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認定経営革新等支援機関を活用した中小企業支援策

中小企業金融円滑化法が終わった今、認定経営革新等支援機関を活用した中小企業支援策が注目されています。融資、補助金、税制におけるこれらの支援策を上手に利用しましょう。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

認定経営革新等支援機関をうまく活用しよう

経営革新等支援機関

融資・補助金・税制の分野において、さまざまな支援策が設けられている

現在、認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)を活用した中小企業支援策が増えてきています。平成25年3月31日に中小企業金融円滑化法が終了し、これからは、これらの制度が中小企業支援の中心になっていきます。

基盤となっているのは、平成24年8月30日に施行された「中小企業経営力強化支援法」です。この法律に基づき、税務・金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等が認定支援機関として認定され、これらの支援機関による支援事業を通じ、中小企業の経営力を強化することとしています。

具体的には、主に融資・補助金・税制の分野において、これらの支援策が設けられています。ざっくりと全体のメニューを把握し、自社の今後の計画、展開に活かしていきましょう。

認定支援機関を活用した融資制度

融資においては、「経営力強化保証制度」と「中小企業経営力強化資金」、「経営支援型セーフティネット貸付」と主に3つの制度が設けられています。

「経営力強化保証制度」は、中小企業者が認定支援機関の力を借りながら、経営改善に取り組む場合に信用保証料を概ね0.2%減免する制度です。利用する中小企業者は、認定支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画を策定・実行し、その進捗を金融機関に対して四半期毎に報告しなければなりません。保証限度額は、無担保8,000万円、有担保2億円で、保証期間は、運転資金5年以内、設備資金7年以内(ただし、本制度によって保証付きの既往借入金を借り換える場合は10年以内、据置期間はそれぞれ1年以内)となっています。

(参考)http:/www.zenshinhoren.or.jp/data/経営力強化保証制度.pdf

「中小企業経営力強化資金」は、創業又は経営多角化・事業転換等による新たな事業活動への挑戦を行う中小企業・小規模事業者であって、認定支援機関の経営支援を受ける事業者を対象に日本政策金融公庫が行う低利融資です。貸付条件として、事業計画や経営改善計画の策定や期中の進捗報告などが義務付けられていますが、貸付利率は、基準利率から0.4%引き下げられます。国民生活事業では7,200万円(運転資金4,800万円)、中小企業事業では7.2億円(運転資金2.5億円)の貸付限度額となっています。

(参考)http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2013/0227shikinguri4.pdf


「経営支援型セーフティネット貸付」は、日本政策金融公庫が実施しているセーフティネット貸付において、特に認定支援機関等の指導を受けて事業計画書を策定した場合に金利が優遇される制度です。

セーフティネット貸付は、社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれ、一定の要件に該当する場合に受けられる融資制度です。金利の優遇幅は、条件に応じ以下のようになります。

1.雇用の維持または拡大を図る場合 基準利率-0.2%
2.最近における売上高、売上高総利益率または売上高営業利益率が前期に比し、5%以上減少している場合 基準利率-0.3%
3.次のいずれにも該当する場合 基準利率-0.4%
(1)借入負担が重く、経営の改善に迫られていること
(2)中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に定める認定支援機関または公庫の経営指導を受けて事業計画書を策定すること
4.前1及び2のいずれの要件も満たす場合 基準利率-0.5%
5.前1及び3のいずれの要件も満たす場合 基準利率-0.6%

(参考)http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m.html

補助金の申請はお早めに

補助金においても、認定支援機関の支援を受けることなどを条件として支給されるものがいくつかあります。これらの補助金は予算との関係があるため、公募制となっているものが多く、期限も比較的早めに設定されています(今後も継続して公募が行われていく予定です)。ここでは、「地域需要創造型起業・創業促進補助金」をご紹介しておきます。

1. 補助対象者
(1) 地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業(地域需要創造型起業・創業)を行う者
(2) 既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する(第二創業)を行う者
(3) 海外市場の獲得を念頭とした事業を興す起業・創業(海外需要獲得型起業・創業)を行う者
2. 補助内容
地域需要創造型起業・創業……補助率3分の2(補助上限額200万円)
第二創業……補助率3分の2(補助上限額500万円)
海外需要獲得型起業・創業……補助率3分の2(補助上限額700万円)
3. 公募期間
第1次受付 平成25年3月22日~平成25年4月1日
第2次受付 平成25年3月22日~平成25年4月22日
なお、本補助金はこの後も複数回の公募が予定されています。

(参考)http://www.smrj.go.jp/utility/offer/075939.html

設備投資減税にも認定支援機関

税制においては、認定支援機関の支援を絡めた優遇制度として、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」があります。

この制度は、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等が、建物附属設備(1台60万円以上)又は器具備品(1台30万円以上)を取得した場合に、取得価格の30%の特別償却又は7%の税額控除(税額控除の対象法人は、資本金が3,000万円以下の中小企業等に限る)が認められます。

対象となるのは、商工会議所、認定支援機関等による法人の経営改善及びこれに必要な設備投資等に係る指導及び助言を受け、その指導及び助言を受けて行う上記の設備投資とされています。

適用期間は、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの2年間です。

(参考)http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2013/0401ZeiseiKaisei1.pdf

今回ご紹介した制度は全て、認定支援機関の支援等が必要になります。なお、弊社(マネーコンシェルジュ税理士法人)も認定経営革新等支援機関に登録されていますので、上記制度に対応可能です。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/index.htm
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