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アメリカ糖尿病協会も推奨! 活用したいスマホアプリ

もし、あなたが糖尿病のような慢性病を抱えていて、いつもスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)が手元にあるのなら、いろいろなアプリが手助けしてくれるでしょう。日本でも糖尿病のアプリが増えてきましたが、時代のトレンドを読むために先進国アメリカのポピュラーな糖尿病アプリを紹介します。

執筆者:河合 勝幸

もし、あなたが糖尿病のような慢性病を抱えていて、いつもスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)が手元にあるのなら、いろいろなアプリが手助けしてくれるでしょう。日本でも糖尿病のアプリが増えてきましたが、時代のトレンドを読むために先進国アメリカのポピュラーな糖尿病アプリを紹介します。

これらは信頼できるアメリカ糖尿病協会(ADA)が、どんなアプリをダウンロードしようか迷っている初心者に薦めているものですから、ほとんどが無料です。開発者自身が糖尿病者であったり、1型糖尿病の子どもを持つ母親だったりですから、患者目線のニーズに即したものが選ばれています。

スマホが糖尿病セルフコントロールの中心に!

1型・2型を問わず、インスリン治療の糖尿病者は常に携帯するインスリンペンと注射針、血糖測定器、穿刺器、ランセット、消毒布、ブドウ糖などがとてもかさばります。アメリカではインスリンポンプやCGMが普及していますから、さらにそれらのリモコンも身に付けなくてはなりません。もう、それらの単機能の装置は患者にとって負担を増すだけですから、すでに多くの人が持っている携帯端末に機能を集中しようという動きが世界中で加速しています。

iBGStar

iBGStar。スマホの下部に装着したUSBドライブのようなものがiBGStarです。

写真はサノフィ・アベンティス(フランス・パリ)の血糖測定器 iBGStarです。USBメモリーのサイズで単体でも血糖測定ができますが、iPhoneやiPod Touchに直接装着すると自動的にアプリをダウンロードして血糖測定器としてのフル機能を発揮します。血糖データの記録や分析、グラフ化、食事時間のタグ、食事内容のメモ、インスリン単位記録、家族や医療プロバイダーとのデータの共有、カスタム化などができます。
すでに2011年4月にフランスとドイツで発売開始、2012年にアメリカ、今年(2013年)は日本でも発売が期待できそうです。
同様の血糖測定器GMate Smart(Philosys社)がヨーロッパで発売認可、アメリカでも認可待ちです。この韓国製の血糖測定器はとても小さく、iPhone、iPad、iPod Touchのイヤホン・ジャックに差し込んで、そのまま多機能な血糖測定器になります。もちろん、アンドロイドにも対応しています。

糖尿病コントロールは生活習慣や体の状態すべてに気配りが必要ですから、データの管理は当然として、やる気を生むメンターやコーチのようなアプリの後押しも必要です。2011年のアメリカのデータですが、携帯端末の利用者は平均すると一日74分間はインターネットをブラウジングしていて、81分間はアプリを使っていました。糖尿病に利用できる環境は十分に整っていたのです。
2011年の時点で糖尿病に関するアプリが406あったと(米)糖尿病専門誌に載っていました。

糖尿病は全身の健康の問題ですから、個人の問題が容易に家族や仲間、医療プロバイダーへとつながることは理解できます。しかし、近いうちに担当医は、例えば300~500人の糖尿病患者の洪水のような医療データに圧倒される日が来るかもしれません。医療行為として報酬に結び付かなければ活用できませんから宝の持ち腐れです。今からスマホアプリの高機能をどう使いこなすか一人ひとりで考えておく必要がありそうです。まずは次のような観点で糖尿病アプリを検討してみてください。

糖尿病コントロールのアプリ……『Diabetes Pal』 『Glucose Buddy』

Diabetes Pal
血糖測定器メーカーTelcareのアプリ。Telcareのメーターを使っていればワイヤレスで入力できますが、他メーカーの測定器ではスマホにマニュアル入力も可。薬や食事内容も記録でき、血糖値のグラフ化もできます。(iPad、iPhone、iPod Touch)

Glucose Buddy
広範囲な糖尿病アプリで、血糖値、服薬、食事、エクササイズなどを記録、注解を加える、グラフ化、Glucose Buddyフォーラムへの参加、さらに血糖測定時間の喚起機能もあります。(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

介護者のためのアプリ……『Blue Loop』 『Glucagon』

Blue Loop
糖尿病のある子どもの介護者、両親、医師、養護教諭などが、その子の最新の血糖値やランチの糖質(g)などを共有できるアプリ。その子への注意事項などのテキストメッセージをセットしておくこともできます。子どもが血糖測定をする度に両親がその情報を共有できるのはすばらしいことです。(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

Glucagon
意識を失ってブドウ糖を飲み込めないような重い低血糖が起きたら、意識を回復させるために血糖値を上げるホルモン、グルカゴンの注射が必要です。特に1型糖尿病の子どもには、いつ・どこで起きるか分かりません。グルカゴン注射には正しい知識が必要です。大手製薬会社Eli Lillyのglucagon appをダウンロードしておけば安心です。注射のやり方はもちろん、普段はめったに使うことがないので忘れがちなグルカゴンセットを収納してある場所や薬の有効期間の確認を介護者が共有することができます。(iPad、iPhone、iPod Touch)

ゲームで食事のカーブカウンティングを学ぶアプリ

Carb Counting With Lenny
1型の子ども達がカーブカウント(糖質計算)をMedtronicのシンプルなアプリでゲーム感覚で学ぶことができます。もちろん、成人にもお薦めです。(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

糖尿病薬物治療のアプリ

Medsimple
「お薬ノート」のアプリです。処方薬だけでなく市販薬の情報も入力でき、飲み忘れ防止のアラームもセットできます。(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

眠りの深さも記録できるアプリ

Sleep Time
睡眠不足はインスリン抵抗性を高めます。Azumioのアプリはスマホが体の動きを記録してパターンを分析します。アラームセットは眠りの浅いタイミングを判断して鳴りますから、さわやかな目覚めがウリだそうです。(Android、iPad、iPhone、iPod)

その他の生活改善アプリ

Calorie Counter (減量アプリ)
(Android、BlackBerry、iPad、iPhone、iPod Touch)

GoMeals (食事管理アプリ)
(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

Diabetes Nutrition by Fooducate (糖尿病食アプリ)
(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

Charity Miles (エクササイズ アプリ)
エクササイズが自分のためだけでなく、スポンサーがスマホを持って走ったり歩いたりした距離に応じてチャリティを出すという、いかにもアメリカらしいアプリです。ウォーキングやランニングの1マイルが25セント、バイクが10セントです。目標を達成したら褒めてくれます。
(Android、iPad、iPhone、iPod Touch)

時として自信を失いがちな糖尿病のある毎日ですが、アプリを使って仲間と励まし合えればいいですね。
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