国土交通省は11月17日、東京都など首都圏にあるマンション20棟およびホテル1棟の計21棟の建物について、建築物の安全を保つための構造計算書が偽造されていた疑いが強いことを公表しました。
そして、この21棟のうち14棟は完成済みで、その建物に住んでいる方は多数いらっしゃいます。そのうちの一部の建物は調査により、建築基準の3割から7割程度の強度しかなく、震度5強の地震で倒壊する可能性が確認されています。
建物の強度を偽るといった、建物の信頼性と私たちの安全性を大きく揺るがす前代未聞の事件が発生しました。
不動産投資の観点からも大変重要な自体だと感じましたので、急遽、書き下ろしを致しました。
今回の耐震計算詐称の流れ
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| 今回の耐震計算詐称の流れをおってみます |
国土交通省などによると、構造計算は、建築士が地震などの外力、柱の大きさ、鉄筋の数、建物の形状などをコンピューターに入力し、コンピューターがそのデータを処理したうえで、基準に適合しているか、もしくは基準に適合しないかを判断します。
そして、別々に印刷される入力シートと出力シートを合わせて、建築士が確認申請書を提出します。なお、両シートには、ページごとに同一記号の認定番号が振られており、入・出力が同じプログラムで行われたものであることが証明されるのです。
なお、国土交通省と千葉県の調査によると、構造計算書を偽造した建築士の事務所は2003年から今年10月にかけて、設計事務所6社からマンションなどの構造計算書の作成を請け負った際、耐震性について建築基準法の基準を下回る力で計算しながら、別の計算書を部分的に差し替えて基準を満たしているように装い、設計事務所に書類を提出した模様です。
その構造計算書は、市役所などに代わって建築確認の審査をする都内の建築関連検査会社に提出されましたが、偽造されていることが分からないまま、認められていました。
しかし、今年10月に検査会社が過去の計算書の不審点に気づき、偽造の疑いが発覚し、このずさんな検査体制が浮き彫りになりました。
なお、偽造を行った建築士は千葉県の調べに対し、20棟のマンション及び1棟のホテルの合計21棟における構造計算書の偽造を認めています。そして、この建築士は、「それ以外に偽造はしていない」と話していますが、過去5年間で他に約90棟の構造計算を請け負っていることから、被害はさらに広がるのではないかと懸念されています。
チェック方法に問題はあったか?
建築士が構造計算書を偽造したといった部分以外は、現時点(11月20日時点)では明らかになっていませんが、構造計算書のチェック方法に問題はなかったのか?なぜ、見抜けなかったのか?といった部分は疑問を持つところです。
そして、国土交通省の幹部の人によると、この偽造方法では「通常ならすぐに気づく単純で稚拙な方法」と言っているとともに、別の職員の方も「マンションは特別な建築物ではなく、建設業者も普段より柱が細く気づくはずなのに」と首をかしげています。
このようにチェック方法のどの部分が問題であったかも、今後、調査の対象となると思いますが、どちらにしろ、言い訳のできない状況にあることは否定できません。
そして、国土交通省も再発防止に向けて、現行制度を見直す方針を打ち出しています。近く社会資本整備審議会建築分科会に新たに専門部会を設置し、外部委員に不正防止策などを議論してもらう方針をとっています。
さらに、強度が偽造された建物によっては、5年後とか10年後に、地震などの要因が起きていなくても柱や梁が折れ曲がってくる恐れもあるとされています。住民に対しての建物の恐怖心や心のケアも場合によっては必要になってくるのではないでしょうか?
この問題は、他人事ではすまされない問題ですし、今後、2度とこのようなことが起きないよう、私たちもこの事件の解決および今後の再発防止策を見守りたいものです。
いつ、地震で倒壊するかもしれないといった不安に駆られないためにも・・・