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西表島の旅の基本情報と、大原港エリアの観光

石垣島の西、八重山諸島の中で最南端の波照間島の北に浮かぶ西表島は、島のほとんどが手つかずの亜熱帯のジャングルに覆われた島。イリオモテヤマネコの名でも知られる島ですが、密度の濃い生命圏の中で、世界的にも珍しい動植物が多く生息しています。その唯一無二の大自然の魅力は訪れた者を一瞬にして虜にしてしまうパワーに満ちあふれています。今回は、そんな西表島の旅の基本情報と、島の東部の観光情報をお話しましょう。

小林 繭

執筆者:小林 繭

沖縄ガイド

 西表島の旅の基本情報と大原港(東部)エリアの観光スポット

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まるでビロードを広げたような緑の森に覆われた西表島    Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

沖縄の島々の中で、本島に次いで2番目に大きな島である西表島は、島のほとんどが亜熱帯の原生林に覆われたジャングルの島。島という独自の生態系の中で、イリオモテヤマネコをはじめとした固有種の他、多種多様の亜熱帯の珍しい動植物が生息する生命の宝庫の島です。それぞれに個性豊かな八重山の島々の中でも、一際存在感に溢れた西表島は、近年では亜熱帯のジャングルが体験できるエコツアーの島として人気を集めています。また、リゾート滞在に癒しを求めて訪れる旅行者も少なくありません。そんなダイナミックな大自然の魅力に溢れた西表島を紹介しましょう。

西表島の旅の基本情報 

西表島へのアクセスは、石垣島の石垣港から船の便のみとなり、所用時間は約40~50分。西表島には、島の東部への入口となる大原港と、西部への入口となる上原港のふたつの港があるので、西表島での滞在目的によってどちらの港を使うか選ぶといいでしょう。と言っても、海流の関係から上原港への便は欠航する確率が高く、特に12月~3月の冬期と、台風シーズンは欠航が多いことで知られています。対して、大原港への便は安定しており、本当に台風が近づいたような時を除きほとんど欠航にはなりません。

八重山の離島というと、ついつい小さな島というイメージで西表を考えてしまう人も多いようですが、先にも述べたように西表島は沖縄で2番目に大きな島。八重山の他の離島のように自転車や徒歩で島内観光というわけにはいきません。島内移動手段は車が基本と考えてください。路線バスやタクシーの利用もできますが、運転できる人であれば絶対的にレンタカーの利用をおすすめします。ちなみに、上原港—大原港間はバスで約1時間。タクシーの場合は40分ほどで行くことができますが、料金は1万円弱かかるとみてください。

また、各港周辺の集落にはスーパーがあり、食料や日用品を買うことができます(コンビニはありません)。郵便局があるのは大原港と租納の集落の二カ所で、お金を下ろす場合はこの二つの郵便局のATMが利用できます。

エコツアーで西表島を楽しむ!

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空高く背を伸ばしたヘゴの木  Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

さて、ここからは西表島の楽しみ方をお話しましょう。山と海の大自然に囲まれた西表島の楽しみ方は、なんといってもその大自然を体験すること!につきます。特に島の大部分を覆う亜熱帯のジャングルは、西表島の旅のハイライト。といっても旅行者が勝手に島の内部に入りこむのはとても危険。ジャングルの奥に足を踏み入れる時は必ずガイドを付けるのが基本です。
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カヤックに乗ってジャングルクルーズは、西表島の大自然の中に飛び込んだ心地 Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

西表島では大自然を体験できる様々なエコツアー・プログラムが充実していて、小さな子どもや体力に自信のない人でも楽しめる気軽なものから、かなり本格的な上級者レベルなものまで、内容の方もかなりバラエティ豊か。旅行者に人気なのは、マングローブの森をカヤックで散策するマングローブカヤックと、ジャングルの中を歩くトレッキング。カヤックとトレッキング両方で滝を目指すエコツアーが特に人気があるようです。ピナイサーラの滝や、カンビレーの滝を訪ねるツアーは定番中の定番。

他にも面白いツアーが沢山あり、かなりハードな行程を必要とするのである程度の体力が必要となりますが、浦内川からイタジキ川を上った場所にあるマヤグスクの滝を訪ねるコースは本格的なジャングルトレッキングを体験できます。マヤグスクとは島の言葉でヤマネコの城の意味で、アーチ型の階段状の岩盤の上を水流が流れ落ちるとても美しい滝です。また、さらにアウトドア上級者の人なら、島の東部と西部を結ぶ横断道を丸一日かけて歩くツアーに挑戦してみてはいかがでしょうか。コンディションによってはかなりハードな行程になる可能性もあるコースですが、ジャングルの山の奥深さを垣間見る貴重な体験ができると思います。
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亜熱帯の植物の生育の大きさには驚かされるばかり。島の生態を熟知しているガイドさんによるエコツアーは驚きと新たな発見に満ちあふれています Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

気軽に参加できるものでは、ホタルやフクロウといった夜行性の生き物や、星や月を観察するナイトツアーも人気。これからの季節に西表島を訪れる人は、ぜひ早朝のサガリバナツアーへの参加をおすすめします。サガリバナとは、日本では奄美大島以南のマングローブに自生する小高木で、夜に芳香を放ちながら花を咲かせ、翌朝には花びらを散らす美しい花。西表島では、毎年6月中旬すぎころから夏の間、夜中になると、白や淡いピンク、濃いピンクのサガリバナが満開の花を咲かせ、明け方、川の水面はサガリバナを敷き詰めた花畑のようになります。その光景はとても幻想的で、夏の西表島の風物詩とも言えるでしょう。

