住宅リフォーム/リフォーム会社を選ぶには

悪徳リフォーム業者の手口とその対策

悪徳リフォームによる被害額は、数万円から数千万円まで。だまされたことに気付かないままの人もいます。あなたの家は大丈夫?その手口と対策、そして悪徳リフォーム業者を見抜く3つの特徴を、事例とともにご紹介します。(2017年改訂版、初出:2007年7月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

悪徳リフォーム業者の手口は年々巧妙になってきています。その特徴を知って、しっかり対策しておきましょう。

悪徳リフォーム業者の手口は巧妙になっている

契約は慎重に

悪徳リフォーム業者の被害にあうと、費用の損失だけでなく家にダメージを与えてしまうことも。

悪徳リフォーム業者による被害額は、数万円から数千万円まで。金額は小さくても、粗悪なリフォーム工事をされて、構造にダメージを負ってしまったケースもあります。

中にはだまされたことに気付かないまま、危険な家に住み続けている人も。あなたの家は大丈夫?その手口と対策、悪徳リフォーム業者を見抜く3つの特徴を事例とともにご紹介します。

 

訪問セールスでよく使われる悪徳リフォーム業者の手口−事例1

ひび割れた家

工事が終わって数年経ってから差が出てくるのが外壁塗装。その場で効果がすぐ見えないものは注意が必要。

リフォーム会社の営業マンという男性が訪問。「近所で塗装工事をやるので、挨拶にまわっている途中だが、外壁の様子が悪いので声を掛けさせて貰った」と言う。<挨拶商法>

「外壁をちょっと点検させて欲しいのですがよろしいですか? もちろん無料です。」 <点検商法>

とりあえず見てもらうだけならと思い、見せたところ、「外壁に細かいひび割れがあり、このままだと中に水が入り構造部分まで腐食してしまいます。できるだけ早く塗り替えないと、後で何百万円も掛かってしまうことになりますよ」と言われた。<不安商法>

いきなりそんなことを言われてもと言うと、「お宅は交差点の角にあり目立つ位置なので、当社の宣伝になります。宣伝費用として会社からお金がでますので、半額で工事できます」と言われた。<見本工事商法>

それならと思い、言われるままに外壁塗装のリフォームを依頼したのだが、2年で変色がはじまり、契約書に書かれた電話番号に連絡しても、電話は通じない。仕方なく近所の工務店で見てもらったところ、約束とは違う安い塗料が使われていて、また塗り厚も標準より薄いことがわかった。結局すぐにまた再塗装を行うことになった。

 
 

悪徳リフォーム工事のせいで家がダメージを受けたその手口−事例2

雨漏り

今まで健康だった家が、その工事のせいで欠陥住宅になってしまうことも。その場での依頼は厳禁!

近所で屋根工事をしている職人と名乗る男性が訪問してきた。

「近くで屋根の工事をしていたのだが、お宅の屋根のスレート瓦が割れているのが見え、このままにしておくと雨漏りの危険があるので心配でやってきた」と言う。

驚いていると、「屋根に上らせてくれれば、そこの部分の写真を撮ってきます」と言われたので、お願いすることにした。

見せられたポラロイド写真には確かに大きく割れたスレート瓦が写っている。慌てていると、「修理だけならついでなので5万円でやってあげる」とのことなので、その場で依頼。すぐに工事を行った。

それから数ヶ月後、大雨の日に今までしなかった雨漏りが発生。驚いて業者に連絡したが、電話はつながらない。仕方なく近所のリフォーム会社に屋根を見せると、スレート瓦の回りにコーキングが打たれており、そのせいで雨漏りをしていることがわかった。

すぐにそのコーキングは取り除いてもらったが、その周囲には最近入ったと思われるヒビだらけになっていて、補修を含めて15万円かかった。また、最初にもらったポラロイド写真をよく見ると、色と形が実際の屋根と微妙に違い、違う家の写真を見せられていたことがわかった。

 

外壁・屋根・床下・耐震に多い悪徳リフォーム

上記は外壁と屋根に絡む、よく見かけるトラブルの事例です。悪徳リフォーム業者の被害は、素人では解りにくく、不安をあおられやすい、外壁・屋根・床下・耐震の工事で起きやすくなっています。

悪徳リフォーム業者を見抜く!大きな3つの特徴

騙しのテクニック

悪徳リフォーム業者は言葉巧みに家の中に入り込み、甘い言葉をささやきながら、短期決戦で仕掛けてくる。

訪問セールスを行なっているリフォーム業者が全て悪いわけではありません。悪徳リフォーム業者には、大きな3つの特徴がありますので、しっかりチェックして対策しましょう。

1.言葉巧みに家の中に入り込んでくる

「近所でシロアリが発生しているので、お宅も危ないですよ、床下を一度見せて下さい」 「基礎の回りが湿っています、水道管が漏れてる可能性があります、お風呂を見せて下さい」 「屋根が割れています、雨漏りの危険がありますから、屋根にのぼらせて下さい」

普段あまり目にしない部位や、見た目でわかりにくい部分の不安を突いて、言葉巧みに家の中に入り込もうとします。

2.無料、特別値引きなどの甘い言葉をささやいてくる

リフォームには定価がありません。いきなり半額にすると言われたら、最初から2倍以上の値段設定で見積もってきているということです。また無料で点検といっても人件費は掛かっています。なのに無料ということは、その後の仕事を取ることを期待している、ということは知っておきましょう。

3.短期決戦! 契約を急がせる

考える時間を与えず契約させてしまう、そして契約したら解約のスキを与えずに工事に手を掛けてしまうという手口です。とにかく短期決戦で迫ってきます。

悪徳リフォーム業者から身を守るために必要なこと

自分の身は自分で

「不安に付け込む」という手口から身を守るために、自分の家の状態を自分で知っておくことが大事。

訪問でのセールスを受けたら、その場での工事の契約は絶対に行なわないことです。相見積もりを取り、複数の専門家の意見を聞きましょう。

訪問販売でのリフォーム工事契約は契約日から8日以内であれば、「クーリング・オフ」で解約できます。また期間が過ぎても悪質な場合は契約を取り消せる可能性があります。

おかしいなと思ったらすぐストップ!できるだけ早い時点に、「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「国民生活センター」などの然るべき機関に相談して下さい。
悪徳リフォーム業者は、不安につけこみ、お得にできるという美味しそうなエサで釣ろうとしてします。これらの手口から身を守るためには、耐震や省エネなどの家の性能、屋根や外壁、床下といった構造部分、給排水管などの重要設備に関しては定期的に点検を受け、自分で我が家の状態を知っておくことです。そして必ず複数の意見を聞いてから決めるようにしましょう。

大幅値引きによる、外壁塗装における具体的なトラブル事例を下記でもご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 悪徳リフォーム業者以外に多い工事のトラブルについては、下記でご紹介しています。 【関連記事】
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