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教育資金の一括贈与メリットがあるのは?

教育資金を一括して贈与しておくと贈与税が非課税になる優遇措置が行われています。人気が高く、制度に応じた「教育資金贈与信託」を取り扱う信託銀行には多額のお金が集まっているようです。メリットがあるのは、どんな人なのでしょうか?

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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相続税が、かかるかどうかがポイント

相続税対策として使える教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与でメリットがあるのは?

30歳未満の子どもや孫の教育費を出してやりたいとき、あらかじめ専用の口座に入金しておくと、贈与税が非課税になるのが「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」です。

口座にお金を入れられるのは、2015年12月末までの期間限定。教育費としての払い出しは、それ以降でも大丈夫。非課税枠は贈与したい相手1人当たり1500万円までです。

例えば孫2人にそれぞれ限度額の1500万円を贈与すると、合計3000万円を非課税で移転できます。贈与税の税率は高く、年間110万円の基礎控除を超えて贈与すると、10%~50%の贈与税を支払うことに。その贈与税が非課税になるのですから優遇のように思えますが、注意点もあります。この非課税制度を利用することでメリットがあるのは、どんな人なのでしょうか?

ズバリ、ふたつの条件を満たす人です。

1、 資産が多くて、相続税がかかる人
2、 子どもや孫がまだ小さくて、生きている間に教育費の援助をできそうもない人


そもそもこの制度は、税金の優遇です。相続税がかからなければ利用する意味はありません。非課税で資産を相続できるのなら、相続した後に教育費に使えばいいわけです。

相続税は、2015年から基礎控除の引き下げが予定されています。
現在……5000万円+1000万円×法定相続人の数
(例えば法定相続人が3人なら、8000万円)

2015年1月以降……3000万円+600万円×法定相続人の数
(例えば法定相続人が3人なら、4800万円)

相続税の基礎控除は、いずれ現行の6割に縮小されるので、これを考慮した優遇措置なのです。

この基礎控除を超える資産を持つ人が、相続税を減らしたい、なおかつ子どもや孫の教育費を出したい場合に、一括贈与しておけば、相続財産を減らし、その結果、相続税を減らすことができます。

教育費のその都度、贈与はそもそも非課税

ただし、支払いがある都度、教育費を贈与する分には、そもそも贈与税はかかりません。つまり、生きていて、教育費を払うケースなら、資産の額にかかわらず非課税で贈与できるのです。

相続税がかかるほどの資産があり、なおかつ、教育費を出してやりたいが、それまで生きていられるだろうか、認知症などで判断力がなくなっているかもしれないと不安に思うとき、資産の一部を、この教育資金贈与信託の口座に入れておけば、死後や自分で判断ができなくても、非課税で教育費の援助ができるのです。

非課税制度を利用できる口座は、信託銀行を中心に設定されていて「教育資金贈与信託」といいます。口座に入れた資金は、教育費として払い出されるまでの間は、金銭信託で運用されます。教育資金贈与信託の場合は、銀行が元本を補てんする金銭信託にしている銀行が多いようです。

信託銀行のみならず、普通の銀行にも、非課税制度を利用できる口座を用意しているところがあり、こちらは普通預金口座での取扱いです。

口座は、いずれの場合も贈与を受ける子どもや孫の名義となります。いったん口座に資金を入れると、もう祖父母や親の資産に戻すことはできません。また、教育費以外の支払いに当てると贈与税がかかり、子どもや孫が30歳になった時点で口座にお金が残っていると、残高にはやはり贈与税がかかります。

利用する場合は、限度額は1500万円ですが、30歳までに実際に使いそうな金額を想定して入金した方がいいでしょう。

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