ジャズ/ジャズ楽器入門

忙しい方のための「ジャズ楽器やろうぜ!」ドラム編

ドラムは、人気のある楽器ですが、ちょっとハードルが高いように感じる楽器でもありますね。でも、ドラムは実はその気にさえなれば、意外に低コストで明日からでもすぐに始められます。まったくの初心者でも、あなたのその熱いリズムを、楽器に伝える方法さえ学べば、明日からでもあなたはドラマーです。折角のこの機会、ぜひとも憧れのドラムに触れてみてくださいね。

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

ジャズ楽器を始めてみよう! ドラム編

ロックやポップスなどの音楽シーンでは、アクティブでスポーティーなドラムは、バンドの中ではとても目立つ存在です。ジャズにおいてもそれは例外ではありません。

ソリストを後ろから鼓舞するようにスイングするドラムは、ジャズ好きならば誰もが一度はあこがれるはずです。こんな風に演奏する事が出来たならば、どれだけ楽しい事か……でもあなたはもしかして、最初からドラムなんて無理、とお思いではないですか?

ドラムというとよく「あんなに両手両足で違う事やって、リズムをとるなんて、普通ではできない」と言う声をよく聞きます。もちろん、そこまで行くにはそれ相応の練習が必要ではありますが、誰でもカラオケなどでは、歌に合わせて手を叩いたり、シャカシャカとタンバリンを振ったりした経験はあるはず。

また、小学校の時にはカスタネットやトライアングルで音楽をやった経験は誰でも持ち合わせています。リズムをとる事を恥ずかしがらなければ、それはドラマーへの第一歩。きっとドラムの深遠な世界があなたを待っているはずです。

1、楽器と練習場所

まず、始めるにあたって、ご自身のドラムセットをお持ちの方は問題ありませんが、初めての方はいきなりドラムセットを購入しなくても構いません。まず最初は、スティックのみでOKです。

Pearl 110H

Pearl 110H

おすすめなのは、パールの110Hです。1000円くらいでお手軽でしかも定番のスティック。大きめの楽器店ならばどこにでもあるので、買いやすいのが特徴です。さあ、自分のスティックが用意できたら、いよいよ練習です。

ご自分の環境で練習が出来る方はどんどん先に進んでくださいね。まったく初めての方には、楽器があって練習が出来るおすすめの練習場所は、やはり以前他の楽器やろうぜ!でご紹介した「貸し音楽スタジオ」になります。

WEBの検索で「音楽練習 貸しスタジオ」と入れれば沢山探せますので、お試しください。貸し音楽スタジオは何よりも、ドラムセットがセッティングされている部屋が多く、スティックだけ持って行けばすぐに練習が出来るからです。

もちろん音楽スタジオだけに、どれだけ大きな音で叩いてもOK。それに、自分の練習の音を周りに聞かれる心配をしなくても良いのは、初心者にとっては心強い環境です。もちろんCDなどを掛けながらもできますので、楽しく自分のペースで練習が出来ます。

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ジャズドラム演奏参考曲 第一位
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ「モーニン」より「モーニン」

モーニン

モーニン

ジャズドラムと言えば、この人を外す事は出来ないほどモダンジャズの創成期からずっと活躍したドラマーのアート・ブレイキー。このCDは1990年に亡くなるまで第一線で活躍した、長い経歴を持つ彼の1958年に発表された最大のヒット作。

表題曲「モーニン」は、ピアノのテーマの呼び掛けに対して、ドラムを含む他のメンバーが楽器で答える形のいわゆるコールアンドレスポンス形式が取られ、その親しみやすいテーマは日本でも大ヒットしました。覚えやすい展開なので、ジャズドラムの練習には最適の一曲と言えます。

この曲自体の魅力は、その覚えやすいメロディのほかには、何と言ってもアドリブ出だしのトランペット奏者のリー・モーガンが、曲の方向性や雰囲気を何倍にも押し上げたところと言えます。この後、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの十八番となるこの曲ですが、歴代のトランペット奏者にこのリー・モーガンの出だしをコピーさせて吹かせたと言うエピソードがある位、定番となったものです。

アドリブが最も重要なファクターであり、その場限りの刹那的表現に重きを置くジャズ。本来ならばアドリブでやる部分に決まったフレーズを吹かせたなどと言う事は、ジャズの本質に反しているかのようです。

しかし特に1930~40年代スウィング時代など、ジャズで踊っていた世代では当たり前で、「ムーンライト・セレナーデ」や「イン・ザ・ムード」などで有名なグレン・ミラーなどは、本来ならばサックス奏者がアドリブでやる部分まで譜面に書いてありました。

また、ポピュラーの世界では当たり前の事です。むしろ観客はレコードと違う演奏にNGを出す事が多いのも事実。そういった意味でも、ジャズとしての矜持と、大衆受けしてヒットする曲との境をぎりぎりのところで保っているのがこの「モーニン」と言えます。

最初にこの曲をライブで演奏した時に、観客が皆思わず踊り出したと言うエピソードもうなずける、踊るためのモダンジャズの最高峰。ジャズをシリアスなものとしてではなく、エンターテイメントとして捉えた場合に、これほど楽しい演奏は無いと言えます。

その他の曲選びと譜面については、次のページでご紹介します!

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