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石丸幹二×木場勝己「最後の精神分析」稽古場リポート

ミュージカルを中心にストレートプレイ、映像等幅広い分野で活躍する石丸幹二さんと様々な舞台で観客の心を捉える木場勝己さん。本作『最後の精神分析 -フロイトVSルイス-』が初共演となるお二人と、翻訳・演出の谷賢一さんを本番1週間前に直撃して来ました!稽古場での貴重なショットもお楽しみに!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

『最後の精神分析 -フロイトVSルイス-』 稽古場インタビュー

今まさにナチスの空爆により第二次世界大戦が勃発しようとしている朝、精神分析医・フロイトの元にファンタジー作家のルイスが訪ねてくる。強烈な無神論者であるフロイトと熱烈なキリスト教徒のルイス。この世界に神はいるのか…それとも…。

劇団四季退団後、大型ミュージカルのみならずストレートプレイや映像でも活躍する石丸幹二さん(最近では大ヒットドラマ「半沢直樹」の浅野支店長役の印象が鮮烈でした。)=ルイス役と、様々な舞台に立ち、圧倒的な存在感で観客の心を捉える木場勝己さん=フロイト役。今回が初共演となるお二人と本作の翻訳・演出を担当するDULL-COLORED POP主宰・谷賢一さんを本番一週間前のお稽古場で直撃してきました!


石丸幹二さん 「時が来た、と思ったんです。」

石丸さん

ルイス役・石丸幹二さん

 
―  これまでの石丸さんのお仕事からすると、今回の舞台はかなり異色と言うか、情報を知って驚いたファンの方も多いと思うんです。出演を決めた理由を教えて頂けますか。

石丸  僕にとっては本当に初めての事ばかりで、実は二人芝居も初めてですし、お客様から1m位の距離で演技をするという事も経験したことがないんですね。じつは私、偶然にも、オフ・ブロードウェイでこの「最後の精神分析」を観ていたんです。とても観客に愛されている素敵な作品だなあ、と客席で感じました。今回この舞台のお話を頂いた時に武者震いもしましたが、新しい自分の扉を開けることができるんじゃないかと強く感じたんです。色々な偶然が重なって「時が来た」と思いましたね。


木場勝己さん 「バトルしがいがあるんです。」

木場さん

フロイト役・木場勝己さん

― お稽古場では演出の谷さんと熱いバトルが繰り広げられているそうですが。

木場  (お茶目な笑顔で)バトルするっていうのはバトルしがいがあるって事なんですよ。谷さんとは初めて組むのでお互いの演劇観も使う言葉のニュアンスも最初の内は良く分からない所もある。だったら年の功で「戦っちゃえ!」と。そうやって色々ぶつかっていく中で見える事や気付く事も沢山ある。言葉のニュアンスの中に隠れている本質を見つけ出す行為の1つでしたね。


谷賢一さん(翻訳・演出) 「2人が命を懸けて喋っている。」


谷さん

翻訳・演出 谷賢一さん


― 台本を読ませて頂いて難解、というかかなり骨太な作品だな、と思いました。瞬時に攻め手と受け手が変わるスリリングな会話劇ですね。

    僕ね、もう「難解」って言っちゃっていいと思うんです。神学論争の話なんですけど、フロイトとルイスの2人の人生がべったり張り付いてる言葉と言うか命を懸けて喋ってる感じに強く惹かれました。翻訳も普段より大分時間が掛かったんです。会話の中で攻めているように見える側が実は必死に何かを守っていたり、相手に言葉をぶつけながら肚(はら)の中で別の事を考えたりしている。2人だけの会話劇ですし、常に探り探られ考え反発し反応し……みたいなその緊迫感も含めて観て下さる方は楽しめると思うんですが、やる側は大変ですよね。(木場さん、大きく頷く。)


一筋縄ではいかないモードを体感し、脳に汗をかいて欲しい。


木場  今、様々な劇場で色々な作品が上演されていて、その多くがエンターテイメントだったりもしますよね。勿論それはそれで楽しいし良いのですが、今回の「最後の精神分析」に関しては敢えて‘たまには我慢しろ’と言いたいですね。(石丸さん、谷さん爆笑)我慢した後に差し込む光は美しいんです。はっきり言ってこの作品にはテーマもない。2人の言葉の遣り取りしかないんです。もしかしたらこの舞台は今まで誰も見た事のない作品になるかもしれない。是非それを劇場で体感して頂きたいと思います。


石丸
  是非、脳に汗をかきに来て欲しいです。僕自身、物凄く汗をかきながらやっていますが、言葉との格闘を分かち合いながら舞台に立ちたいです。何故フロイトがそう言ったのか、何故ルイスがそう答えたのかと言う事を、客席に居ながらお客様にも感じて頂きたい。そして、「私はどう思うのか」と考えて頂ければと思っています。知的な楽しみってきっとあると思うんです。


    今の時代、難しいものや分かりづらくややこしいものを敬遠する風潮があるような気がします。でもフロイトとルイスの2人が沢山の言葉を遣い、ある種の難解な論争をする事によって現れる人間的な魅力って絶対にあると思うんですね。その難解さの先に光を見つけた時は本当に嬉しいし、時に難しさを楽しむ、みたいな時間があってもいいと僕は思います。まあ、これだけ難しいとか難解とか色々言ってますが、最終的には「そうでもなかった」って劇場を出て頂けるかもしれませんよ。

ルイス役の石丸幹二さん、フロイト役の木場勝己さん、翻訳・演出の谷賢一さんのお三方にお話を伺ったのですが、柔らかなムードの中で皆さんの口から1番多く出た単語が「言葉」……コレでした。言葉との格闘……これまで同じ作品に関わった事がない3人のプロフェッショナルが今回初めて顔を合わせどんな舞台を創り上げるのか、これはめちゃめちゃ楽しみ! と言う事で、この後行われる通し稽古も見学させて頂く事に!

→ 次のページでは稽古場での貴重なショットを公開&公演情報をご紹介します!

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