「不動産に掘り出し物はない」ってホント?
「
掘り出し物」とは、「思いがけず安く手に入ったもの」という意味で、「バーゲンセールや骨董市場で掘り出し物を見つけた」といった表現が一般的ですね。埋もれていた価値あるものを、自分の目利きで見出すといったニュアンスがあります。
しかし、住宅分野に関していえば、昔からの格言のように「
不動産に掘り出し物はない」と言われてきました。「めったに出ない好条件の物件が、相場よりもかなり割安な価格で売り出される」ことを期待しても、そういう物件はほとんど出てこないからです。
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| 「『不動産には掘り出し物はない』といわれているけれど… |
というのも、不動産の価格は、その時期に
売れる相場を把握している不動産仲介会社が売主にアドバイスしながら決められています。売主はなるべく高く売りたいと考えるのが普通ですし、相場に近い価格で売り出せば購入者が見つかることがわかっているわけですから、わざわざ相場より安く出す理由がありません。
相場より安く出ているケースは、2つの可能性があります。1つは、物件自体に「
安くなる理由」がある場合です。たとえば、南向きでも正面に別の建物があって日当たりが良くないとか、駅に近いけれども線路沿いで騒音がうるさいなど。
物件の査定に当たって
マイナス点になる要素が含まれていれば、その分だけ評価も低くなるわけです。表面的には相場より安く見えても、掘り出し物とはいえないでしょう。
2つめは、売主側に、まとまった現金が必要など、特別な事情から
急いで売りたい理由があるケースです。しかし、こういった物件は、現金決済できる
買い取り専門業者が購入してしまうケースがほとんど。決済までにローン手続きに時間がかかったりする個人の買主では条件が折り合わない場合が多く、結果として、掘り出し物は表に出てこないといえます。
掘り出し物は宝くじに当たるようなもの!? 狙うものではない
掘り出し物がまったくないわけではありません。ついこの前も、広尾で4980万円の物件が出ました。築12年で最上階の70m2でしたから、通常なら5500万円以上でも売れるケースです。売主から「なるべく早く売ってほしい」という要請があったので
相場より低めの価格設定になりました。
割安感があるため、すぐに売れると思っていましたが、なかなか反響がありません。
最終的に、普段から相場を良く勉強している個人投資家が「これは安い」と判断して購入を決めました。
しかし、このようなケースは、我々不動産仲介会社の営業スタッフですら、年に何回もお目にかかれるわけではありません。いつどこで出るかわからないのです。たまたまぶつかれば幸運でしょう。
少なくとも個人の買主は、ライフステージの中で
購入するタイミングと
希望の場所が決まっています。そんな万に一つの偶然を狙うようなアプローチはお勧めできません。目先の損得にとらわれて、本当の意味で自分にふさわしい物件を見逃してしまうおそれが大きいでしょう。