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ザ・タイガース再結成によせて 

2013年。グループサウンズの頂点を極めたザ・タイガースがいよいよ再結成。再結成にいたるややこしい道のり、加橋かつみの「二度とやらないよ」発言とは?「今見れる最後のGS」のひとつになったザ・タイガースによせるグループサウンズネタ第一弾。

中将 タカノリ

執筆者:中将 タカノリ

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2013年 ザ・タイガース再結成を見逃すな!42年の紆余曲折の末にあった奇跡

1971年の解散から42年ぶりにオリジナルメンバーでの再結成を果たすザ・タイガース。年末には日本武道館、東京ドームなど全国8ヶ所の大型ツアーが決定している。

ザ・タイガースは言わずと知れたグループサウンズのNo.1バンド……と言いたいところだが、若い読者の方には?な方もいらっしゃるだろうから簡単に説明すると

ボーカル・沢田研二 リードギター、ボーカル・加橋かつみ サイドギター・森本太郎 ベース・岸部一徳(修三) ドラム・瞳みのる ※1968年の加橋かつみ脱退後にギター・岸部シロー加入

1967年デビュー、1971年解散。グループサウンズ(GSとも。1960年代後半に生まれたザ・ビートルズ、ザ・ローリングストーンズ、R&Bなどの影響をうけたバンド形式の歌謡曲)ブームの頂点を極めたバンド。代表曲に『シー・サイド・バウンド』『君だけに愛を』『花の首飾り』などがある。ボーカルの沢田研二はソロ転向後も長くヒット曲を連発し、日本の音楽シーンに大きな影響を与えた。他にも岸部一徳、岸部シローは俳優、タレントとして著名。

といったところか。

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全盛期の主演映画『ザ・タイガース 華やかなる招待』ポスター(1968年)

また今回、再結成のニュースを聞いて

「あれっ?80年代にも再結成してなかったっけ?『色つきの女でいてくれよ』とか」
「1、2年前にもザ・タイガースのコンサートやってなかったっけ?」

と思われる方もいるかもしれない。しかし、1981年~1983年の活動はあくまで"同窓会"という名目。当時、芸能界と決別し、メンバーとも距離を置いていた瞳みのるさんは一切活動に加わることはなかったので、それを尊重してのことだった。

それから約30年たった2011年。瞳さんがせっかくみんなと和解、芸能界復帰して「いよいよ再結成!」と思ったら、今度は気難しいことで知られる加橋かつみさんが拒絶。仕方なく"ほぼタイガース"という形で沢田さんのツアーに他のメンバーが合流して活動することとなった。


 そして2013年。何が加橋さんを翻心させたのか知らないが、今回の再結成はそんな散々の紆余曲折の果てにようやく成った奇跡なのである。ファンにとって、いや日本中の音楽ファンにとっても見逃すわけにはいかない一大イベントだと確信している。

なんて言ったって、加橋さんは始まる前からすでに

「ザ・タイガースの再結成は二度とやらないよ。これが最後。」

とおっしゃってるらしいから……

誰一人欠けていないグループサウンズはもはや貴重

不謹慎なことは言いたくないが、実際にグループサウンズの人気者たちには早世する人が多い。理由は若い頃にトッポい遊びをしすぎた(婉曲表現)ことを中心にいろいろあるのだろうが、2007年に筆者がお世話になっていた加賀テツヤさん(ザ・リンド&リンダース)が亡くなった前後から、アイ高野さん(ザ・カーナビーツ)、岡本信さん(ザ・ジャガーズ)、鈴木ヒロミツさん(ザ・モップス)、安岡力也さん(シャープ・ホークス)、デイブ平尾さん(ザ・ゴールデン・カップス)、大口広司さん(ザ・テンプターズ)など錚々たるスターが60歳かそこらくらいで次々と亡くなっているのだ。

ヒット曲を持つ有名バンドのうち、オリジナルメンバーが全員集まって活動している、もしくは可能そうなのは、もはやザ・タイガース、ザ・スパイダース、ザ・ワイルドワンズくらいではないだろうか。

僕が十代の子供の頃はテレビでもイベントでもグループサウンズが勢ぞろいする企画がたくさんあった。音楽をはじめてからはいろんな方と共演させてもらった。「これからもこの人たちを観たり、お付き合いしたりできるんだろうな」と思っていたが、ほんの十年くらいで状況はがらっと変わってしまった。加橋さんの「二度とやらないよ」発言もあるし、今年、ザ・タイガースを初めて観る人は、後追いだけどグループサウンズを体感できる最後の世代になると思う。昔からのコアなファンの方はもちろんだが、ちょっとでも興味あるなら若い人たちにこそぜひぜひ足を運んで欲しいのだ。

今も衰えないワイルドなステージング

2011年~2012年の"ほぼタイガース"ツアーには筆者もお客として参加させていただいた。長く音楽活動から離れているメンバーもいるので心配もあったが、蓋を開けるとそれはまったくの杞憂にすぎなかった。パワフルな演奏とコーラスワーク、華のあるアクションやたたずまいは昔の映像となんら変わるところがない。構成の面でも往年のヒット曲、レア曲、ローリング・ストーンズ、デイヴ・クラーク・ファイヴなどの洋楽ロックナンバー、MCがバランスよく配分されており、ブーム当時っぽいノリを巧みに演出していた。

それだけでも十分な満足感があったのに、今年の再結成はさらに加橋さんが加わり、よりパーフェクトになった真のザ・タイガースを観ることができるわけだ。この昂揚感をどう表現していいのか迷うが、一言「楽しみすぎる!」。少し先のことになるが、このコーナーでもレビューなど書かせていただければと思っている。

ザ・タイガースのツアー日程は12月3日 日本武道館、12月8日 長崎ブリック、12月10日 福岡サンパレス、12月13日 名古屋センチュリー、12月17日 京セラドーム大阪、12月20日 仙台サンプラザ、12月22日 札幌ニトリ、12月27日 東京ドーム。

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