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寝不足注意! 読みだしたら止まらない翻訳ミステリー

先が気になりすぎて、途中でやめられない! 新刊の翻訳ミステリーの中から、一気読みしてしまう3作品を紹介します。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

忘れられない衝撃の結末『ジェイコブを守るため』

語り手のアンディ・バーバーは、マサチューセッツ州の地区検事補。14歳の息子ジェイコブが、同級生が殺害された事件の容疑者になってしまう。アンディは必死でジェイコブを守ろうとするが、本人にはいまひとつ危機感がなく、うかつな言動で事態を悪化させる。さらにアンディが妻にも隠してきた暗い過去が、一家の運命に影を落とす。

冒頭の「そのときにはすでに手遅れだった」という言葉の意味がわかり、それまで見えていた風景が一変する結末がすごい! もし自分がアンディと同じ立場だったら? 想像すると震えます。あとを引く1冊です。

夫婦って怖いけど面白い! 『ゴーン・ガール』

ニューヨークで雑誌のライターをしていたニックは、2年前に失業し、妻のエイミーを連れて故郷のミズーリに帰ってきた。都会育ちのエイミーは田舎暮らしになじめず、夫婦の関係はぎくしゃくしている。結婚五周年の記念日にエイミーが行方不明に。家には争った跡があり、ニックに疑いがかかる。

ニックが語る失踪事件の経緯にエイミーの日記が挿入され、それぞれの感情のすれ違いや、秘密があらわになっていく。後半は特に、独身の人が読んだら結婚するのが恐ろしくなるかも。人間の黒い部分がこれでもかというくらい暴かれていますが、最終的には愛の物語になっている……ような気がします。

キャラクターもアクションもド派手『骨の祭壇』

現在のサンフランシスコでホームレスが殺された事件と、1930年代にシベリアの収容所からの脱出した男女の逃避行、18か月前テキサスで死んだ男が息子に残した告白。3つの物語が、「骨の祭壇」という言葉で結びつく。

次々とあらわれる謎、次々とあらわれる敵。アクションありロマンスありで息をつく暇もありません。最近来日したフランスの名画や、実在した有名人も登場します。覆面作家なのに全米出版社が数億円で争奪戦を繰り広げたという作者の正体も話題の作品です。

 


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