和菓子/甘味処

錦糸町「北斎茶房」とっておきの甘味と食事

錦糸町随一の甘味処「北斎茶房」。夏場のかき氷の行列で知られますが、ぜひ召し上がっていただきたいのは「餡」。ランチもディナーもテイクアウトも充実しています。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

錦糸町で食べるなら「北斎茶房」

東京スカイツリーの開業以来、新しい層で賑わう錦糸町界隈。駅から一路東京スカイツリーを目指す人が多いようですが、実は駅周辺には和菓子好きの皆さんに、ぜひ訪れてほしいお店がたくさん。今回は、とっておきの甘味処「北斎茶房」をご紹介します。

北斎通り沿いの「北斎茶房」

北斎茶房

「北斎茶房」北斎通りに面した解放感ある店舗

2003年創業の甘味処「北斎茶房」。お店があるのは葛飾北斎の生誕地とされる墨田区・亀沢の北斎通り沿い。

天井が高く実際の広さ以上に広々と感じられる店内。元々は長屋の倉庫で、その後アトリエとして使われていたものを引き継いだそうです。オーナーの今井さんによれば、まだ高い建物が少なく並木通りが気持ち良かった同地で良い空間と巡り合い、お店のオープンを決めたのだそうです。

北斎茶房には接客専門の人はおらず皆職人さん。お店を開くにあたり、今井さんと共に全員が京都の和菓子職人の元へ弟子入りし、技術を習得したそうです。

丹波大納言「春日」

茶房特製あんみつ【七福春日】

「茶房特製あんみつ【七福春日】」900円

「素材にこだわり自家製で丁寧に」がお店の信条。寒天を流し固めたり、注文が入るたび白玉を丸めるなどしている様子を度々目にします。中でもぜひ一度は味わってほしいのが、希少で高価な丹波大納言「春日」を使った粒餡と徳之島産の黒砂糖で作る黒蜜。艶やかに煉られた餡はとろりと滑らかで風味に深みがあり、黒蜜は独特のコクと旨味があります。

初めてお店を訪れる方は、その美味しさを看板メニュー「大納言あんみつ(580円)」と「とろりわらび餅」で味わってみてはいかがでしょう。

今回まず私が注文したのは大納言あんみつに華やぎを添えた「茶房特製あんみつ【七福春日】」。寒天に餡・求肥・白玉・2色のアイス・季節の果物に最中皮、そして京きなこまでかかり賑やかです。個々の味を楽しんでいると、次第に餡やアイス、黒蜜が溶けて混ざり合い絶妙なハーモニーを奏でます。

とろりわらび餅

「とろりわらび餅」(525円)お土産にもできる

時間と手間暇をかけて煉り上げた「とろりわらび餅」は、独特の弾力がありながら口の中でとろり。存在感たっぷりの香ばしいきなこと黒蜜がその魅力を支えます。お土産にもできますが、量に限りがあるので売り切れていることもしばしば。運よく出会えたらぜひ味わってみて下さい。

あいす最中大納言

「あいす最中大納言」(370円)

もう1つ、ぜひおすすめしたいのは「あいす最中大納言」。自家製餡を使った手作り小豆アイスのまろやかな甘さと、もち米の香ばしさが際立ったサクサクの最中皮は黄金の取り合わせ。少しだけ甘いものを食べたいときにもおすすめです。

どのメニューも素材の質を考えるととてもリーズナブル。良心的な価格です。

夏季は「かき氷」も!

生熟かき氷「いちご」

生熟かき氷「いちご」(840円)底までたっぷり苺が入る

夏季の甘味処の華といえばかき氷。北斎茶房では宇治金時やほうじ茶ミルク、黒蜜きなこなど15種類もの用意がありますが、爽やかさを求めるなら「生熟かき氷」。生苺、生杏、生パイナップル、生ゴールデンキウイの4種類があり、それぞれ熟した生の果物を砕いてシロップにしたもの。
ふわふわの氷が重みで沈むほどたっぷりと果物がのり贅沢です。夏はこれを目当てに長い行列ができることもしばしば。アクセントにミルクや白玉、アイスクリームのトッピングをオーダーするのもおすすめです。

ランチも晩御飯も

本日の和デリプレート

ランチタイムの「本日の和デリプレート」(880円)お惣菜4品、ご飯、お味噌汁が付く

お食事のファンも多い北斎茶房。かくいう私も月に2~3回はランチを食べに寄っています。今井さんは「甘味と同じくらいこだわりたい。これからの課題」と言いますが、五分搗きの玄米入りのご飯に具がたっぷり入ったお味噌汁、丁寧に作られた4種類のお惣菜からなる「本日の和デリプレート」ランチは栄養バランスも味も良くお値打ち。お邪魔した日は国産豚の生姜焼きに築地直送マグロのお刺身の漬け、こだわり豆腐のピリ辛そぼろあん、たこと里芋の旨煮に舌鼓を打ちました。

ほかにもランチタイムにはパスタや釜揚げうどんが選べます。また、夜にはお酒と共に炊きたての釜めしなどが食べられるとあって、席を確保するのが難しいほど。

手作り最中

お土産用「手作り最中(4個組)」630円

笑顔で元気にというよりは職人気質で静かに淡々と、という接客スタイル。それでいてどこか温もりが感じられ、つい長居してしまいます。回転率を上げるのではなく、ゆっくりのんびり寛げるお店でありたいと今井さん。その言葉に甘え、この日お話を伺った後もあんみつやかき氷を味わいつつ、1人穏やかな時間を堪能しました。

※2015年4月更新時情報:
大福やどら焼きのテイクアウトスペースができました。
連日早い時間に売り切れています。

<店舗情報>
■ 北斎茶房
所在地:東京都墨田区亀沢4-8-5 
JR錦糸町駅から徒歩約5分、両国駅から徒歩12分ほど
電話: 03-5610-5331
営業時間:甘味11:30~22:30(L.O.22:00)
ランチ 11:30~14:00(土・日・祝日~14:30)
晩御飯 17:00~22:30(L.O.21:30)
(晩御飯のみ予約可能)
定休日:火曜日
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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