記憶術/記憶術の例

読んだ本、身になっていますか? 読書に効く記憶術

『もしドラ』、『聞く力』……。あなたもミリオンセラーのこれらの本を読んだかもしれません。では、どんな内容だったか覚えていますか? もしくは最近読んだ本の内容を今、説明できますか? 「えーと……」なかなか思い出せないのではないでしょうか。読んだものの、読みっぱなしの本は案外多いものです。読んだ本を自分のモノにする、記憶のコツをご紹介します。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

読むことが目的になっていませんか?

積み重なった本

たくさん読めばいいものでは……

私は大学時代から「速読」を学び実践し始め、今では速く本を読めるようになり、速読に関する本を出版したり、講座を開催して教えるまでになっています。

そうすると会う人から、

「1か月にどれぐらい本を読めるのですか?」
「この本ならどれぐらいで読めるのですか?」

というように、読む冊数や読み終えるのにかかる時間をよく聞かれます。

そして、ご本人も「もっと本が読めたら……」と言われます。

私自身、「もっと本を読みたい、速く読みたい」という思いで速読を学びはじめ、ここまで学び続けてきているので、その気持ちはわかります。

ただ、こういう会話をしていて、「あまり意味がない会話だなあ」と思うこともよくあります。

なぜなら、「本を読む」ことが目的となっていて、「本を読んでどうなの?」ということに焦点が当たっていないからです。

「わかったつもり」「覚えたつもり」

ところで、「本を読んだ」というのはどういう状態を指すのでしょう?

とりあえずページを全部めくっても、そう言うのでしょうか?
ある程度、全部理解して(したつもりになって)読み終わったときでしょうか?

おそらく、多くの人が最初から最後までひと通り1回読み終わったときに「読んだ」と思っているのではないでしょうか?

ただ、この状態ではほとんどの場合、その本についてわかってもいないし、覚えてもいません。試しに、そうやって最近「読んだ」本について、語ってみてください。

「あれ? ちゃんと読んだのに……」

思っていたよりもわかっていない、覚えていないことにショックを受けるでしょう。

「わかった気」にはなったとしても、自分がキチンと説明できるような「わかった」状態はなっていません。

「覚えていない」というのも、脳の記憶の仕組みから言えば当然といえば当然です。人は繰り返さないとどんどん忘れる生き物だからです。

このように、「本を読んだ」、そして「わかった」「覚えた」と思っても、実はそれは単なる「つもり」であることが多いのです。

小説などエンタテインメントで読んだ本であれば、それでいいかもしれませんが、ビジネス書などではそうでは困りますよね。

ではどうしたら、単に「本を読んだ」ではなく、自分自身のモノにすることができるのでしょうか?

→ 読んだ本を身につけるコツとは?

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