西表島のアクティビティ

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西表島の魅力はもちろん海にもあり!  ダイバーはもちろん、ノンダイバーも思う存分に海の中の世界を楽しんで欲しいもの

手つかずの自然に囲まれた西表島の楽しみ方は、もちろんエコツアーの他にもたくさん! 島の東側、小浜島との間にはヨナラ水道が流れ、南西約15kmには日本を代表するビッグポイント沖ノ御神島が浮かぶ西表島は、島のまわりすべてがそれぞれに特色溢れるダイビングポイントです。初級者でも楽しめるポイントも多くあるので、ダイビングで生命豊かな西表島の海に触れてみるのもおすすめです。ダイビングはちょっと、という人ならシュノーケリングやシーカヤックで海中散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、アウトドア派なら、西表島の滞在そのものをキャンプにして、海も山も川も、思う存分に満喫してしまおうというのもいいですね。西表島には現在、計4カ所のキャンプ場があるので、キャンプin西表島も実現可能ですよ(※西表島ではキャンプ場以外の場所でのキャンプは禁止されています)。最近ではサーフボードに乗ってオールで漕ぐスタンドアップパドル(SUP)が西表島でもずいぶんと普及してきているようです。

東部:大原港エリアの観光

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水牛車で渡る砂の島。由布島は西表島を代表する観光スポット Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved


由布島
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浅瀬の海を水牛車に揺られて渡る時間は、まるで遠い昔にタイムスリップしてしまったかのような気持ちに

水牛車に乗って渡る周囲2kmほどの砂の島。西表島を代表する観光ポイントで、石垣島から日帰りツアーで訪れる人も多い島です。浅瀬を行く水牛車の姿は風光明媚で、絵はがき等で目にした記憶がある人も多いのでは? 島全体が植物園になっていて中にはレストランやおみやげ店もあり、八重山の離島には珍しい観光地という印象の島です。
TEL:0980-85-5470
入園料:大人1300円、小学生650円(往復水牛車料込み)

南風見田の浜
西表島内を走る舗装道路の南の終着点にあるビーチ。遠浅で、美しい砂浜が続きます。正面に波照間島を望むことができ、のんびりと過ごすのにおすすめ。

忘勿石
南風見田の浜をずっと左の方に歩き、岩場を超えた場所に「忘勿石」という文字が刻まれた石があり、忘勿石と呼ばれています。この場所は、第二次世界大戦末期、波照間島から軍によって強制疎開させられた波照間の島民たちがマラリアで生命を落とした場所で、「忘勿石」は当時波照間国民学校の校長であった識名氏によって、命を亡くした多くの子どもたちと島民たちへの想いが刻まれたものです。あまり語れることのない八重山の沖縄戦史ですが、波照間の島民たちは、マラリアのない波照間島からマラリアの汚染地帯であるこの地に疎開を強要され、波照間島を目の前に見ながら帰ることができず、ほぼ全員が疾患、島民の1/3が命を落としています。忘勿石の横には、1992年に平和への礎として石碑も建てられているので、南風見田の浜に行ったならぜひ訪れてみてください。
仲間川
西表島東部で気軽にマングローブクルーズができる川。川のたもとには観光船乗り場があり、予約なしで随時マングローブクルーズを楽しむことができます。

古見のサキシマスオウノキ群落
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隆々と盛り上がり自由な曲線を描く板根は大自然が造りだしたアートそのもの Copyright 2013 Okinawa Convention & Visitors Bureau, All Rights Reserved

マングローブの後背地の湿地帯などに生育するサキスマスオウは、板状に成長した独特の板根が不思議な風貌を形成する亜高木。昔はその板根をサバニの舵として使用していたと言います。大原港から車で7分ほどの古見の前良川の河口にあるサキスマスオウの群落は国の天然記念物にも指定されている見応えのあるものです。

西表野生生物保護センター
イリオモテヤマネコをはじめとした西表島固有種の野生動物の研究をしている施設で、展示を無料で閲覧することができます。ホンモノのイリオモテヤマネコに遭遇するチャンスもなかなかないので、興味がある人はぜひ立ち寄ってみるといいでしょう。
住所:八重山郡竹富町字古見
TEL:0980-85-5581
開館時間:10:00~16:00 月曜休館

野原展望台
小浜島が一望できる展望台。自転車やバイクで観光している人には、調度いい休憩所になります。

西表島東部の食事処

大原港のまわりを中心にいくつか食堂や居酒屋があります。基本的に大原港を離れるとあまりお店はありませんが、由布島まで行けば食事処やお土産屋がありあります。

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大原港のそばにあるボリューム満点の食堂。定食の他、八重山そばも美味しいと評判。夜はつまみながら一杯と居酒屋的な利用もできます。
住所:八重山郡竹富町字南風見仲201-141
TEL:0980-85-5258
営業時間:11:30~14:00/18:00~22:00 月曜休み

レストラン&バー字南風見
ホテル・ラティーダ西表のそばにあるレストラン&バー。お昼は、ワンコインランチ。夜は地元の魚やつまみとお酒がいただけます。
住所:八重山郡竹富町字南風見
TEL:0980-85-5170
営業時間:12:00~14:00 / 17:00~23:00 火曜休み

泡波と島の味「はてるま」
もともとは首里にあった人気のお店。オーナーが育てた野菜や海藻、魚など地産の素材に拘り、お料理はどれもシンプルで優しい味付け。
住所:八重山郡竹富町字大富29-53
TEL:0980-85-5623
営業時間:18:00~23:00 日曜休み、不定休
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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