさんが見事に仕上げてくれました。

スマートな使い方!コンパクトな長財布をおすすめする理由

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カードポケットは、各6枚程度入るものが2つ装備されている。その裏は領収書などを入れるスペースだが、ここにもカードを入れておける。

出来上がった「ミニ長財布 ナッパネビアモデル ブラック」は、自分で言うのも何ですが、とても良く出来たと思っています。何より、カード入れ部分は、カードを縦向きに左右二段で差し込むという、ちょっと変わったスタイルですが、こうすることで、普段良く使うカード2枚は、とても楽に出し入れ出来ると同時に、その他のカードを、その2枚のカードの裏側にあるポケットに5~6枚づつ、合計14枚程度を収納可能。元々、紙幣入れ下にSuicaなどのICカードを収納するポケットも付いているので、合わせて15枚のカードが整理出来るようになっています。これは、本当に重宝しています。カード入れの向きが、財布自体の出し入れ方向と同じになったため、全機能を持ち替えること無く使えるようになったのも、このバージョンの魅力だと思っています。
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上が元の「ミニ長財布」、下が今回の新作。長さは同じで、サイズの違いは、この幅と厚み。幅は増したが、厚みは減っている(上は空だが、下はガイド納富の使用中の物)。

さらに、紙幣入れは、カードケース裏とコインケース裏の2ヶ所にあるのですが、使用時にはコインケース裏をメインの紙幣入れとして使い、カードケース裏は領収書入れとして使用します。その場合、領収書入れ側には、名刺などの紙片の収納の他、サービスカードなども入れておけるので、カードの収納枚数はさらに増えることになります。もっとも、カード入れをこの構造にしたため、元の「ミニ長財布」に比べると、幅は8mm程度長くなってしまったのですが、長財布をポケットに入れる場合、問題になるのは長さであって、幅は、あまり関係ありません。それに、長くなったと言っても、一般の二つ折り財布の短い辺よりもさらに短いのですから、ポケットからの出し入れには何の問題もありません。

サイズに関しては、背の遊びとか、コインケース部分の外側への出っ張り具合とか、本当に細かく調整していて、実際に使ってみては、色々と話し合って作っていったので、実用とサイズのバランスは、かなり良いところまで追い込んでいると思います。スナップボタン周りなども細かく変更して、厚みや、財布の開閉時のスムーズさなども、試用を重ねて調整しました。うるさい注文を繰り返すガイド納富に対して、素早く解決していくsafujiさんの技術と対応力に感心しました。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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大きく開くコインケース部も、ミニ長財布の魅力。この内装だけ敢えてブッテーロではないのも、使いやすさを考えてのこと。

その他、基本的にはsafujiさんの「ミニ長財布」と同じです。大きくて扱いやすいコインケース部分は内装を豚革のままにして、コインを取り落としにくく、しかも明るい色なので探しやすいという使い勝手の良さをキープしています。また、ミニ長財布のメインアイディアである、ギリギリサイズの紙幣入れについては、内部で革を折り返して袋状にして縫ってあり、その折り返し部分をなるべく小さくしてもらって、紙幣の端が、縫い代の端に引っ掛かりにくいようにしてもらいました。これで、スペースがギリギリなせいで、紙幣の出し入れ時に端が曲がる、という事態も、かなり防げます。

外装のナッパネビアは、最初は塗ってあるロウが残っていてグレーっぽい、霧がかかったようなムードですが(これがナッパネビアの特徴です)、使っているうちに、良い感じに黒くなっていきます。財布は、ポケットに入れて使っていると、とても早く馴染んでいくのも嬉しい所です。これも、カバンに入れるタイプの財布では味わえない部分かも知れません。
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ICカード専用ポケットの存在も重要。一度開いたら持ち替えずに全ての機能にアクセス出来るのも嬉しい。

とにかく、普通にポケットに長財布を入れて使うことの便利さと快適さを味わっていただきたいと思います。ガイド納富は、長財布って実は便利だったんだなあと、今さらながらに感心したりしています。また、財布の中央に仕掛けられたICカード入れのおかげで、どっちの面を上にしても、改札を抜けられるのが、また嬉しいのです。普通、長財布で改札抜けている人はあまり見ないのですが、ポケットに入る長財布だから、こういう機能も重要なのですね。唯一の欠点として、ライブなどのチケットが曲げないと入らない場合があったりするのですが、半券のミシン目の所で折れば入るので大丈夫。これから、冬になってポケットが大きくなるので、さらに、この財布の威力が発揮出来るのではないかと思っています。


・女性には、従来型のsafuji「ミニ長財布」も良いです
・ガイド納富とcyproductのコラボによるiPad mini &ノートケースもよろしく
ついでに、ガイド納富プロデュース、究極の取材用ノートケース、スーパークラシックの「Note Me」もいかがでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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