マンションの売却/マンション売却の基礎知識

マンション売却、競合物件には要注意!

戸数が多いマンションであればあるほど、今までに成約に至った部屋の事例が豊富に存在します。必然的に価格が統一され価格が安定します。しかし、同じ時期に同一マンション内で複数の売り物件が存在し、活動が後手に回ってしまうと、競合物件の動向に大きく左右されてしまいます。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド

マンションの売却は簡単?

mansion02

マンションの売却では、競合物件の存在が鍵です。

土地や戸建ての売却に比べてマンションの売却は金額の査定、価格変更を含めて比較的容易です。戸数が多い大規模マンションであればあるほどそうです。なぜなら土地や戸建てと違って、マンションの部屋は一つの「箱」であり、買い手にとって決断を下すための検討材料が限られています。その部屋が気に入るか気に入らないかだけで、比較的容易に購入に踏み込みやすいのです。

また、土地や戸建てには同じものが一つとない、唯一無二なものであるのに対し、マンションは同じマンション内での売り物件や、過去の成約事例が豊富にある場合が多いです。過去に成約した事例や、現在売りに出ている他の部屋のデータがあるということは、買い手はそれを見て比較検討することが出来ますし、そのマンションの大体の相場もなんとなくつかむことができます。これは金額を設定する際の売り手にとっても同様のことが言えます。

競合物件に左右される

マンションの売却で注意しなければいけないのは、同一マンションで同じ時期に販売を開始した競合物件の存在です。例えば6階部分に、1か月前から同じ広さ・間取りの部屋が3000万円で売りに出ていたとします。今回売りに出す部屋が3階だとすると、階数が上であればあるほど価格が上がるのが普通ですから、3000万円が一つの目安とすることが出来ます。

3000万円で現状売れていないということは、3000万円より低く価格を設定する必要があり、なおかつ階数が下がる分だけさらにもう一段安くしないといけません。つまり6階部分の金額を基準に考えなければいけません(*もちろん、3階部分がリノベーションをしていたなど、室内の状態に大きな差がある場合は別です。今回の例はあくまでも室内の状態に大きな差はないという前提です)。

そうした条件を踏まえ、今回は例えば2850万円に価格を設定、販売を開始したとします。ところがそうこうしてる間に、以前から売りに出していた6階の物件が、中々売れなかったため金額を2800万円に下げたとします。この価格変更は3階の売却にも大きく影響してくることは容易に想像できます。このタイミングで売却していくためには、3階部分も併せて価格変更を行わないと、6階の部屋が成約するまで、いつまで経っても売れない可能性があります。

続きは次ページで解説していきます。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます