着物・着付け/着物のコーディネート

年末年始の挨拶や初詣……冬のおでかけ防寒

年末年始は何かと着物を着る機会が増えますが、初詣などで長時間寒い中動けないシチュエーションは防寒対策が大事。お腹周りは暖かいのですが、足下、袖口、首もとが防寒のポイントになります。

斉藤 房江

執筆者:斉藤 房江

着物・着付けガイド

数時間屋外で過ごす時

初詣に着物を着ると、お正月らしくて気分も盛り上がりますよね。でも人気の神社では2、3時間以上も並ぶことも。冬のお出かけでも、車内や屋内にいる時間が長い場合や、屋外でも歩いて身体を動かしていればコートやショールなどだけでもずいぶんとしのげますが、屋外でじっとしていないといけない場合は、羽織ものにプラスして肌着から防寒するのが良いでしょう。最近は各メーカーやブランドから機能性肌着がたくさん出ています。衿あわせや衣紋から見えない程度にえりぐりが深く、五分袖や七分袖くらいの長さで、白、又はベージュや肌色に近い色のものがおすすめです。
和装用機能下着

和装用の機能下着もあります

足下も冷えますので保温機能のあるスパッツなどを履くとずいぶん違います。内側が起毛素材のネル足袋や、足袋の中に履く保温機能性足袋もありますし、伸縮性のある足袋カバーに小さなカイロを入れて足袋に重ねるという方法も。
機能性足袋

足袋の中に履く機能性足袋

お腹や腰あたりに肌着の上からカイロを貼ると尚効果がありますが、以上の方法では暖房の効いた屋内で暑くなってきても脱げないという難点が。

お参りの後にお食事などの予定がある場合はモコモコしないタイプのレッグウォーマーを脚と腕に着ければ、脱ぎ着も楽で温かです。肌着もいつもの和装用の下着に加え、伸縮性のある身体の凹凸にフィットするタイプのインナーを着れば保温性は格段に上がります。いずれも袖口や裾からチラリと見えてしまうとあまり格好の良いものでありませんが、無病息災を祈願しに行って風邪をひいて帰っては洒落にもなりません。また、衣紋を抜いた首筋も寒いもの。ショールは衿に沿ってはおるのが素敵な装いですが、こちらもあまりに寒いならやせ我慢をせず首筋を覆ってしまいましょう。
ショールでの防寒

本来は抜いた衿に沿わせますが寒い場合は首元を覆って


年始おすすめのきもの

素材は染め物だと縮緬、紬なら真綿系のふんわりと空気を含んで暖かく、見た目にもほっこりするタイプのものがおすすめです。

格については年始のご挨拶で訪問する場所や相手によっては気にしなければならない場合もありますが、基本的に初詣やお正月のお出かけの装いは礼装から普段着までOK。振袖や訪問着など普段なかなか着る機会の無い礼装で華やかな新年を迎えるのも素敵ですし、近所に出かけるならば今はあまり見かけなくなりましたがウールのアンサンブルに別珍の足袋、マフラーをぐるっと巻いたスタイルもノスタルジックで良いのでは? お若いお嬢さんやお子さんならニット帽なんか合わせても可愛らしいです。

柄は「松竹梅」「宝づくし」「干支」など、おめでたいものがお正月らしくて良いでしょう。着物や帯ではお持ちではなくても、半衿や帯留めなどの小物で取り入れるとワンランク上の装いになります。

何はともあれ、着物をお召しになるだけでもお正月気分は盛り上がりますので、皆様お風邪をひかないように着物を楽しんでください!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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