不動産売買の法律・制度/ガイド:平野の私的不動産用語集

法定耐用年数

「法定耐用年数」についての用語解説です。実際の建物の寿命と法定耐用年数にどのような関係があるのか、しっかりと理解しておくことが大切です。(2017年改訂版、初出:2006年8月)

執筆者:平野 雅之


法定耐用年数

【ほうていたいようねんすう】

税法上で定められた耐用年数で、表を見ると鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造の住宅は47年、木造の住宅は22年などとなっている。

しかし、これは事業用(賃貸用)建物の減価償却費用を計算するために定められた年数であり、自ら居住する建物ではこれを1.5倍にすることが必要だ。

そのため、居住用マンションの法定耐用年数は70年(償却率0.015)、居住用一戸建て住宅(木造)の法定耐用年数は33年(償却率0.031)となる。

ちなみに1997年までに取得した事業用建物の法定耐用年数は、鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造が60年、木造が24年となっていて、1998年取得分からそれぞれ47年、22年に短縮された。

建物の寿命が短くなったわけではなく、毎年の経費として差し引くことのできる額を増やすための、税法上の事情によるものだ。

いずれにしても実際の建物の物理的な耐用年数とは関係なく、「100年コンクリート」が謳い文句のマンションも、欠陥工事ですぐに倒れそうなマンションも、法定耐用年数は同じである。


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住宅の法定耐用年数

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