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日本人不在でも、世界に誇れる鈴鹿のF1文化

鈴鹿での開催が1987年以来、25回目を数える大会となり、多くのF1ファンが全国から集った。観客の減少が伝えられたものの、雰囲気は非常に良かった日本グランプリ。ファンの声と共にF1ドライバーが「鈴鹿は特別」と語る理由を探ってみよう。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

25回目の鈴鹿、F1日本グランプリ

2013年10月11日(金)~13日(日)の3日間、鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリ。鈴鹿での開催は1987年以来、25回目を数える大会となり、今年も数多くのF1ファンが全国から集い、盛況のうちに幕を閉じた。
鈴鹿サーキット

F1日本グランプリのスタート 
【写真提供:MOBILITYLAND】


レースウィークは天気が崩れる予報から一転、秋晴れの好天に恵まれた鈴鹿ではF1ドライバー達が素晴らしい走りを観客の前で披露した。土曜日に行われた公式予選では今年でF1からの引退を表明している「レッドブル」のマーク・ウェバーがチームメイトのセバスチャン・ベッテルを抑えてポールポジションを獲得し、観客の拍手喝采を浴びた。
マーク

PPを獲得した「レッドブル」のマーク・ウェバー 
【写真提供:MOBILITYLAND】


また、レースではスタートに成功した「ロータス」のロメイン・グロージャンがトップに立って好走を見せ、さらに「レッドブル」のウェバーやベッテルと共にバトルを展開し、ドライバーズサーキット鈴鹿で3位表彰台に立ってみせた。昨年まではクラッシュの多いドライバーとして評判の悪かったグロージャンは、彼のレースを支える優秀な日本人レースエンジニア、小松礼雄(こまつあやお)の母国で表彰台を獲得し、日本のファンから大きな拍手をもらっていた。

そして、優勝争いは異なるピットストップ作戦をとった「レッドブル」のウェーバーとベッテルが終わってみれば1-2フィニッシュを果たし、セバスチャン・ベッテルが4度目の鈴鹿での優勝を飾った。「フェラーリ」のフェルナンド・アロンソが4位に入賞したため、チャンピオン決定は次戦以降に持ち越しとなり、ベッテルは圧倒的リードで自身4度目のワールドチャンピオン獲得に王手をかけた。
表彰台

F1日本GP 表彰台 ドライバーは左からウェバー、ベッテル、グロージャン
【写真提供:MOBILITYLAND】


そのベッテルは表彰式でスタンドを見つめ、目をウルウルさせていたようにも見えた。まだチャンピオンを決めたわけでもなく、鈴鹿での優勝は既に4度目。にもかかわらず、ベッテルは感激し、表彰式インタビューでも鈴鹿のファンを褒めちぎっていた。


観客数は過去最少でも鈴鹿は熱かった!

優勝したベッテルは表彰式インタビュアーのエディ・ジョーダン(英国BBCコメンテーター)から4年連続のチャンピオン獲得目前になった今の考えを聞かれても、「まず、今日(の鈴鹿のレース)を楽しみたかった。このコースが好きだし、ファンは素晴らしいし、彼らが私たちにとって特別な場所にしてくれているんだ」と語った。「鈴鹿は特別な場所」というコメントはベッテルが口癖のように言っているが、今年のコメントは本気で感情がこもっていた。

そのベッテルの感激ぶりとは裏腹に、今年のF1日本グランプリの観客動員は決勝日が8万6000人(昨年は10万3000人)、3日間合計でも17万1000人(昨年は20万8000人)と大幅に減少した。

次のページでは、日本人ドライバー不在の日本グランプリでも、鈴鹿にやってきたファンの声もお届けしよう。


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