不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

ハトの糞害があるマンションだったら?

ハトの糞など、マンションのバルコニーではさまざまな鳥害を受けることがあります。かわいいからなどと餌をあげれば、思わぬ被害が生じるだけでなく、生態系を壊すことにもなりかねません。購入したマンションで困ったことにならないように、見学のときから注意深く観察することも大切です。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.003】

防鳥ネット

防鳥ネットがあるマンションなら、ハトの糞害などにも注意


マンション中高層階の部屋にとってなかなか厄介な問題が、ハトに代表される鳥の糞などによるバルコニーの被害です。カラスやムクドリ、ヒヨドリなど鳥害の原因となる鳥の種類はいくつもありますが、ハトの糞は人間に病気をもたらすことも多いので気をつけなければなりません。

ハトの糞が媒介する病気には、オウム病、クリプトコッカス症、トキソプラズマ症などが知られており、重篤な症状になる場合もあるので、とくに乳幼児や高齢者、妊婦は注意が必要です。また、ダニやノミ、シラミなどがアレルギーや湿疹などの原因となることもあるようです。さらに、酸性の糞により建物の躯体に影響が出ることもあるでしょう。

ハトを寄せ付けないためには、こまめに清掃をして清潔に保ち、ハトが巣作りをするような環境にしない、バルコニーに不要物を置かないなどといったことが基本です。しかし、住人が退出したまま清掃が行き届かない空室があったり、バルコニーでハトに餌を与える人がいたりして、マンション全体での予防策が徹底できないと、途端にハトが集まるマンションとなりかねないのです。

インターネットで検索をすればさまざまな対策法が紹介されていますが、「これなら万全」という決定打はなく、防鳥ネットに頼らざるを得ないケースも多いようです。この場合、防鳥ネットを張っている部屋に問題があるとは限らず、その回りの上下左右、どこかの部屋が原因となっていることも少なくありません。隣が公園でハトが集まりやすい、などといった要因で悩まされるマンションもあるでしょうが…。

中古マンションを探しているときにこのようなネットがあれば、ハトの糞害の実態がどうなのか、管理組合としてどのような対策をしているのかといった点を念入りに確認することが必要です。部屋によっては、すでにハトが寄り付かなくなったものの、用心のため以前に張った防鳥ネットをそのままにしているという場合もあるでしょう。もちろん、防鳥ネットがないマンションのときでも、バルコニーに鳥の糞が落ちていないかなど、注意深く観察することが大切です。

新築マンションの場合には、残念ながら将来的な被害を予測することができません。ハトの被害を受けないように、日頃からバルコニーの清掃などを意識できる人が集まることを期待するしかありませんね。


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