映画『風立ちぬ』&物作り映画傑作6選(4ページ目)

日本映画は、家作りと風呂作り!?

『みんなのいえ』（2001年度作品）


三谷幸喜監督の映画は家づくりの物語です。新居を立てることになった夫婦が、家の設計を人気デザイナーに依頼。しかし施工は妻の父がやることになります。スカしたデザイナーと頑固親父の大工の棟梁がことごとく対立して、家がおかしなことになってゆく様は、他人事だから面白いけど、自分が当事者となったら胃に穴が開きそうです……。家をゼロから物を作ることは大変な作業であること、チームの面々が理解し合い、同じ目標に向かわないと先に進めないこと、そして、時には妥協も必要であることがよくわかる！ それは“わたしのいえ”ではなく“みんなのいえ”だからなのですね。

監督：三谷幸喜
出演：唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子、伊原剛志、白井晃、八名信夫ほか


『テルマエ・ロマエ』（2012年度作品）


西暦130年代の古代ローマ人が、現代の日本と古代ローマを行き来して、日本のお風呂文化をもとに、古代ローマで革新的な浴場を建設するタイムトラベラー映画。こちらの主人公は『風立ちぬ』と同じく設計者ですが、見ればわかるように見た目180度違います。しかし、デザインの美しさや機能性などに目を見張ったり、夢中になると周囲があまり見えなくなるところは一緒で、設計者ってこういう人が多いのかな～と。毎日当たり前のように入っているお風呂が素晴らしい物作りによるものであることを、なんと古代ローマ人から教えてもらうというこの映画。物作りの極意は“全世界共通”。素晴らしい物作りは時代も国境も越えて評価されるのですね。

監督：武内英樹
出演：阿部寛、上戸彩、北村一輝、竹内力、宍戸開、勝矢、キムラ緑子、笹野高史、市村正親ほか


※物づくり映画を探していたら、意外と日本映画にあるものだな～と。職人気質が日本人の中には根付いているからかも？ ほかにも物作り映画はいろいろあるので、また取り上げていきたいと思います！