フィンランド/湖水地方

湖畔の工業都市タンペレのおすすめ観光スポット10選(5ページ目)

ヘルシンキから160キロほど北上した先にある、フィンランド第2の都市タンペレ。昔から豊かな湖水資源を利用した紡績や機械産業が盛んで、水力発電も行われている川辺に建ち並ぶレンガ造りの工場群は、タンペレならではの風景を生み出しています。2017年にリニューアルオープンを果たしたムーミン美術館を始め、工場跡地を利用したアミューズメント施設や街を見渡せる展望スポットなど、10大おすすめ観光スポットをご紹介します。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


ご当地ウマイもんと人情の宝庫、タンペレ・マーケットホール

内観

100年以上の歴史を誇るタンペレのマーケットホールには、現在約40の個性あふれるお店がずらりと並んでいる

歴史ある都市には今でもその活気が受け継がれている、フィンランド版商店街とでも言うべき屋内マーケットホール。タンペレにももちろん現存するタンペレ・マーケットホール(Tampereen kauppahalli)は、1901年にこの場所にオープンした、国内有数の歴史あるマーケットのひとつ。ハメーン通りに面した、やや目立たない入口の先からは、個性豊かなお店が列をなして奥へ奥へと続いています。

この長い歴史を誇るマーケットホールで営業しているのは、現在約40店舗ほど。民芸品や雑貨を扱うお店もありますが、やっぱり食市場としての印象が強いマーケット。スーパーでは見かけないような貴重な食材も並ぶ生鮮食品店から看板のかわいいパン屋さん、コーヒーショップまで、目だけでなく聴覚や嗅覚にも訴えてくる活き活きとしたお店が目白押し!地元客も観光者もついあっちへこっちへと吸い寄せられてしまいます。

ムスマッカラ

グロテスクな見た目に反して味は結構いけると驚く人も多いムスタマッカラ

朝8時から営業を始めるホール内には、新鮮な魚介をその場でスープやアラカルト料理に仕立ててくれる人気のレストランや、自家製パンの美味しいカフェなども並んでいるので、モーニングやランチ休憩がてら立ち寄ってみるのもおすすめ。

また、タンペレに来たからにはぜひお試しいただきたいのが、タンペレ名物として名の知れたムスタマッカラ(mustamakkara)……訳せばその見た目通りブラック・ソーセージ! 豚ミンチだけでなく、なんと豚の血液や麦なども混ぜて詰められた、見た目はややグロテスクなソーセージ。トナカイ肉のように、臭み消しの効果もある甘酸っぱいベリーと食べるのが一般的です。味の方はなんとも形容しがたいので……ぜひ現地でお確かめください!マーケットホール内で、テイクアウトサイズのものが買えますよ。

<DATA>
Tampereen kauppahalli(タンペレーン・カウッパハッリ)
住所:Hämeenkatu 19, 33200 Tampere
アクセス:タンペレ駅西側出口から西方向へ徒歩約15分
開館時間:月~金曜8:00~18:00、土曜8:00~16:00
休館日:日曜

タンペレの街を一望!併設ドーナツ屋さんも有名なピューニッキ展望台

ピューニッキ展望台

郊外の丘の上に立つピューニッキ展望台に上ると、湖に囲まれたタンペレの街がかなたまで見渡せる

郊外の松林の丘の上にひっそりと佇む、石造りのやや古めかしい塔は、ピューニッキ展望台(Pyynikin näkötorni)という歴史ある展望台。

展望台

やや歴史を感じさせる石造りの小さな塔は、1888年にこの地に建てられたもの

塔の高さ自体はわずか26メートルで旧式のエレベータであっという間に上れてしまいますが、屋上からは起伏のほとんどない平らな街がかなたまで見渡せられる、タンペレ有数の絶景ポイントです。

ちなみにこの丘陵自体は、世界最大のエスカー(氷河期に湖のそばに砂利が堆積してできた、小山のような曲がっりくねった隆起のこと)と言われていて、すぐ周囲に美しい湖やそこに浮かぶ島々が点在するようすも眺められます。緩やかな丘陵なので歩きやすく、散歩やジョギングにやって来る人もたくさんいます。中心街からもそこまで遠くはないので、時間にゆとりがあれば景色を楽しみながらゆっくりと歩いて展望台を目指すのも気持ちいいですよ。

ドーナツ

ほんのりスパイスの効いたドーナツは、ピューニッキ展望台にやってきたらぜひとも食べたい

ところで、このピューニッキ展望台の1階には大人気のカフェが併設されているので、ここへの立ち寄りもお忘れなく! カフェの目玉メニューはなんといってもドーナツ風菓子パンのムンッキ(munkki)。フィンランドらしいカルダモン風味が効いていて砂糖がたっぷりまぶされた揚げたてドーナツは、これを買い求めにくるお客さんだけで行列ができるときもあるほど。もちろんコーヒーとの相性も抜群です。

この素朴でおいしいドーナツの評判は近年タンペレ市外にも広まり、今や「フィンランド1美味しいドーナツ」と語られることもあるほどの人気メニューなのですよ。もし展望台まで行く時間がないけれど噂のドーナツだけでも食べたい……という人には、実はこのドーナツ屋が経営するカフェが、マーケット広場前のバスロータリー脇にありますので、そちらで召し上がれ。

<DATA>
Pyynikin näkötorni(プューニキン・ナコョトルニ)
住所:Näkötornintie 20, 33230 Tampere
TEL:+358 3 212 3247
アクセス:市バス8,11,20など「Pyynikintori」下車徒歩10分
開館時間:9:00~20:00(夏季は21:00まで)※カフェも同様
定休日:なし
エレベーター入場料:2ユーロ(カフェのレジに支払い)

最終ページでは、フィンランド現存最古の公衆サウナと、アングリーバードのテーマパークが話題を呼ぶ湖畔の遊園地を紹介!
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