一人暮らし/一人暮らしの生活費・貯蓄術

節約&貯蓄につなげる、一人暮らしの家計簿術

「なかなかお金が貯まらない」「お金をどうやって管理したらいいのかわからない」という一人暮らしさんのために、一人暮らしのお金をムリなくムダなく管理する方法を提案します。基本の家計簿のつけ方や、家計簿がどうしても続かない人のためのお手軽管理術を知り、無理なく節約・貯蓄につなげていきましょう。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

無理なく節約・貯蓄につなげよう

「なかなかお金が貯まらない」「お金をどうやって管理したらいいのかわからない」という一人暮らしさんのために、一人暮らしのお金をムリなくムダなく管理する方法を提案します。基本の家計簿のつけ方や、家計簿がどうしても続かない人のためのお手軽管理術を知り、無理なく節約・貯蓄につなげていきましょう。


お金の流れを把握しよう

お金

自分がどんなお金の使い方をしているか知らないと、節約も貯蓄も難しいです

「お金を節約したい。貯めたい」というとき、必ずといっていいほど出てくるのが「お金の流れを把握する」こと。毎月いくら収入があって、いくら支出があるのか。それがわからないと、何に使いすぎているのか、いくら貯金が可能なのか、見極めることができません。

そのために必要だと言われるのが家計簿。一人暮らしであれば、家計簿を3ヵ月続けてつけられればOK。時期や環境によって突発的な出費はあるかもしれませんが、基本的なお金の流れを把握することはできるはずです。それ以上は「記録をつけたりデータを分析したりするのが楽しい!」という人でなければ無理して続ける必要はありません。

一人暮らしであれば、長くつけたからと言って、それほどお金の動きに変わりはないことが多いです。転職や引越など大きなライフスタイルの変化があったときには、改めて一ヵ月ほど家計簿をつけて、以前の記録と比べてみてもいいでしょう。

では、まず基本の家計簿のつけ方を考えていきましょう。


あなたの家計簿はどの方法が合う?

家計簿アプリ

スマートフォンを使った家計簿アプリは便利。その場でつけられるというのは最大のメリットです

家計簿をつける方法はたくさんあります。自分に合う方法を探してみましょう。メリットを「○」、デメリットを「×」でまとめてみました。

■スマートフォン&携帯アプリ等、ネット家計簿
○:外出時に持参していることが多いため、お金を使ったときにすぐ記録できる。
:すぐに入力できるので、レシート等を溜め込まずに済む。
○:レシート読み取り機能(レシートを写真撮影することで入力できる)がついているアプリも多く、入力がラク。 (参考)レシレコDr.Walletなど
○:Webで連動し、パソコン等いくつもの端末と共有できるものがあり、好きな場所・好きなやり方で入力や確認が可能。
:銀行口座やクレジットカードなど全体の資産も併せて管理できるものもある。
:入力するだけで、自動で集計・分析ができる。
×:様々なアプリがあり、それぞれに特徴があるので、自分に合うものを探すのが大変。
×:スマホや携帯では一画面に表示される情報量が少ないので、全体が見渡しにくい。
×:設定や機能が多すぎて、使いこなせないことがある。
×:データ流出・消失等の心配がある。

■エクセルなどを使った自作家計簿
:自分に必要な目的・設定・機能のものを作ることができる。
:計算がラク。
×:自分で作るのは大変。 (参考)マイクロソフトによるテンプレート
×:スマホ・携帯等では編集できない場合もある。その場合、パソコンを立ち上げる手間がかかり、移動先では使用できない。
×:データ流出・消失等の心配がある。

■紙・手書きの家計簿
:手書きをすることで、記憶に残りやすく、お金を使った意識が働きやすい。
○:レシート等と合わせて保管しやすい。
:パソコン・アプリ等が苦手な人でもすぐにできる。
:データ流出・消失等の心配がない。
:インターネットを見始めて、時間を無駄にしてしまうことが少ない。
×:計算や集計に手間がかかる。
×:分析がしにくい。
×:銀行口座など資産全体を管理するのには向かない。


