読むことが目的になっていませんか?
たくさん読めばいいものでは……
そうすると会う人から、
「1か月にどれぐらい本を読めるのですか?」
「この本ならどれぐらいで読めるのですか?」
というように、読む冊数や読み終えるのにかかる時間をよく聞かれます。
そして、ご本人も「もっと本が読めたら……」と言われます。
私自身、「もっと本を読みたい、速く読みたい」という思いで速読を学びはじめ、ここまで学び続けてきているので、その気持ちはわかります。
ただ、こういう会話をしていて、「あまり意味がない会話だなあ」と思うこともよくあります。
なぜなら、「本を読む」ことが目的となっていて、「本を読んでどうなの?」ということに焦点が当たっていないからです。
「わかったつもり」「覚えたつもり」
ところで、「本を読んだ」というのはどういう状態を指すのでしょう?とりあえずページを全部めくっても、そう言うのでしょうか?
ある程度、全部理解して(したつもりになって)読み終わったときでしょうか?
おそらく、多くの人が最初から最後までひと通り1回読み終わったときに「読んだ」と思っているのではないでしょうか?
ただ、この状態ではほとんどの場合、その本についてわかってもいないし、覚えてもいません。試しに、そうやって最近「読んだ」本について、語ってみてください。
「あれ? ちゃんと読んだのに……」
思っていたよりもわかっていない、覚えていないことにショックを受けるでしょう。
「わかった気」にはなったとしても、自分がキチンと説明できるような「わかった」状態はなっていません。
「覚えていない」というのも、脳の記憶の仕組みから言えば当然といえば当然です。人は繰り返さないとどんどん忘れる生き物だからです。
このように、「本を読んだ」、そして「わかった」「覚えた」と思っても、実はそれは単なる「つもり」であることが多いのです。
小説などエンタテインメントで読んだ本であれば、それでいいかもしれませんが、ビジネス書などではそうでは困りますよね。
ではどうしたら、単に「本を読んだ」ではなく、自分自身のモノにすることができるのでしょうか?
→ 読んだ本を身につけるコツとは?