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原田マハの“読む美術館”『ジヴェルニーの食卓』

2012年に上梓した美術ミステリー『楽園のカンヴァス』で大ブレイクした原田マハ。アートをテーマにした新作『ジヴェルニーの食卓』を紹介します。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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原田マハ『ジヴェルニーの食卓』

山本周五郎賞を受賞した美術ミステリー『楽園のカンヴァス』から1年。待望の最新作『ジヴェルニーの食卓』が上梓されました。

元家政婦の修道女が色彩の魔術師・マティスの晩年を語る「うつくしい墓」、ドガと彫刻のモデルになった貧しい踊り子の話「エトワール」、画材屋の娘がセザンヌに父の思い出をしたためた手紙を送る「タンギー爺さん」、モネと家族の愛の物語「ジヴェルニーの食卓」の4編を収録。西洋美術の巨匠の人生を、そばにいた女性の視点で描き出した作品集です。

それぞれ異なる魅力がありますが、なんといっても表題作の「ジヴェルニーの食卓」がおすすめ。視点人物は、モネの義理の娘ブランシュです。まず、ブランシュの母アリスとモネが結婚するまでの経緯が複雑。 アリスはモネのパトロンだったエルネスト・オシュデの妻だったのです。

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