家計簿のつけ忘れを防ぐ方法

レシート

どんな少額でもレシートをもらうことを忘れずに。レシートを見直すだけでも節約に効果はあります

一人暮らしの家計簿は、大まかなお金の流れを把握するのが目的。一円までぴったりと合わせる必要はなく、大ざっぱな記入でOKですが、かといってつけ忘れが多すぎては意味がなくなってしまいます。つけ忘れを防ぐためのコツを紹介します。

■レシートをもらう
家計簿をつける上での基本中の基本ですが、買い物をしたら、レシートを必ずもらうようにしましょう。とりあえず手元にレシートさえ残っていれば、あとからでも記入可能。自分が使ったお金を把握するのに役立ちます。

■紙の明細をもらう
クレジットカードや携帯電話等の明細について、インターネット上で見られるWEB明細が多くなっています。確かにペーパーレスの方がゴミも増やさず、エコにもつながりますが、わざわざパソコンやスマホ等からログインをして明細を確認するというのはひと手間かかって、忘れがち。サービス等によりますが、WEB明細は2~3ヶ月しか確認できない場合もあり、いざ家計簿をつけようとしたら、「もう見られなくなっていた!」なんてことも。

紙の明細は邪魔でゴミになると思うかもしれませんが、まめに家計簿つけができない人は届くようにしておくのがおすすめです。

■スケジュールを記録しよう
手帳

日々の行動を手帳にメモけしておくと、家計簿をつけるのにも役立ちます

レシートのないお金をあとから思い出そうとするのは簡単ではありません。その場で記録をつけるのがベストですが、忙しかったり面倒だったりと、つい後回しにしてしまいがち。あとから「どこで、いくら使ったのか」思い出すために役立つのがスケジュール帳です。

手帳等で自分のスケジュールを記録・管理をしている人が多いと思います。使ったお金がわからなくなったら、スケジュールを見直してみると、「どこへ行ったのか」から交通費が調べられたり、「誰と行ったのか」から使った場所や金額が思い出せることがあります。お金を使うたびに金額を記入するのは面倒ですが、自分がどこで誰と何をしたのかといったスケジュールなら、毎日記録している人も多いはず。スケジュールの変更等も詳しく記録する習慣をつけてみましょう。

■細かいお金は概算で記録しよう
「職場で毎日缶ジュースを買う」といったように、毎日同じようにお金を使うシーンがある場合、その都度記録するのは面倒です。こういったお金は固定費と考え、毎月一括して110円×25日=2750円と記録してしまうのもアリ。多少の誤差は生じますが、全体の流れが把握できればいいので、気にしなくてもいいでしょう。

でも、やっぱり大変な家計簿。無理せず続ける方法もお届します。


家計簿を無理せず続ける方法

家計簿

家計簿を続けるために大事なのは「きっちり」しすぎないこと。まずは「ざっくり」から始めてみましょう

生活する上でお金は毎日のこと。忙しかったり疲れていたりするとと、家計簿をつけるのは後回しになりがち。でも、一度休んでしまうと、再開するのはさらに億劫になります。そうならないように、ルールはできるだけゆるく、無理することなく続けていくことがポイントです。

■正確に金額は合わせようとしない
家計簿は、会社の経理とは違います。よく言われることですが、一円まできっちり合わせる必要はありません。ざっくりと何にいくら使ったかわかればいいので、収支が合わないからといって気にしなくてOKです。

■固定費はつけない。変動費だけつける
一人暮らしをするときにかかるお金には「固定費」と「変動費」があります(参考:一人暮らしの生活費)。

固定費であっても光熱費等毎月額が変わるものもありますが、それでも固定費はそれほど大きな差がつきにくく、使ってしまったあとで請求がくるので、その場で節約するのも難しいお金です。むしろ気をつけたいのは変動費なので、家計簿につけるのは変動費だけにすると、家計簿の負担が減らせます。

■費目はできるだけ少なく
支出を細かく分類すれば、それだけ家計を正確に把握できます。でも、細かくつけようとすればするほど、家計簿は面倒になり、続きにくくなる原因に。

何のためのお金かを仕分けする費目の分類は、できるだけ少なくしておく方が記録するのはラクです。一人暮らしであれば、多くても10個以下の費目で。例として「住居費(家賃等)」「水道光熱費」「食費」「通信費(インターネット・携帯電話等)」「日用品・雑貨費」「交際費」「被服美容費」「貯蓄」といった費目が挙げられます。

