男のこだわりグッズ/文房具・小道具

ミニマムなペンケースの名品、霧革バージョンが登場

rethinkによる三本挿しペンケースの傑作「Lim Pen Sleeve」に新しいバージョンが登場しました。ナッパネビアという霧がかかったような牛革を外装に、滑らかなベビーカーフを内装に使った新しいモデルは、そのマットなムードのルックスの魅力はもちろん、実は機能もアップしているのです。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

素材が変わるだけで機能もバージョンアップする

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rethink「Lim Pen Sleeve 霧革」1万3440円(税込)。色は写真の青の他、黒などがある。

rethinkのペンケース「Lim Pen Sleeve」は、このガイド記事でも紹介しましたが、現在の革小物を代表すると言って良い、ペンケースの傑作の一つです。実際に入れるペンに比べ、どうしても大きくなってしまうペンケースの欠点を、独特のデザインで解決し、3本の筆記具を最小限のスペースでコンパクトに持ち歩けます。また、普段使う1本は、素早く出し入れ出来る状態になっていて、机の上ではペントレイ的にも使えるなど、その実用性の高さも突出しています。

5年前の発売以来、未だ、この「Lim Pen Sleeve」のコンパクトさを超えるペンケースは登場していませんし、実際、普段使いでビジネスマンが持ち歩くペンケースとしては、最も使いやすく、持ち歩きやすいペンケースとして最上の一つに数える事が出来る製品。最近増えてきた、機能とデザインを共に考えたペンケースの先駆けにして、ベストのケースの一つでもあります。
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こんな風に筆記具が収納出来る。当たり前だが筆記具は付属しない。

その「Lim Pen Sleeve」に新しいバリエーションが登場しました。表にイタリアのナッパネビアという革を、裏にベビーカーフを使ったタイプです。サイズや仕様は同じなのですが、素材が違っただけで、まるで別の製品になったような使い心地で、革製品にとって、素材となる革の違いが、とても大きな違いになる事が、とても分かりやすい製品に仕上がっています。一度取り上げた製品を、もう一度取り上げようと思ったのは、その革による違いを見て頂きたかったからです。

霧がかかったような革「ナッパネビア」

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この、擦り込まれたワックスで表面に霧がかかったように見えるのが、ナッパネビアの特徴。

ナッパネビアという革は、最近、革小物によく使われている、ミネルバボックスやリスシオなどと同じメーカーが開発した革で、イタリアのトスカーナ地方に古来から伝わるバケッタ製法でなめした牛革に天然素材のワックスを擦り込んだもの。革の表面が、まるで霧がかかったようにワックスに覆われていて、そのマットな中に深みを感じる色合いがとてもキレイな革です。今回、写真で紹介しているのは、その中の青ですが、他に黒、焦げ茶、茶色があり、どの色もとてもキレイです。特に、この青と、ちょっとグラファイトのようなムードのある黒が、ガイド納富のお気に入りです。
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5年使った、キップレザー使用のLim Pensleeve。革の艶は長く使っていたから出たもの。

そして、このナッパネビア(霧革と呼びたい感じです)は、ワックスが擦り込んであるのですから、当然、使っていく内にワックスが擦れて、霧が晴れるように元々の革の色が出てきます。元の革はバケッタレザーですから、経年変化で味わいが出てきますから、霧が晴れながら、色艶も増してくるわけです。その変化も楽しめるわけで、長く使うのが嬉しい素材なんですね。5年前に発売されたキップレザーを使った製品を、ガイド納富は発売当初から愛用していて、つまり5年使っているわけですが、外側には随分艶が出てきました。今回の素材は、それ以上の変化を見せてくれそうで、使うのが楽しみです。

内装のベビーカーフが機能を向上させる

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滑らかで肌理が細かいベビーカーフの内装。

さらに、今回は内側にはベビーカーフを使用。キップレザーよりさらに若い、生後6ヶ月以内の仔牛の革を使い、通常のカーフよりも柔らかく、キップレザーよりも肌理が細かく薄い革です。それをさらに表の革よりも薄く削いで貼り合わせているので、前の製品に比べて、外寸は同じでも内寸が少し大きくなっています。さらに、滑らかなのでペンの滑りも良くなっています。つまり、前の製品に比べて、少し太いペンの収納が可能になっていたり、ペンの出し入れがよりスムーズになっていたりします。素材が違うと、機能まで違ってくるんですね。
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前のバージョンに比べて内径が大きくなっている分、太いペンの抜き差しが楽になった。

実際、上から見ると、明らかに新しい方が革が薄く、内寸が大きくなっている事が分かります。また、一番外側の、良く使う一本を挿しつつ、それが全体を留める閂のようになっている部分のペンの抜き差しの具合が、とてもスムーズになっています。これはサイズの違いというより、ベビーカーフの肌の滑らかさに拠るものでしょう。これはつまり、ペンケースの開閉がスムーズになった事でもあり、中のペンの抜き差しもスムーズになっているわけで、使い勝手が全体に向上した事になります。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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用途別に両方を使い分けるのも良いと思う。

素材が変わるという事は、革小物にとっては、カラーバリエーションが増える事とは全く違います。手触りや、柔らかさ、丸めやすさ、差し込みやすさなどなど、インターフェイスそのものが変わる事になるので、使い勝手が変わる事は当たり前なのです。もちろん、高級な革を使ったから機能が向上するというわけでもありません。前述したように、革小物に於いて、素材の革はインターフェイスそのものですから、機能に合わせた革の選択も重要な要素になります。今回の場合は、外装の「ナッパネビア」は、手触り、ルックス、経年変化、巻きやすさ、カバンへの出し入れ、机の上での収まり具合、といった部分を担当し、内装の「ベビーカーフ」は、ペンの出し入れのしやすさ、巻きやすさ、外装との相性、高級感などを担当します。その組み合わせを考えるのも製品作りにとってとても重要な事なのです。

新しい「Lim Pen Sleeve」は、前のキップレザーのものに比べると、やや繊細で、少し太いペンにも対応するので、ちょっと高級な万年筆などを収納するのに、前の製品よりも向いている感じです。一方、前の製品(もちろん販売も継続されます)は、もっとラフに、普段使いのボールペンと万年筆とシャープペンシルといった、実用系に向いていると思います。そのあたりは好みもありますが、価格も新しい方が高いですから、トータルでどちらが優れているというものではありません。元々、3本しか収納出来ないのだし、用途で使い分けつつ、二つ同時に持ち歩くのもありだと思うのです。というか、ガイド納富は、既に、キップレザーの方には三菱鉛筆の「シグノRT1」の0.38mmのブルーブラック、ペリカン「M205」、シヤチハタの印鑑付きボールペン「カーボネックス」を入れて、仕事用日常使いに、ナッパネビアの方には、パーカー「インジェニュイティ」、五十音「ミミック」(中にはベースボールのリフィル)、パイロット「キャップレス」を入れて、プライベート用日常使いに、と使い分けています。

<関連リンク>
rethink「Lim Pen Sleeve 霧革バージョン」は、信頼文具舗で購入できます(青、黒)
rethinkのサイトでも近日発売予定です
銀座五十音でも購入できます

「Lim Pen Sleeve」を紹介したガイド記事はこちら
rethinkのオンラインショップでは、ナッパネビアを使ったiPhone5用のケースが購入出来ます
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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