大学生の就職活動/就職活動の選考対策

最終面接の合格率を上げる方法

周りにも就活を終える学生が出てくる中、最終面接までいってもなかなか内定がもらえずに悩んでいる就活生も多いことだろう。1次面接での合格ならまだしも、何度も面接を繰り返し、最後の一歩というところでの不合格には、当然気持ちの落ち込みも大きい。最終面接で合格するためには一体何が必要なのだろうか?

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

就職活動の山と谷

最終面接の不合格通知は涙が出るほど辛い

       最終面接の不合格通知は涙が出るほど辛い

就職活動には必ずがある。

山は自分自身が波に乗っているとき。きっと就職活動を始めた頃に興味のある会社を見つけた時や、憧れの企業の会社説明会の予約が取れた時、きっと自分の気持ちも波に乗っていたはず。

しかし残念ながら就職活動には山だけではなく谷も存在する。何社もエントリーシートを提出してもなかなか通らず、面接すら出来ないとき。そして、やっとの想いでたどり着いた第一志望の企業の最終面接で、不合格通知をもらったとき。その瞬間には、あたかもこの世の終わりであるかのような気持ちになるはず。行きたい会社に行けなかった自分には、もうこの先がないかのように錯覚してしまう。

私は毎年就職活動生の谷が落ち、そこから必ず復活して最後は幸せに就職活動を終えるのをたくさん見てきているので何も不安になることはないのだが、就活を初めて経験する学生にとっては不安でたまらなくなるのは当然だと思う。企業から不合格理由のフィードバックがあれば少しは納得できるかもしれないが、残念ながらほとんどの場合、不合格の理由を知ることは出来ない。

でもそんな時こそしっかりと自分自身を振り返り、本当に自分に足りないものがなかったかをぜひ考えて欲しい。企業からの「不合格通知」は学生が成長するためのメッセージでもあるのだ。


最終面接での面接官の気持ち

学生にはよく企業がどんな気持ちで採用活動をしているかを話す

      面接官の気持ちを理解することが大切である

学生にとって最終面接とは内定という1つのゴールを達成するための最後の関門。これをなんとかパス出来れば、晴れて志望企業の内定を得て、就活を終了することが出来る。まさにあと一歩で「安心」を手に入れることができる瞬間だ。

では企業側にとって最終面接とはどのような場なのだろうか。企業にとっては最終面接が事実上、その学生を採用するかどうかを決める最終判断の場となる。目の前の学生が本当に長期的に自社に貢献してくれるかどうか、その判断を1時間に満たない時間でしなければならないという過酷な場である。

企業にとって「新卒の人材を1名採用する」というのはどのくらい重い決断なのだろうか。中小企業の社長の気持ちになったとすれば、率直に来年の4月から目の前の若者に自分のお財布から毎月20万円ずつ払うかどうかの決断になる。毎月20万円、年間で240万円、給与以外の経費なども加えると300万~350万円分の買い物をする気分だろう。

しかし1年契約の契約社員の採用ならば、それだけでの金額だけを考えればよいのだが、今の学生が受けているのは新卒での「正社員」としての採用。現在の日本人の生涯年収から計算すると、65歳まで働くとすれば約2億~3億円分の投資の決断となる。

目の前の面接官がそんな大きな決断をしようとしていることを、ほとんどの就活生は知らない。早く内定をもらって、いち早く就活を終えたい、やりたい仕事をやらせてもらえて、できるだけたくさん給与をもらいながら、休日は土日必ず休みでプライベートも充実させたい……そんな想いで心がいっぱいだったとしたら、相手はその大きな決断を思い切って出来るだろうか。

最終面接のために就活生に最初に出来ることは、「最終面接の面接官の気持ち」を理解するということだ。どのような想いで目の前にいるのか、そして自分にはその決断をしてもらうために何が出来るのかを考えたときに、初めて面接が「対戦の場」から「協働作業の場」になる。

面接、特に最終面接は「戦いの場」ではない。お互いに相互理解し合い、正しい決断をするためのコミュニケーションの場である。

最終面接では、学生自身も最終面接官である役員や社長がその大きな決断をするための「手助けをする気持ち」が必要なのだ。学生自身に出来る「決断への手助け」が必ずある。

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