■レシートごと、ざっくり分類
スーパーやドラッグストアなどで買い物をしたとき、食品と日用品を一緒に購入することがよくあります。でも、これを家計簿に記入するとき、イチイチ仕分けして記録するのは意外と面倒なもの。

そんなときは細かい分類を気にするよりも、大ざっぱでも家計簿を続けることを優先して、そのレシート内で最も多くお金を支払った費目にまとめて記入してしまいましょう。例えば、食品が3500円、シャンプーに350円支払っていたら、すべてまとめて「食費」に3850円として記録してしまいます。特にこれまで家計簿が続かなくて悩んでいた人ほど、家計簿を正確に合わせることよりも、続けることを優先しましょう。

■できるだけまとめて買う
買い物の回数が多ければ多いほど、家計簿をつける手間も時間もとられます。そこで、できるだけ買い物の回数を減らし、一度の買い物で必要なものをまとめて買うよう心がけてみましょう。買い物の回数が減ることで余計なものを買ってしまうことも減り、節約にもつながるという嬉しい効果も。


つけた家計簿、どうしたらいいの?

家計簿

家計簿はつけただけで満足してはダメ。予算を立てて、節約や貯蓄につなげましょう

頑張って家計簿をつけた。でも、つけただけで満足してしまっては意味がありません。ここからお金の流れを知り、自分が納得できるお金の使い方ができるようにしましょう。

■使いすぎているお金を見つける

一人暮らしの場合の収入に対する支出の割合を紹介します。あくまで目安ですが、大きく離れている場合はお金の使い方を考え直すきっかけとしてみましょう。

住居費(家賃等) … 20~30%
水道光熱費 … 5~6%
食費 … 15~20%
通信費 … 7~8%
日用品・雑貨費 … 5%
交際費 … 3~5%
被服美容費 … 5%
貯蓄 … 10%

■予算を立ててみる
家計簿を見て、使いすぎていると思う費目があったら、毎月の予算を立てて、それ以内に収まるように頑張ってみましょう。家計簿をもとに、貯蓄の目標を立て直してみることも大切です。

それでも、やっぱり続かない! そんな人のための「ざっくり」家計管理術もご紹介します。


それでも家計簿続かない! どうしたらいい?

計算

まずは収入から固定費を引くことで、自分が一ヵ月に使えるお金を計算してみましょう

「頑張ったけれど、それでも家計簿が続かない…」という人もいるかもしれません。家計簿なしでもお金を管理する方法を考えてみましょう。

■毎月使えるお金はいくら?
収入から毎月必ずかかってくる固定費(家賃・水道光熱費・通信費等)および貯蓄を引くと、その月に使えるお金がわかります。家計簿はつけなくても、毎月どのくらいのお金が使えるのか一度計算しておくと、お金の使いすぎを防ぐきっかけになります。

収入が変わったり、引越などで家賃や水道光熱費が変わったり、保険に加入するなど、固定費が変わったときには、改めて計算しなおすようにしましょう。

■週ごとに使えるお金を決める
毎月いくら使えるのかがわかったら、その金額をその月の週数で割ります。それが一週間に使える金額。その範囲内でやりくりすることで、使いすぎを防ぐことができます。足りなくなっても、他の週から借りてくるのはNG。もし余ったら、貯金に回しましょう。家計簿をつけなくても、お金の流れを感覚的につかむことができるようになります。感覚がつかめてきたら、週ごとに割り振る金額を増減させるなど調整してみましょう。

■レシートをノート貼るだけ
買い物したレシートは必ずもらうこと。そして、もらったレシートは週ごとに見開きノートに貼っていきます。貼るだけで合計などは計算しなくてもいいですが、時々見返すことで無駄に買ったものやお金が見えてきます。

■預貯金だけをチェック
複数の銀行口座があるなど、自分の資産全体がわかりにくくなっている場合は、銀行口座等の預貯金のみチェックしてみましょう。日常の細かいお金を管理する家計簿よりも記録がラク。使い込んでしまう貯金が減っていくのが目に見えるので、節約にもつながります。

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